2019.04.26

三井住友銀行がユーザーリサーチの場にWeWork を選んだ理由

  • Interview
  • コミュニティ形成

今回お話を伺ったのは、三井住友銀行 成長事業開発部 SMBC Startup Hub センター長 大津寛淑さん及び部長代理 吉田絵理さんです。

成長過程にある企業を包括的にサポートするお二人は、スタートアップが抱える課題やニーズを探るために、今年1月に WeWork に入居。今回、お二人には入居して以降どのような変化が起きているのか、「コミュニティの活用」と「マインドセットの変化」という2つのポイントをもとにお話いただきました。

スタートアップやベンチャー企業を支える成長支援部隊

ー御社の事業内容に関して、具体的にどのようなことをされているか教えてください

吉田さん(以下、敬称略):成長事業開発部では三井住友銀行のリソースやネットワークなどを活用し、スタートアップやIPOを目指している成長過程にある企業を支援しています。具体的に言いますと、資金調達やIPO支援、事業パートナーのマッチングなど、成長企業が抱える様々な経営課題に対して最適なソリューションの提供を目指しています。

大津さん(以下、敬称略):ちなみに昨年の10月には、渋谷にスタートアップ支援拠点「SMBC Startup Hub」をオープンしました。スタートアップが集結する渋谷はまさにオープンイノベーションに最適な場と言えます。

吉田:私たちが普段関わるスタートアップは主にIT系の方々なのですが、最近はヘルスケアやものづくり関係の会社など業界が多岐に渡り、その分ニーズや課題も多種多様になっていると思います。

新たな拠点は WeWork しか考えられなかった

ーWeWork に入居したきっかけを教えてください

吉田:私たちはスタートアップが抱える課題やニーズを知ることのできる場所を探していたのですが、その時に真っ先に思いついたのが WeWork でした。WeWork のことはもともと知っていたので、日本に上陸すると聞いた時からずっと注目していました。

もちろん、すでにお付き合いのあるスタートアップ関係者もいたのですが、より多くの「生の声」を聞くことで隠れたニーズや課題解決に繋がる糸口を見つけたかったのです。なので、私たちにとって WeWork は、フラットな関係で自由な意見交換をするのに最適な場所なのです。

ーちなみに、WeWork 以外の場所も検討されていましたか?

吉田:いえ、むしろ WeWork しか見ていませんでした!(笑)私たちが求めていたのは従来のシェアオフィスが提供する働く場所ではなく、 WeWork が重視するコミュニティだったからです。

自分たちで構築するネットワークには限界があるので、普段会えないような人たちと出会えるのは、私たちにとって非常に大きな魅力なのです。

WeWork Iceberg

▲原宿・神宮前エリアにあるIcerbergの共有スペース

ポイント① WeWork だからこそ聞ける「ユーザーの生の声」

ー入居して WeWork のイメージはどう変わりましたか?

吉田:私たちはIcebergがオープンして少し後に入居したので、当初は転校生のような気分でした。すでに入居されている方々が仲良くされているのを見て、コミュニティに馴染めるか少し不安だったのですが、その不安もすぐに解消されました。WeWork のアプリ上で自ら発信するなど、何かしら行動に起こせば同じ目的意識を持った人たちからの反応が返ってくることに気づいたからです。

入居前は WeWork に入るとシステマチックなビジネスマッチングがあると思っていたのですが、コミュニティチームが別のメンバーさんを紹介してくれるなど、実際はもっと人に寄り添った人的なエコシステムがあると感じました。

もちろんコミュニティチームに頼るだけではなく、自分たちからも積極的にコミュニケーションをとっていく必要性があると思いましたね。今までこのような環境に身を置くことがなかったので、良い意味でコミュニケーション力が試されています。

ーWeWorkのコミュニティは御社のビジネスにどう作用していますか?

大津:通常は、三井住友銀行と取引のある企業の方々との付き合いが多いのですが、Icebergではフリーランスやアントレプレナーの方々など、今まで私たちがあまり接点を持てていないような層にリーチすることができます。このような方々と繋がることで、日々新しい発見があるのです。

例えば、 WeWork で知り合う人達の大半は三井住友銀行と取引がない方々になります。しかし、取引がないからこそフラットな状態で生の意見を聞くことができるのです。この状態を自分たちで生み出すのは難しいので、何でも話し合える環境があるのは良いですね。

また、一方で私たちの取り組みがあまり認知されていないことも知りました。(笑)メガバンクがイノベーション創出に注力しているイメージがないこと、そもそも銀行が何をしているのかわからない、など予想していない反応が多くありましたが、とても有り難いフィードバックです。

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▲三井住友銀行 成長事業開発部 SMBC Startup Hub センター長 大津さん(左)と部長代理 吉田さん(右)

ポイント② スーツを脱いだだけで世界が広がった

ー入居当初と比べて御社のビジネスにどのような変化が起きていますか?

吉田:働き方が大きく変わりました。 WeWork で働くとやっぱりテンションが上がります。金融業界では毎日スーツを着るのが当たり前です。しかし、私たちは WeWork の入居を機にスーツを脱ぎました。(笑)

「郷に入れば郷に従え」と言いますが、 WeWork のコミュニティに入っていくためには、まずは自分が変わる必要があると感じたのです。最初はオフィスカジュアルを意識してヒールを履いていましたが、徐々にコミュニティに馴染んでいきスニーカーを履くようになりました。

ー小さいようで大きな変化ですね!働く環境が変わるだけでモチベーションまで向上するのでしょうか?

吉田:そうですね、他のメンバーの方々と繋がることができた瞬間 WeWork で働くモチベーションがさらに高まりました。本社の職場環境と比較すると WeWork は同じ空間にいるのに異業界の人たちが繋がっている、何とも不思議な空間だと思います。

でもこの空間が開放的でとても心地良いのです。今までいかに自分が狭い世界で生きていたのかを思い知りました。働く場所が変わっただけで、自分の価値観も大きく変わりそうです。

銀行の固定概念を壊し、新しい銀行の在り方を見つけたい

ー今後 WeWork をどのように活用されたいですか?

吉田:WeWorkのオフィスと銀行が組み合わさった複合施設を作り、スタートアップの拠点にできたりしたら面白いのではと考えています。

ある時Facebookで「銀行の待ち時間が無駄」というコメントを見たのですが、その通りだと思いました。なので、自身が働いている空間に銀行があり、いつでも窓口に行ける状態にできたら今までの銀行から大きく変わることができると思います。例えば、可動式ATMといったように WeWork 内で銀行ワゴンを設置して動き回ることができるのも面白いですよね。

大津:WeWork にはITリテラシーが高く若い人たちが非常に多くいらっしゃると思います。そういった方たちを対象に「次世代の銀行ビジネス」をテーマにアイデアソンを開催したり、アーリーアダプターになって頂き、新しい商品やサービスの実証実験を行うのもいいですね。

ー最後に、意外と知られていない WeWork の活用方法などありましたら、ぜひ教えてください

吉田:そうですね。一番驚いたのは、WeWork だったら休日でも行きたくなってしまうこと、でしょうか。本社のオフィスだったら休日に行きたいとは中々思えないのですが、 WeWork だったら誰かと繋がりたい、新しい出会いを探したいという理由で「行ってみようかな」と自然に思えるのです。

WeWork は働く場所というよりも誰かに会いに行く場所なのかもしれません。大人になると新しい友人を作るのに億劫になってしまいがちです。そのため、自然に人と繋がれるコミュニティが身近にあることは、自分の生活にも大きなインパクトがあると思います。

今後はもっとWeWork のコミュニティを活用することで、銀行が持つ可能性を最大化していきたいですね。