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2019.06.17

3ヶ月で150社と商談!静岡市に聞くWeWorkを活用したプロモーションとは?

  • Interview
  • イノベーション創出
  • コミュニティ形成

今回お話を伺ったのは、静岡市の経済局 商工部 産業振興課 主査 松木 喜伯氏と総務局 市長公室 東京事務所 主査 藤澤 翔氏です。

静岡市は WeWork への参画にあたり、シティプロモーションの強化と市内企業の支援という2つのミッションを掲げ、昨年 WeWork に入居し、今ではイベントの開催や入居企業とのコラボレーションなどを積極的に行っています。

地方自治体の入居は、世界中の WeWork でも非常に珍しいケースです。今回は静岡市が、新たな挑戦の場に WeWork を選んだ理由、そして入居後の効果について詳しくお話を伺います。

静岡市のプロモーション強化を WeWork で加速

ー静岡市が掲げているミッションについて教えてください

藤澤氏(以下、敬称略):私からは、静岡市のプロモーションについてお話します。まず、WeWork での入居に限らず、静岡市としての認知度を向上させることに大きな課題を感じていました。

「静岡市に行ったことがある」と話していても実は熱海や伊豆などで静岡市ではなかった、というケースがとても多いです。そのため、首都圏の方々に静岡市のアクセスの良さや特産品などの魅力を伝え、認知度を向上していく必要がありました。

やはり「静岡=お茶」というイメージが強いかと思うのですが、実はツナ缶などの水産缶詰の生産が日本一であったり、ホビーメーカーの集積地であったりと、まだまだ認知されていない静岡市の魅力が沢山あります。

なので、まずは静岡市の魅力を知ってもらい興味を持ってもらう、そして実際に静岡市に来てもらうという「行動」にまで繋げるため、現在は WeWork で定期的にイベントを開催したり、アプリを通してプロモーションとなる情報配信を行っています。

また、入居して色々な方々と話す機会があるのですが、話をしていく中で私たちが当たり前に感じていることが実は入居メンバーの皆さんにとっては新鮮な情報だったりすることもあり、魅了の再発見にも繋がっています。

松木氏(以下、敬称略):私は市内企業の設備投資支援や企業誘致を担当しているのですが、首都圏企業を訪問する際、大手企業、有名企業ほど、面談のアポ取りや率直な情報交換などにたどり着くまでに時間と労力がかかってしまい、企業とのネットワーク構築の良い方法はないかと考えていました。

また、企業誘致に関しては、テクノロジーの発達や消費者ニーズの変化が進む中「企業誘致=工場誘致」という時代ではなくなり、地方創生の下、本社機能の地方移転や、地域の特徴ある企業への支援強化や働き方改革への対応など、誘致の対象や手法についても新しい考え方や取組みを模索していく必要がありました。

そんな中、地元の企業から新しいビジネスコミュニティ、イノベーションの仕組みとして注目されている WeWork が日本に上陸するという情報を聞きました。これが WeWork を知った最初のきっかけですね。

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静岡市の経済局 商工部 産業振興課 主査 松木 喜伯氏

入居後、3ヶ月間で150社とのコネクションを獲得!

ー WeWork の入居に至った経緯を教えてください

松木:WeWork のコミュニティは、市内企業がビジネスネットワークを広げたり私たちが企業誘致を行う場として有効だと考え、入居に向け市役所内部の調整を行ったわけですが、WeWorkが「どんな場所なのか」「どんなことができるのか」ということを理解してもらうためにメディアで取り上げられた記事や動画を見せながら説明をしていきました。

藤澤:6月上旬に内覧をしたのですが、他の職員からの反応も良かったので、6月下旬には市長が東京に上京するタイミングで WeWork を見ていただきました。企業支援だけではなく、シティプロモーションや職員の人材育成にも活用できるのではという意見をいただき、私たちが入居することになったのです。

通常、新たな施策の予算計上は前年のうちに議会に通す必要があるのですが、内覧をした時期がちょうど年度半ばでしたので、まずは10月から3ヶ月間だけトライアルで入居することになりました。

ー 最初の3ヶ月間で達成すべきKPIなどはあったのでしょうか?

松木:大きく分けて3つありました。まずは静岡市をPRするイベントの開催です。計3回のイベント開催を目標にしていたのですが、実際は4回開催することができました。WeWork の入居企業に対して静岡市の魅力を広く周知することで、首都圏における静岡市の取り組みの認知向上のみならず、他の自治体からも問い合わせがありました。

そのほかには名刺交換などで交流機会を持った企業の数、市内企業の支援につながるビジネスマッチングや商談の件数を設定し、それをクリアしていくことで、WeWork 活用の可能性や価値を認めてもらいました。

藤澤:トライアルの中で一番大きなインパクトだったのがネットワークの構築です。3ヶ月間だけで、WeWork 入居企業約150社とのコネクションを獲得することができました。

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イベントを開催する際にはコミュニティーチームと相談して進めていく

ー WeWork 入居後、どのような効果がありましたか?

藤澤:静岡市が国内の自治体として初めて WeWork に入居したということで、数々のメディアに取り上げてもらったり、入居企業の方から声をかけてもらったりと、外部に対して非常に効果的な露出をすることができました。

また、他の自治体からの問い合わせも多く様々な自治体や市議会などから、WeWork の活用方法についてのヒアリングや内覧のリクエストなどもありました。入居前にはこのような反響は想定していなかったことなので私たちも驚いています。

また、現在ギンザシックスに入居されている熊本市も私たちの取組みを参考に入居を検討してくれたので、他の自治体が WeWork に入居するきっかけになることができたのも嬉しいですね。

藤澤:そのほかには、WeWork に入居している方々と話すとオープン且つ様々なアイデアが飛び交い、双方向もしくは多方向な意見交換をすることができると感じました。通常の商談では会話が一方通行になりがちで、私たちも受身になってしまうことがありますが、WeWork の方々は皆さん新しいことに前向きなマインドセットを持っているので、商談までのハードルが一気に下がりました。

WeWork には「新しいことを実現するためのきっかけを求めている」方々が集まっているからこそ、コラボレーションが起きやすいのかもしれませんね。

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静岡市の総務局 市長公室 東京事務所 主査 藤澤 翔氏

入居2日後に生まれたコラボレーション!?コジマとの地方創生推進に向けた協定を締結

ーこれまでにどのようなコラボレーションがあったのでしょうか?

松木:実は4月にギンザシックスに入居されている(株)ビックカメラのグループ会社である(株)コジマと地方創生の推進に向けた連携に関する協定を締結しました。この背景としては、入居の2日後に廊下で名刺交換をしたことがきっかけでした。私たちのオフィスロゴは静岡市出身のさくらももこさんがシティプロモーションのために描き起こしてくれたイラストなのですが、それを見られたビックカメラの方が声をかけてくださったのです。

私たちの名刺には静岡市を象徴する風景や場所、モノなどがさくらももこさんのイラストで描かれているのですが、そこから静岡市内の企業でもあるタミヤさんの話になり、意気投合したのを覚えています。そのあと、すぐに何か一緒にできないかという話になり、店舗で静岡市のプロモーションイベント開催など、協定におけるブレストを行なっていきました。

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名刺交換をさせて頂いた後、2週間後にはビックカメラ、コジマの幹部役員と面会させていただくことができ、12月には双方間で協定の締結をする方針の了承を得ることができました。このスピード感はあり得ないくらい早いと思います。

WeWork で出会えたからこそ、このスピード感で進めていくことができたのではと感じています。今後もこのようなコラボレーションを起こして、静岡市を更に盛り上げていきたいと思います!