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2019.07.02

創業91年の春日井製菓がWeWorkで実現するファンベースマーケティングとは

  • Interview
  • 働き方改善
  • マーケティング活用
  • コミュニティ形成

今回お話を伺ったのは、春日井製菓販売株式会社、コーポレートコミュニケーション部門長 原 智彦氏、マーケティング部カテゴリー部門 山根 菜摘氏です。

今年で創業91年となる春日井製菓は名古屋に本社を構えていますが、昨年、東京にマーケティング部を新設。お菓子の可能性を拡げるため、自分たちの働き方から新しくする挑戦の場として WeWork 新橋をご利用いただいています。

今回は、名古屋から離れた場所にマーケティング部を置くことになった経緯や春日井製菓が目指すファンづくりについて、お話を伺います。

名古屋の会社が東京にマーケティング部を新設!?

ーマーケティング部が新設された経緯を教えてください

原氏(敬称略):私たちマーケティング部は2018年秋に新設された部署で、社内公募によっていろんな部署から自ら手を挙げて異動してきた者と、いろんな会社でマーケティング経験を積んだ転職者が組み合わさり、商品企画、消費者調査、流通支援、海外開拓、そして企業広報の5部門が集まった21人のチームです。

それまでは名古屋にある商品開発部がマーケティング機能を兼務していましたが、より高い専門性を社外から取り込み、90年の歴史で培った強さと掛け合わせることで、もっと愛される強いブランドをつくってお菓子の市場全体を拡げよう、と考え発足しました。

山根氏(敬称略):弊社がつくっているお菓子のカテゴリーはキャンディ、グミ、ラムネ、豆菓子で、私の仕事は「つぶグミ」を筆頭としたグミと、ラムネのブランドマネジメントです。去年まで愛知に住んでおり、名古屋の商品開発部の一員として、白衣を着て商品の企画やレシピ開発、工場でのテストなどを行なっていました。

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原:僕は去年9月に転職してきたのですが、弊社で働いている社員のほとんどは、山根のように新卒入社のプロパーです。菓子業界の中でも「春日井製菓は社員を大切にするいい会社」として評判ですが、91年目という歴史にあぐらをかくことなく、商品や販促のアイデアを社員から買い取る制度で一人ひとりの提案体質を強めたり、食品安全の国際規格であるFSSC22000認証を全工場で取得したり、ノンシュガーキャンディ「キシリクリスタル」を傘下に収めたり、ここ10年でいろんな変革を重ねてきました。

これまでも新しい部署ができる時や、産休に入る社員が出るたびに「メンバー募集!」と社内公募が行われ、自ら異動を願い出ることが普通にできる開かれた社風でしたが、営業以外はほとんど愛知から出ることがなかったので、「東京のマーケティング部のメンバー募集!」の公募には、さすがに社内がザワついたそうです。(笑)

弊社は東京の御徒町に営業メンバーが働く東京支店があるのですが、敢えて別の場所にマーケティング部を設けることで、これまでとは違う変化が起きていることを社内に感じてもらい、刺激し合う狙いがあったと聞いています。

WeWork は新しいことを始めるのに最適な場所

ー WeWork に入居した経緯を教えてください

原:当初は自分たちでオフィスを構えることを考えていたようですが、物件のリサーチから内装工事、備品調達などを考えると通常1年くらいかかりますから、それじゃ間に合わないよね、と。

いろんなシェアオフィスを探していく中で WeWork のことを知り、デスクも会議室も全て揃っていてすぐに本業に専念できる環境、1ヶ月単位で契約できる柔軟な契約形態、多くの拠点を使える利便性、いろんな企業ともオープンに交流できるコミュニティの存在が決め手となって、WeWork への入居となりました。

入居してみてわかったのは、想像を超える便利さと雰囲気の良さでした。おいしいコーヒーもビールも飲み放題ですし、メンバーが自然に交流できるTGIMという朝食会などもコミュニティチームが用意してくれて、まさに至れり尽くせりですごいな!と。

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春日井製菓販売株式会社、コーポレートコミュニケーション部門長 原 智彦氏

新天地での多様な出会いが意識と行動にポジティブな変化をもたらす

ー WeWork 入居後、どのような変化がありましたか?

山根:物事の捉え方が前よりも前向きになったというか、視野が広くなった気がします。私は新卒で春日井製菓に入社して以来、ずっと名古屋で商品開発に携わっていました。ありがたいことに春日井製菓はロングセラーの商品がとても多いのですが、それらを超える新商品がなかなか生み出せないジレンマも抱えていました。

そういう時ってやっぱり弱気になるというか、「うちは古い会社だから」とか「どうせ売れないのでは」とか、自分自身後ろ向きになってしまうことがありました。新しいことに挑戦することがちょっと怖くなったり、どうすれば良いのかもわかっていなかったですし。

そんな時に、東京にマーケティング部をつくり、そのメンバーを募集するという社内告知があって、これは自分を変えるチャンスだ!と思い手を挙げました。異動が叶って東京に出てきて、WeWork でいろんな人たちと働くようになってからというもの、毎日ハッとさせられることばかりです。

新橋や他のエリアの WeWork メンバーの方たちともお話しする機会が何かと多いので、うちの商品への感想を聞けたり、どんなお菓子が好きかで盛り上がったりして。社外の人とこんな風に話すことってこれまでなかったので、たくさん刺激をもらっていますし、こうした交流を持つことで、私たちが気づかなかったことを気づかせてくれるので、次第に自分たちの商品に対して自信を持てるようになりました。

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春日井製菓販売株式会社、マーケティング部カテゴリー部門 山根 菜摘氏

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春日井製菓の代表的な商品

原:WeWork のおしゃれで開放的な空間は、働くモチベーションを上げてくれるだでなく、コミュニケーションも生まれやすいと感じています。WeWork に入ったばかりの頃は、各スペースがガラス張りでお互いが丸見えなのでソワソワしましたし、知らない会社の人たちとウェイウェイなんてしたくない、と思っていたのですが、不思議なもので、毎日顔を見たりエレベーターや通路ですれ違ったりしていると、だんだん近く感じてくるんですよね。

いつも間にかお互いに「お疲れさまです」とか「元気ですか?」なんて声をかけるようになっていました。WeWorkにはそういう「自然にコミュニケーションが生まれる仕掛け」がいろんなところに散りばめられていて、よく考えられているなあと感心しますし、今はすごく感謝しています。

「お菓子を通じて人と人をつなげたい」という想いから生まれた、「スナックかすがい」

ー WeWorkのコミュニティはどのように活用されているのでしょうか?

原:「スナックかすがい」というトークセッションイベントを月に1度WeWork新橋で開催させてもらっています。WeWorkはイベントスペースも生ビールも無料で提供してくれるので、これに僕らの「グリーン豆」というえんどう豆のスナックを食べ放題にして、好奇心旺盛な大人たちが楽しくつながり合う場をつくりました。

うちの社名は創業家の苗字が由来なのですが、工場がある愛知県春日井市や、「子は鎹(かすがい)」のことわざを思い起こす人も多くいるんですね。このことわざの“鎹”は、縦の柱と横の柱をつなぐコの字型の太い釘のことなのですが、これは英訳するとエンゲージだな、と。そうか、春日井製菓は、人と人の“かすがい”となって成果(製菓)を出すお菓子をつくっているのか!と勝手に解釈して、「スナックかすがい」と命名しました。

いろんな業界からゲストを招き、毎回違うテーマでお話していただいています。これまでに7回開催し、400人以上の方々が“かすがって”くれました。第4回目の会では、同じWeWork新橋メンバーのコニカミノルタQOLソリューションズ社長の三浦さんをゲストにお招きしたことで、社員の皆さんもたくさん参加してくれてグッと仲良くなりまして、今は仕事面での協業にも発展しています。

スナックかすがいの様子。会の途中で周りの人と交流する「かすがいタイム」が初対面同士を近づける

イベント後に毎回アンケートを取っているのですが、イベント前は「懐かしいお菓子の会社」だったイメージが、イベント後には「おいしくて面白い会社」に変わる人が多く、企業のブランディングにも役立っています。

認知を一気に広げるテレビCMなどの広告はこれからも使いますが、スナックかすがいのような“食べる人と私たち作り手が直接かすがう場”を重ねることで、「店頭でグリーン豆を見かけてニンマリした」とか「あれ以来グリーン豆を良く食べているよ」などの声を直接掛けてくれる方が増えてきていまして、会社やブランドへの愛着というか、エンゲージメントが少しずつ高まっていることを実感しています。

サイト上で体験記も公開しているので、イベントに来れなかった人が私たちの取り組みを読んで参加してくれたりして、じわじわ広がってきています。

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スナックかすがいでは、受付を済ませると、参加証として、首からぶら下げる豆菓子が手渡される。しかも食べ放題だ

山根:名古屋本社でもこのスナックは気になる存在になっているようで、東京出張時に見に来てくれる人も増えてきました。

自分たちが大好きな商品を目の前でおいしそうに食べてくれる姿を見ることや、味の感想や商品にまつわる思い出話を直接聞けるのはすごく貴重ですし、このイベントがなければ知り合うこともなかった面白い方々と出会えるのも、楽しみになっています。

原:会場設営も受付もドリンクのサーブも司会進行も、すべて自分たちの手作りですが、その裏で、このスナックがうまく行くように、いつもコミュニティチームや清掃クルーの皆さんが明るくサポートしてくれます。

毎回、会の途中に WeWork 内見ツアーを挟んでいるんですが、そのガイド役はコミュニティチームがやってくれています。 WeWork で仲良くなったメンバーさんが集客を手伝ってくれたり、会を盛り上げてくれたりして、すごくありがたいですし、あったかいですね。

「自分だけがやらなきゃ」な“I”でもなく、「あなたがやりなさいよ」の“You”でもなく、「みんなで楽しもうよ」という“We”な感じが心強くて心地良いので、僕らもそういう存在であり続けたいと思っています。

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