DNP WEWORK
2020.01.28

大日本印刷が語る「WeWorkで創出するイノベーション」と「渋谷での新たな挑戦」

メンバーインタビューイノベーション創出コミュニティ形成

今回お話を伺ったのは、大日本印刷株式会社の情報イノベーション事業部ビジネスデザイン本部本部長の森谷高行さん、そして同部署の第1部マーケティンググループリーダー松嶋亮平さんのお二人です。

現在、同社は印刷・情報技術を基盤に多角的に事業を展開しています。2018年10月に情報イノベーション事業部でビジネスデザイン本部が発足し、同年12月から原宿にある WeWork アイスバーグに入居。

さらに2019年12月には活動の規模を拡大するため新しくオープンした「WeWork 渋谷スクランブルスクエア」へ移転しました。WeWork を利用する理由やオープンイノベーションの取り組み、そして今後のビジョンを伺いました。

WeWork入居の決め手は「これまでの職場環境とは異なる感覚」

—御社の事業内容を教えてください

森谷氏(以下敬称略):大日本印刷(以下DNP)の事業領域は主に、出版印刷・情報加工(マーケティング、情報セキュリティー)などを含んだ「情報コミュニケーション部門」、パッケージや内・外装材、エネルギー関連部材などの「生活・産業部門」、そしてディスプレー関連製品や電子デバイス、光学フィルムなどを取り扱う「エレクトロニクス部門」に大別されます。

これらの事業群がメインとなりますが、近年は既存の事業領域にとらわれることなく、さらなるビジネスを創出していく必要に迫られています。そのため時には飛び地と思うような領域へのチャレンジも検討する必要があると考えています。

—WeWork (ウィーワーク) への入居背景を教えてください

松嶋氏(以下敬称略):これまで当社は、主にBtoB領域で、お客様の必要とするものを提供する受注型のビジネスをしてきましたが、それだけで通用する時代ではなくなりました。そうした事業の在り方を根本から変革するため、いまデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいます。

このような事業環境の中2018年10月には、情報イノベーション事業部内にビジネスデザイン本部が発足。共創のアプローチも用いながら、自ら新しい価値を社会全体に投げ掛けていく、能動型のビジネスに取り組んでいます。

イノベーションを起こさなければならない立場になった時、「本社がある市ヶ谷を中心に活動しているだけでは、多種多様な企業との接触が限られる、特に共創パートナーとなりうるスタートアップとのつながりが得られないのではないかと」と強く感じました。また、実は、働く環境を劇的に変化させることでイノベーションに挑戦するマインドセットを持つことも狙いでした。それが WeWork への入居のきっかけでした。

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情報イノベーション事業部ビジネスデザイン本部 第1部マーケティンググループリーダー松嶋亮平さん

—WeWork への入居の決め手となった最大のポイントとは

松嶋:国内にもコワーキングスペースはたくさんあります。しかし調査を進める中で、特に若い世代から強く薦められたのが WeWork でした。実際に WeWork アイスバーグを内覧し、立地、空間の雰囲気、実際に働いている方々を見て「これまで体験したことがない新たな感覚」を得ました。内覧の後、本社に戻って改めてこれまでの職場と比較し、働く場所としての違いに気付かされ、大きな刺激を受けたのを覚えています。

森谷:最初に松嶋から「イノベーションを起こすには WeWork でなければならない」と話があった時、私は WeWork のことをよく知りませんでした。松嶋から紙1枚にまとめたプレゼン資料を手渡された当時の私の感覚では、正直、松嶋が何を言っているのかよく分かりませんでした(笑)。

私ですらそんな状態でしたし、本社ビルも2017年末に完成したばかりでしたので、本社上層部の固定概念を覆し、WeWork への入居について稟議(りんぎ)を通すのは容易ではないと思いました。

しかし新しいマーケットで戦う場としてふさわしい場所であることを説明し、無事、承認を得ました。結果的に WeWork に対する社内での認知が進み、現在は、当社のイノベーション活動を象徴する場所になっています。大変でしたが、上層部を巻き込むことができてよかったと感じています。

KPIでは計れない個人の変化に期待

—入居後にはどんな効果が生まれていますか

森谷:2018年12月から、5名のメンバーで WeWork アイスバーグへ入居していますが、KPIはあえて設定せず、個人の変化に期待しています。WeWork という新たな環境に身を置いたことで、個々が日々成長しているように私は感じています。

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情報イノベーション事業部ビジネスデザイン本部本部長 森谷高行さん

松嶋:入居効果の1つとして気付かされたのは、受注型のビジネスモデルから脱却し、新たなブランドや価値をつくることに注力したいと考えている私たちにとって、WeWork は「我々の価値を発信できる場」として機能しているということです。WeWork内での日頃の他企業とのコミュニケーションもそうですし、WeWork で開催されるイベントも同様です。

この1年間、イベントにも積極的に参加してきました。また、今夏には市ヶ谷の本社に WeWork で出会ったABCash Technologies 代表取締役社長 CEOの児玉さんに講師になっていただき、当社員150名を集めた勉強会を開催しました。本社で働いている人たちに WeWork 内での活動を伝える意味は大きかったと思いますし、スタートアップマインドを直接感じてもらい、自分自身の働き方などが変わるきっかけになったとも思います。

また、WeWork にはスタートアップのみならず大企業の新規事業部隊も大勢入居しています。そうした企業とのつながりをなるべく広げていくことをメンバー各人が意識していますし、実際にコラボレーションを通じたイノベーションも創出されています。

【DNP × ビックカメラ × ラネット】溶けない!?アイスを活用したビックカメラ店頭

—どのようなコラボレーションが始まっているのでしょうか

例えば、ビックカメラさん、及びビックカメラグループのラネットさんとの『溶けない!?アイス』を活用した取り組みも、 WeWork ならではのコラボレーションです。

私たちは以前からスタートアップのFULLLIFEさんと同社が保有する『溶けない!?アイス』を作り出す技術を活用して様々な取り組みを行っていました。ビックカメラさんとはWeWork のイベントで知り合い、お互いの情報交換から発展し、当社からビックカメラさんのアクセラレータープログラムに応募しました。

ビックカメラさん、そしてラネットさんには非常に興味を持っていただきワクワクする企画がたくさんうまれました。食品の取り扱いに関する社内の課題も多いため、慎重に社内の所管部門と協議して進めていきましたが、実際には企画からイベント実施まで2カ月足らずで実行することができました。ビックカメラさん、ラネットさんのスピーディで柔軟な姿勢にはとても感謝しています。

WeWork には、私たちと同じような課題認識を持っていたり、ビジョンを掲げている人たちが多いと感じています。また、決裁権のある方々と話しを進められることも多く、このケースにおいてもスピーディーにディスカッションができたのが短期実現のポイントだったかと感じています。

『溶けない!?アイス』への問い合わせが社内外で増加しているのはもちろんですが、新しい領域に挑戦していくDNPをアピールできたと感じています。スタートアップと複数の大企業がコラボレーションするという1つの理想的なかたちで実証ができたことは大きな成果です。

DNP Biccamera
(左)ビックカメラ店頭では特設イベントスペースを設置(右)DNPが開発した『溶けない!?アイス』

【DNP × アサヒビール】アイスボーールを活用したBEER DROPSの開発・販売

現在進行中の事例としては、WeWork 渋谷スクランブルスクエアに入居されているアサヒビールさんとの共創で『アイスボーールを活用したBEER DROPS』の開発・販売を進めています。

WeWork 内で当社はFULLLIFEさんとアイデア発想やディスカッションを繰り返し実施していました。WeWorkアイスバーグのビールコーナーを使った実証も行っておりイベントを開催していたアサヒビールさんとその場でいろいろなディスカッションに発展し、具体的な話にまでつながっていきました。

通常では考えられないスピードでテスト販売まで行われており、テスト販売の結果も、当社内試飲会(アンケート調査)の結果も好評で、出会いから約半年がたった今、すでに全国で販売がスタートし、アサヒビールさんによる外食企業や飲食店への提案が進められています。

本取り組みは新聞、テレビなど各種メディアで取り上げられるなど非常に大きな反響となりました。2020年は大きなムーブメントを起こし、新たな飲み方としての定着、更なる飛躍を目指していきます。

DNP Asahi beer

【DNP × Latona】社会・生活者に寄り添う豊かで便利な体験を創出するセンサーネットワークを目指して

松嶋:DNPはRFID、各種センサーなどを活用したセンシングにおける媒体の設計・製造・現場構築ノウハウを持っており、業務効率化・トレーサビリティといった領域を中心に展開しています。一方私たちは、生活者接点の場に対するAI・IoTといったテクノロジーの展開を推進しています。WeWork アイスバーグに入居されているLatonaさんとの共創にはこういった背景がありました。

出会いは、 WeWork の採用イベントです。意気投合した私たちは、双方の協業テーマを持ち出し、ディスカッションを通じてお互いの強みや狙いを理解しながら協業パートナーとしての関係を構築していきました。

社内の別部門で昨年末に渋谷スクランブルスクエアで実施した、AIを活用した次世代型のショールーミング店舗『boxsta(ボクスタ)』にもLatonaさんのテクノロジーが貢献しており、キックオフから4カ月ほどで実現しました。

私たちは最新の高度なテクノロジーを活用しながら、豊かで便利な生活を届けるインフラになれるように大きなデザインを推進していきます。

Latona-DNP

通常こうした新商品の企画提案・開発というのは、何年もの月日がかかるものですが、本プロジェクトは WeWork というワークスペースの出会いがきっかけとなり、ここにしかない特別な感覚の中でスピーディーに進行しています。この WeWork にはこのような可能性がつまっていると感じています。

さらなる事業加速を目指し、新たな舞台「渋谷スクランブルスクエア」へ

—今後の展望を教えてください

松嶋:1つ大きな動きとしては、入居から1年を迎える2019年12月の節目に WeWork 渋谷スクランブルスクエアに移転しました。人員は、現在の5名から12名に拡張しています。そこには、活動規模をより大きくしたいという狙いがあります。

—その狙いについて、具体的に教えてください

松嶋:WeWork でのマーケティング活動は、正直なところ百発一中でも二百発一中でもいいです。当たる確率よりも百発、二百発と弾を撃ち続けられるプロセスとその環境が肝心だと考えています。約1年の活動を通して「WeWork ならそれができる」と実感できるようになりました。

WeWork での効果を最大限に活かすとともに、DNPの各事業部を横串しでつなげたいと考え、今回渋谷に入る12人やWeWorkを活用してもらうメンバーは、さまざまな部署のメンバーで考えています。

完成したばかりの「渋谷スクランブルスクエア」は、社会の大きな注目を集めるインパクトがあり、最大級の力(リソース)が集まる場所になると期待しています。そこに身を置くことで、大きな価値を生み出すはずです。

森谷:実は渋谷という立地は、DNPの事業、お客様とのネットワークから考えても、さまざまな仕掛けを行っている場所でもあります。当社としても、渋谷はチャレンジの場所にふさわしいと考えています。

松嶋:WeWork 渋谷スクランブルスクエアでは、当社主催のイベントも開催していきます。私たちは、オープンイノベーション活動推進のためのコミュニケーション窓口として「DNP INNOVATON PORT」というサイトを運営しています。

その中の「CO-CREATION」という機能においては2019年12月に4つのプロジェクトテーマを掲げるとともに、テーマごとの共創パートナーを募集しています。これに関連したイベントも企画しながら、イノベーション創出を加速していきます。

※記事は2019年11月取材時の内容です。


取材:Innovation Formula実行委員会(MGT田口雅典、稲垣 章)

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