WeWork Japan

公開日:2022.09.12 | 更新日:2022.09.16

変化を恐れず適応する 世界で愛されるフィスラーが移転で示した老舗ブランドの強さの秘訣

メンバーインタビューDXオフィス分散働き方改善オフィス運用コスト削減コミュニティ形成

1845年にドイツで創設されたフィスラー(Fissler)社。高い技術力と革新性を柱として作られた圧力鍋やフライパンは時代や国境を超え、現在は世界80か国で高級キッチンウェアのリーディングカンパニーとして業界を牽引しています。
1987年に東京で設立され、フィスラー社の日本法人として日本での販売を行うフィスラージャパン株式会社は、2021年4月に WeWork への移転を果たしました。時代や環境によって変化するさまざまなニーズに応えて顧客の満足を追求しつづけるフィスラーが WeWork への移転を決めたきっかけや経緯、移転によって実現したDX、経験したオフィスの在り方や働き方の大きな変化、そしてこれから期待することについて、同社財務経理/SCM部ディレクター 松下 直子氏とマーケティング部シニアマネージャー 古谷 好美氏にお話を伺いました。

お客様と社員の利便性を考えて移転先を探す

── 御社の事業について教えてください。

古谷:私たちフィスラー社は、1845年にカール・フィリップ・フィスラーによってドイツで創設されたキッチンウェアブランドです。創業以来175年以上にわたり、たゆまぬ技術革新と熱いクラフトマンシップ、そしてデザインの美しさにより「Made in Germany」の代表格たるキッチンウェアブランドとして認められています。日本では全国の百貨店や専門店、アウトレットショップ、オンラインショップを通じて、日本の皆様に、簡単に、楽しく調理し、食卓に笑顔を生みだすお手伝いができるキッチンウェアを提供しています。

フィスラー社の技術を支えるクラフトマンシップ
機能性だけでなく美しさも兼ね備えたプロダクト

── WeWork への移転をご検討いただいた経緯やきっかけは何でしたか?

松下:以前利用していたのは一般的な賃貸物件で、いわゆる日本の伝統的なオフィスでした。ワンフロアを借りておりとても広かったのですが、たとえば女性社員20数名に対してトイレがひとつしかないといった設備の不十分さや古さ、そして耐震性への不安がありました。実は、私が入社した6年ほど前からすでに「機会があれば引っ越しをしたい」という要望があったものの、契約期間や初期費用などの課題があり実現していなかったという背景があったのです。

そのような中、2020年1月にドイツ本社で新しいCEOが就任し、2020年2月に日本に来る機会がありました。もともと彼には訪日経験があり、自身が以前働いていた企業の日本支社がちょうどシェアオフィスに移ったタイミングだったこともあり、この来日の際に見学へ行ったのです。そこで以前の同僚たちと会って話し「シェアオフィスがとても良い」という評価を聞いたことから、私たちにも「シェアオフィスへの移転を検討してみたらどうだろう?」という提案がなされたのです。

松下氏

松下:提案された当時はすぐに動かなかったのですが、同じ年の終わりごろにCEOから「ところで、シェアオフィスに移転する話はどうなった?」と聞かれ、実際の検討に入ることになりました。WeWork も含めて全部で五つのシェアオフィスを見学し、WeWork は WeWork KANDA SQUAREWeWork KDX 虎ノ門1丁目WeWork 日比谷パークフロント に足を運び、検討しました。中でも WeWork KANDA SQUARE が私たちの条件に最も合っていたので、すぐに決めました。

── 移転先を探す際のポイントと WeWork を選んだ決め手は何でしたか?

松下:弊社には60名が在籍しており、主にオフィスで業務にあたるのはそのうちの16名です。そのため、まず16名全員が部屋に入るかどうかを基準にオフィスを探していました。WeWork 以外のレンタルオフィスでは比較的小さい部屋が多く、シミュレーションをしてみると執務室を二部屋に分ける必要があると言われたり、全員入ってもかなりスペースが狭くなってしまったりするという状況でした。

古谷:日本橋に近い場所というのも、探す際のポイントでしたね。弊社の主要なお客様である百貨店の売り場は、日本橋や銀座など東京の東側に集中しています。お客様がお買い物にいらっしゃるエリアということで、弊社にとっても日本橋あたりが一番しっくりきます。実際に以前のオフィスは茅場町、しかも駅からすぐの場所にありました。社員にとって通勤が不便でないところを選ぶことも重視していました。

移転で進んだ、DXによるペーパーレス化

── 移転によって大きな変化はありましたか?

松下:書類の電子化を一気に進めました。注文書、請求書、社内承認書類という、弊社にとって大きな三種類の書類を完全電子化したのです。

以前のオフィスは今のオフィスの6倍の広さで、二つの会議室に加えて商品を置いておける小さな倉庫などがありましたが、WeWork ではそのようなスペースはありません。移転に伴い利用できるスペースが縮小し、その結果としてキャビネットに入る分しか収納できなくなり、これまで紙で保管していたものを電子で保管する必要が出てきました。

印刷せずに書類やドキュメントを保管する方法を構築しないといけないと考え、思いきって以前のオフィスで使っていた3台の複合機を WeWork へ持ってくるのをやめました。注文書は、問屋さんなど古くからビジネスをされているお客様の中にはメールでのやりとりに対応されていない方も多いためインターネットFAXでの受信にし、弊社が受け取る請求書はすべて電子化してERPシステムで管理しています。

紙だととりあえずそのあたりに置いておいて、時々思い立って整理する、捨てるなどやっていましたが、電子化すると「そのあたりに置いておく」というのができないため、自然とすぐに整理整頓するようになったことは、すごく良い変化だと思っています。

古谷:営業担当者による起案書、出張などの申請書、その他企画書といった社内書類も同様に電子化し、システムで保管しています。以前は、社内書類は紙で回覧され、各部門の責任者が確認印を押し、最後はキャビネットに格納されていました。そのため、キャビネットの中は、昔からの紙の書類が大量に溜まっている状態でした。

以前のオフィスでは営業担当者にも自分のデスクがあったので、紙の書類の回覧が可能でした。しかし WeWork に移転してからは、東京オフィスの営業担当者は自分のデスクを持たず、共有スペースで仕事をしています。データを作成したら WeWork のプリンタで出力して印を押してもらって……という流れは、現実的ではありません。また、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けてテレワークが導入されて出社が流動的になり、社内書類も電子化して回覧したほうが効率的でより良いという合意がなされました。結果、作業のスピードが上がり、管理もしやすくなりました。移転に伴い必然的にそうせざるを得なかった部分も大きいですが、やってよかった変化だと思います。

古谷氏

松下:移転する際にいったいどれくらいの量を印刷しているのかを調べたところ、1か月あたり白黒印刷が2,500枚、カラー印刷が1,500枚くらいでした。現在は、白黒もカラーも出力数は500枚以下です。

古谷:自前の複合機ではないことで「出力枚数にはリミットがある」という意識に変わりましたね。以前はプレゼンテーションをする際、たとえモニターを使う場合でも「念のため」と紙の資料をプリントアウトして用意することもありました。特に新製品の発売時にはカラーでプリントアウトして説明資料を作っていましたが、営業担当者にはノートパソコンと一緒にタブレットを支給したため、今はそれもなくなりました。

変化をチャンスのタイミングとして生かす

── 移転について社内でどのように決めましたか?

古谷:「オフィスを移転しますが、今までと違う環境になることによって懸念される点があれば教えてください」と先に社員にたずねました。「倉庫がなくなるけれど、どうするか?」「荷物が置けなくなるけれど、どう対応するか?」「オフィスワークをしたいときにできる場所はあるのか?」といったことをヒヤリングして洗い出し、それぞれに対して検討し、解決案を見いだしてから移転しました。

松下:WeWork のセールスの方からは「入居はいつからでもいいですよ」と言われていたのですが、弊社の決算時期を避けて4月初めの移転を決めました。探しはじめてからちょうど4か月くらいで移転しました。早かったですね。

── 大きな変化に対する社員の皆さんの反応はどうでしたか?

松下:変化に適応するしかなかったということもあるでしょうが、わりとみんなすぐに慣れましたね。2021年4月に WeWork に移転したタイミングで現代表の吉永が着任し、その際に社員全員と面談しました。WeWork に移転してどう思うかを全員に聞いたところ、働きにくくなったといった感想は聞かれず、ほぼ全員が「前よりも良くなった」と答えています。

古谷:何かを変えるときは往々にして「これまでのやり方をずっと続けたい」というマインドから離れられないものです。オフィスを移転するといった大きな変化がないかぎり、なかなか新しいやり方に変えられないというのが現実だと思います。社長や上長が方針を示したとしても、社員ひとりひとりの思いや行動パターンはそう簡単にがらっと変わりません。ですから、移転というタイミングでペーパーレス化を推進したり、フットワーク軽くいろいろな場所で仕事ができることがわかったりしたのは良いチャンスだったと感じています。

必要に応じてスペースを拡大し、カスタマイズできる柔軟性

── 実際に利用してから初めてわかったことなどはありますか?

松下:最初はオフィススペースのみの契約で、必要なときはクレジットを使って会議室を予約したり、共有スペースを利用したりしていました。移転の際にオフィススペースとは別にもう一部屋を商品のディスプレイと会議のための部屋として借りたかったのですが、当時は広さとコストの面でちょうど良い会議室がなく、近辺の物件の中にも私たちが思い描くようなスペースは見つかりませんでした。しかし、ちょうど社内体制が変わった時期でもあり、打ち合わせやドイツ本社とのミーティングなどが頻繁にあったために専用の会議室がないことが本当に不便でした。

入居から1か月くらい経ったころ、コミュニティ・マネージャーの方からご提案をいただいて専用の会議室を借りました。会議のたびに予約しないといけないストレスがなくなったのは、大きかったです。加えて、プロダクトが重要な会社なので、やはり商品は手元に置いて見てみたいし、お客様にお貸しするものが急遽必要になることもあります。オフィススペースのみの利用だと商品を置いておくことが難しかったのですが、会議室を利用することで商品をディスプレイすることができるようになり、とても使いやすくなりました。

今は、外部からいらしたお客さまをお通ししたり、社員が新製品を触ってみたりできるスペースになっています。必要に応じて拡大できるのが WeWork のメリットだと思います。

会議室はショールームとしても活用

松下:この会議室は前の入居者が大きいモニターを置いたり壁などの内装を変更したりしているのですが、私たちはディスプレイ用の棚と5人がけの四角いテーブルを入れたのみで、ほぼそのまま使っています。オフィススペースも働きやすさを考えてカスタマイズしました。

── オフィスにはどのようなカスタマイズをされましたか?

松下:WeWork が提供するデスクの幅は120cmなのですが、私たちが前のオフィスで使っていたデスクは幅160cmのものでした。本当はそのデスクを持ってきたかったのですが、レイアウトをシミュレーションしてみたら1名だけどうしても入らないことがわかりました。何名かは小さいデスクにしようかなども考えましたが、いろいろと大きな変化を経験するのに、さらに小さなデスクを導入するのは労働環境の面から良くないだろうと判断し、以前から使っているキャビネットも入る幅140cmのデスクを全員分購入しました。

古谷:紙が完全になくなれば、ノートパソコンだけを置ける小さいデスクでも大丈夫かもしれませんが、私はマーケティング担当なので商品を見たりカタログを作ったりする際の資料を置いたりするスペースが必要です。業務内容によるかもしれませんね。

オフィスから始まるブランディング

── WeWork への移転が御社のブランディングに貢献した部分はありますか?

古谷:ドイツ本社のCEOはブランディングを大切にしており、現在はグローバル全体で「長い歴史を持ったブランドだからこそ良いというイメージを大切にしつつ、その良さをお客様と常にコミュニケーションを取りながら伝えていかなければならない」という姿勢でいます。

松下:私たちは本来、問屋さんなどへ商談のためにお伺いする側なのですが、WeWork への移転当初は「WeWork のオフィスを見てみたい」とお客様がここへいらして、営業担当者がプレゼンテーションするなどしていました。

古谷:移転してからは、ご来社いただいたお客様をご案内すると「すごいね」「かっこいいね」とポジティブな反応をいただくことが多いですね。会議室をご案内すると「雰囲気が良い」「設備が整っているのでプレゼンテーションしやすい」など好意的な印象を持っていただいていることを感じます。

個人のスペースを保ちつつ開放的なオフィスを実現

ビジネスだけではないつながりを

── 今後、WeWork に期待することはありますか?

古谷:WeWork の最大のメリットは、気軽にだれかと知りあえるところだと思います。たとえば海外では、複数の人が交わっている場では面識のない相手にも「こんにちは」と話しかけたりしますが、日本だと日本人の特性なのかもしれませんが、あまりそういう機会がないですね。そして会社対会社だと、ビジネス上の取引が発生しなければそこで関係が終わってしまうことがほとんどです。一緒に仕事をやらなければ、お互いを知りあうこともなく終わってしまうのが残念だと感じます。

松下:習い事に行く時間がないので、WeWork 内でヨガなどのアクティビティを毎月開催するというのもいいですね。クラフトなどのイベントに参加しても一回だけで終わってしまって、せっかく一緒に楽しい時間を過ごした方たちとはもう会えないというのが現状です。継続的なアクティビティの機会を作ることで新たに得られる人間関係があるのではと考えています。

古谷:感染症予防の観点もあると思いますが、コーヒーやお茶など、自分が欲しいときに欲しいものを自分ひとりでパントリーに取りに行って自分ひとりでデスクに戻ることがほとんどでしょう。一方、カフェなどでは順番を待っている間に会話が生まれたり、お客様とスタッフが話し込んだりといったつながりが生まれることが多いです。 WeWork でも、月に一回はだれかがビールサーバーに付いてビールを注いで渡す、マシンに付いてコーヒーを渡すといったちょっとした変化があると、フレンドリーなつながりが生まれるのではないでしょうか。

松下:私は、WeWork と一緒に「一日フィスラーカフェ」をやってみたいですね。

古谷:「一日フィスラーカフェ」では私たちのプロダクトで美味しいスープを作って、お客様にお出しする。その日は外部からのゲストにもいらしていただいて、皆さんにフィスラーの製品の良さを知っていただきつつ、つながりを作っていただく。今後は WeWork でそのようなイベントができたらいいなと考えています。

* 本記事は2022年8月に実施したインタビューを元に作成しています。

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