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公開日:2020.11.17 | 更新日:2021.03.16

副業OKの企業事例から学ぶ、副業導入における3つのポイント

ナレッジ働き方改善イノベーション創出

働き方改革が進むにつれ、従業員の副業を容認・推奨する企業が増えています。とはいえ、実際に副業を解禁するとなると、懸念されるデメリットなど、不安に感じる点が多いでしょう。

副業の解禁を決意した際は、過去の成功事例を参考に、失敗の要因をつぶすことが大切です。そこで本記事では、実際に副業を解禁している企業の実例と、参考にしたい成功のポイントを紹介します。

テレワークで増える副業

新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークという新しい働き方が定着したという人は多いでしょう。そんな中、副業実施者と副業を始めたいという人が増加傾向にあります。

ビッグローブ株式会社が2020年5月に実施した「在宅勤務に関する意識調査(第3弾)」では、在宅勤務をしている男女1,000人のうち、49.5%の人が「在宅勤務の一般化により、副業をする人が増えると思う」と回答しています。

在宅勤務をはじめとするテレワークの普及により、副業を本格的に始める人や、副業に興味を持つ人が今後も増えていくことが予想されます。

テレワーク イメージ
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企業による副業解禁の背景

企業が次々と副業を解禁する背景には、日本政府により、副業が推進されていることが挙げられます。実際に2018年には、「働き方改革実行計画会議」での決定により、厚生労働省は「モデル就業規則」に記載された企業の副業・兼業に関する内容を改正しました。

モデル就業規則の改正により、「ほかの会社で許可なく従事してはならない」という規定がなくなったこと、そして改正に伴う細かな規定やガイドラインの公表によって、従業員の副業を容認する企業が増えました。

また、先陣を切って副業を解禁した企業の存在により、副業を解禁するメリットの存在が明らかになったことも、多くの企業が副業を解禁し始めている理由のひとつでしょう。

副業OKの企業

続いて、実際に副業を解禁している企業の成功事例を紹介します。

事例① 株式会社ディー・エヌ・エー

株式会社ディー・エヌ・エーでは、2017年10月、従業員の生産性や能力の向上を目的に「クロスジョブ制度」と「副業制度」を導入しました。これにより、従業員は別の部署での勤務と、社外での勤務が可能になりました。従業員が本当にやりたいことをできる環境を整えることにより、本業にいい影響が出ることを期待しているそうです。

事例② 株式会社クラウドワークス

株式会社クラウドワークスは、2016年7月に、多様な働き方を実現するための新制度「ハタカク!」を導入しました。新制度の一環として、すべての従業員を対象に、副業が容認されています。副業を解禁する目的としては、本業以外の業務に携わることによるスキルアップ、そして従業員が実際にクラウドワーキングを行うことによるサービス検証・改善が挙げられます。

デスク イメージ
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事例③ 株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントでは、2019年10月に、副業を促進する制度「Cycle(さいくる)」を導入しました。この制度は、技術者を対象に、業務時間外に各自で仕事を請け負うことを許可するというものです。

従業員にとっては、ニーズに合わせて給与以外の報酬を得ることができるというメリット、そして企業側にとっては、これまで外注していた案件をグループ内で完結できるというメリットがあります。これにより、従業員のスキルアップや企業全体としての仕事の質の向上が期待できます。

事例④ ヤフー株式会社

ヤフー株式会社では、「創造的な仕事をするためには、自由な働き方が必要」というマインドセットのもと、事前に申請をすることで、副業をすることが可能です。そのほかにも、自由で多様な働き方を推奨するなど、従業員が才能と情熱を生かして働ける環境が整っています。

事例⑤ ロート製薬株式会社

ロート製薬株式会社では、2016年6月に「社外チャレンジワーク制度」という制度を導入しました。「社外チャレンジワーク制度」とは、従業員にプライベートの時間を使った兼業を許可する制度のことです。条件として、以下の3点が挙げられています。

・本業に支障をきたさないこと
・兼業は、就業時間外・休日のみとすること
・入社3年目以上の従業員であること

従業員は、立候補の届け出を行った後、以上の条件を満たしていれば、兼業を容認・支援してもらうことが可能です。

事例⑥ 株式会社メルカリ

株式会社メリカリには、従業員が個人の持つ価値を最大限に発揮できるような労働環境と福利厚生が整っています。そのひとつとして、副業が推奨されており、従業員は書籍の執筆からコンサルティングまで、幅広い業種の副業をすることが可能です。

また、有料セミナーの全額補助や、ビジネス書購入の全額補助など、従業員が新しいことにチャレンジしやすい環境が整っているのも、参考にしたいポイントのひとつです。

ビジネスパーソン イメージ
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企業の成功ポイント

副業解禁を成功へと導くためには、重要なポイントを抑えた導入が欠かせません。実際に副業を容認している企業の事例の中から、成功するために必要なポイントを紹介します。

ポイント① 従業員に届け出をしてもらう

従業員に副業を許可する際は、従業員の副業の内容を把握する必要があります。細部まで必要以上に知っておく必要はありませんが、副業の勤務内容や雇用体制などといった基本的なポイントは把握しておいて損はないでしょう。これらのポイントを的確に把握するために、副業をする際は事前に届け出ることをルール化しておくといいでしょう。

ポイント② 副業解禁の条件を設定

副業を解禁するにあたっては、副業を許可する際の条件を明確に設定しておくことが大切です。すべての従業員に条件なしに副業を容認してしまうと、本業に支障をきたしてしまったり、ノウハウなどの流出リスクが高まったりすることが懸念されます。

副業を容認する際は、事前の申請を必須とし、条件を満たしているかどうかをしっかりと確認することで、トラブルを防ぐことができます。勤務年数や副業の業種など、本業に悪影響を及ぼすことが明らかである場合は却下できる仕組みを整えておくと安心でしょう。

また、「本業の業務に支障をきたさないこと」や「本業が優先であること」などを従業員と共有し、理解してもらった上で副業を容認するといった流れを整えておくことが大切です。

ポイント③ 労働時間の把握

本業の勤務時間外の自由な時間を使って行う副業では、労働時間の把握が難しいというデメリットが存在します。労働時間の管理ができなくなると、オーバーワークが懸念されます。副業とはいえ、報酬が発生する仕事であることには変わりないため、働き過ぎは従業員の健康状態や本業でのパフォーマンスに悪影響を与えかねません。

副業を許可したことで、オーバーワークによって本業に支障が出てしまっては元も子もありません。副業における1週間あたりの労働時間の提出を義務化するなど、従業員の労働時間を把握できる体制を整えましょう。

副業解禁は成功事例を参考に!

本記事では、副業を解禁している企業の成功事例と、事例から学べる成功のポイントを紹介しました。副業の解禁は従業員にとっても、企業にとってもメリットが大きい一方で、懸念されるデメリットも存在します。

「副業を容認したことで、本業に支障をきたしてしまった…」ということのないように、副業を解禁する際は、過去の成功事例を参考に導入を検討していきましょう。

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参考:
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000192885.pdf
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html
https://www.biglobe.co.jp/pressroom/info/2020/05/200507-1
https://www.rohto.co.jp/news/release/2016/0614_01/
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=23856
https://crowdworks.co.jp/news/0006834/
https://fullswing.dena.com/archives/54
https://about.yahoo.co.jp/hr/workplace/culture/
https://careers.mercari.com/jp/benefits/

・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。

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