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公開日:2020.11.19 | 更新日:2022.05.17

「ワーケーション」とは?導入の目的や注意点・場所の選び方を解説!

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自宅やフレキシブルオフィスなどで働くことができるテレワークが進む中で、ワーケーションという働き方が注目を浴びています。ワーケーションは、仕事と休暇を同時に送ることを目的とした働き方で、従業員のワークライフバランス向上にも最適です。本記事では、ワーケーションとはどのような働き方なのか、そして、ワーケーションにおすすめのスポットも紹介します。オフィス環境から飛び出し、非日常的な場所で仕事を行うことで、新しいアイデアを見つけましょう。

【目次】

  • ワーケーションとは?
  • ワーケーションの目的
  • なぜ「ワーケーション」が注目されるのか
  • ワーケーションの種類
  • ワーケーションの働き方
  • ワーケーションのメリット
  • ワーケーションのデメリット
  • ワーケーション導入に際して企業が気をつけるべきポイント
  • ワーケーション導入に際して従業員が気をつけるべきポイント
  • 場所の選び方
  • ワーケーションにおすすめのスポット
  • まとめ

ワーケーションとは?

ワーケーションとは、仕事を意味する「ワーク」と、休暇を意味する「バケーション」を組み合わせた造語です。新型コロナウイルスの蔓延によって、各企業では在宅勤務やフレキシブルオフィスの利用を取り入れるなど、人と人の接触機会を減らしています。

ワーケーションは、休暇を取りながら仕事も行える勤務スタイルとして、企業での導入率も増加しています。株式会社クロス・マーケティングが2020年に発表した「ワーケーションに関する調査」によると、20~69歳の就業者4,342人のうち、約1割でワーケーションが導入されている、もしくは今後導入予定との結果が出ました。さらに、ワーケーションに対する認知も7割を超えており、国内での認知度も上昇しています。

ワーケーションの目的

ワーケーションの目的は、自分の好きな場所や観光地を旅しながら、仕事を行うことです。オフィス環境とは異なる場所で仕事を進めることで、家族との時間を増やし、ワークライフバランスを向上させることや、旅先での新たなアイデアを獲得することを目的としています。

また、ワーケーションは、人との出会いに醍醐味があります。見知らぬ土地で普段では出会えないような人と会話をすることで、自身の将来的な計画や仕事にとってプラスになるような機会を創出できるのが、ワーケーションの魅力です。

なぜ「ワーケーション」が注目されるのか

ワーケーションが注目されるようになった背景には、コロナ禍でテレワークが急速に普及していることが挙げられます。テレワークが広まったことによって働く場所を自由に選べるようになり、温泉街やリゾート地といったオフィスから離れた場所で働きながら、休暇を楽しむことが可能となりました。

企業にとっても、従業員に対して働きやすい環境を与えることは、生産性やエンゲージメントの向上につながります。また、新型コロナウイルスによって経済的影響を受けた観光業では、ワーケーションの招致を行う自治体も増加しており、観光地の活路を見出す役割もあります。

ワーケーションの種類

ワーケーションには、仕事を目的とするワーケーションと、休暇を目的とするワーケーションの2つに分けられます。どのような働き方、休暇のとり方を実現できるのか確認しましょう。

 

仕事目的型のワーケーション

仕事目的型のワーケーションは、非日常的な場所で仕事に取り組むことが狙いです。会社がワーケーション先を選定。日中の時間帯は業務に集中し、残りの時間は従業員が自由に使える働き方です。

 

また、組織全体の結束力を向上させる目的もあり、全従業員が楽しめるようなアクティビティや懇親会などを用意しています。従業員同士のコミュニケーションを増やす機会を設け、組織力を高めるのに効果的な手法です。

 

休暇目的型のワーケーション

休暇目的型のワーケーションは、従業員が主体となって旅行先を選定し、仕事と休暇の計画を立てます。一般的に、組織力の向上が狙いである仕事目的型のワーケーションと異なり、各従業員単独でリフレッシュするのが目的です。

 

また、休暇目的型のワーケーションを取る方の多くは、有給休暇と一体化させて、仕事をしない日を作る場合もあります。異なる場所で仕事に取り組むことで、新たなアイデアの発想や、仕事に対する考え方を考え直すといった機会に使われています。

 

ワーケーション イメージ
Freepik

ワーケーションの働き方

ワーケーションを導入することで、メリハリのある働き方を実現することができます。日中は業務に専念し、夕方から観光地を散策したり、その土地の特産品を楽しんだりするなど、自由なスケジュール形成が可能であり、仕事しながらも休暇を楽しむことが可能です。

働きながら休むという1日のルーティンに違和感を感じるかもしれませんが、普段とは違った環境に身を置くことで、新鮮な気持ちで仕事に取り組めるようになります。心に余裕があると新しいアイデアも生まれやすく、メンタルにも良い影響を与えます。また、旅先で家族と一緒に過ごせる時間や、仕事後にリフレッシュする機会が多くあり、充実した日々を送れる働き方であるといえるでしょう。

ワーケーションのメリット

ワーケーションを取り入れることで、企業と従業員双方にとってさまざまなメリットが得られます。ここでは、ワーケーションによる3つのメリットを紹介します。

メリット① 従業員の満足度向上

ワーケーションを導入することで、従業員の満足度向上につながるというメリットがあります。仕事が忙しく、連続で長期休暇が取りにくい環境でも、家族やパートナーと旅行先に出かけやすくなります。

例えば、土日と組み合わせて、平日に2〜3日間有給を取得するだけで、9日間旅行先で過ごすことが可能です。会社に半休制度があれば、午前中は仕事、午後は旅行先で観光を楽しむといった過ごし方もできます。

メリット② 業務パフォーマンスの向上

ワーケーションによって、業務パフォーマンスの向上も期待できます。一見、仕事とプライベートの切り替えが難しいと思われるワーケーションですが、普段と異なる環境で仕事に取り組めるため、気持ちを入れ替えて集中力を高めやすくなります。

また、リラックスした環境で業務を行うことで、新しいアイデアの発想や仕事に対するポジティブな感情を持つきっかけにもつながります。

メリット③ リフレッシュ効果がある

非日常的な空間で仕事を行うことができるため、従業員に対してリフレッシュの機会を与えられます。オフィス環境では日々仕事に追われ、ストレスを抱えながら仕事をしていたり、メンタル的に悪い状態になってしまったりする従業員も少なくありません。

開放的な場所で仕事に取り組めるワーケーションは、心身ともにリラックスしやすくなります。さらに、仕事明けや休みの日には、観光地の特産品や観光名所を楽しむこともできるため、メンタルケアにも有効です。

ワーケーションのデメリット

一方で、ワーケーションにはデメリットとなる課題も存在します。ワーケーションを取り入れるために、どのようなデメリット起こりえるのか把握しておくとよいでしょう。

デメリット① 業務環境が整っていない場合がある

ワーケーションを導入する際には、業務環境の整備が必要です。普段働いているオフィスには、さまざまなツールやインターネット、コピー機などが用意されており、不自由なく業務に取り組める環境が整っています。

しかし、ワーケーション先の宿泊施設やワーキングスペースによっては、十分な業務環境が整備されておらず、不便を強いられる可能性があります。また、オフィスで働く従業員とのコミュニケーションを図るためにも、チャットツールやWeb会議システムの導入が必要です。

デメリット② セキュリティリスクがある

ワーケーションで気をつけなければならないのが、セキュリティ対策です。会社からパソコンや機密情報を持ち出す必要があり、情報漏洩のリスクが高まる危険性があります。

また、外部で業務を行う際には、不特定多数の人が接続する無料Wi-Fiの利用はなるべく避けましょう。最新のセキュリティソフトをインストールしたり、VPNツールを使って通信を暗号化したりするなどし、インターネット上でのリスクに備えることが大切です。

デメリット③ 労務管理や人事評価が難しい

出退勤の時間や休憩時間の記録を取れるオフィス環境とは異なり、ワーケーションでは労務管理が難しくなります。また、従業員の業務内容が可視化しにくく、ワーケーション期間中の人事制度も検討が必要です。

また、ワーケーションを対象とする従業員をどのように選定するかも考えなければなりません。オフィスで働く従業員にも理解してもらえるように、企業内でルールを定めることも重要です。

ワーケーション イメージ
Freepik

ワーケーション導入に際して企業が気をつけるべきポイント

生産性の向上や働き方改革の一環として、職場環境の改善につなげられるワーケーションですが、デメリットでもお伝えした通り、注意しなければなたないこともあります。企業がワーケーションを導入するにあたり、トラブルになりやすい点を事前に確認しておきましょう。

ポイント① セキュリティ対策を行う必要がある

ワーケーションの制度を企業が取り入れる際に、セキュリティ面の整備を行う必要があります。オフィス以外の場所で、フリーWi-Fiなどに接続することによって、機密データが漏洩してしまうといった危険性があるためです。

また、会社から貸し出しをしているパソコンやスマートフォンなどのデバイスを紛失してしまうことや、資料の持ち出しによる情報漏洩にも配慮しなければなりません。ワーケーションを導入する場合、セキュリティ会社との連携を行うことや、リスク管理を徹底することが求められます。

ポイント② 労働環境の複雑化

ワーケーションは、オフィスなどの決められた場所で働かないスタイルであるため、勤務状況の把握が難しくなります。さらに、海外で過ごす場合は、日本と時差が発生することもあり、顧客先からの急な要望などにも対応できません。

また、上司や同僚とのコミュニケーションも、必然的に減ってしまうため、進捗状況などの情報共有も重要となります。オフィス不在時の役割分担を明確化することや、連絡ツールを用いて、会社全体として支障が出ないような工夫が必要です。

ワーケーション導入に際して従業員が気をつけるべきポイント

長期休暇の取得やワークライフバランスの維持など、従業員にとってもメリットがあるワーケーションですが、比較的自由な勤務形態であるため、最初のうちは慣れない点もあります。また、ワーケーションで休暇を取る際には、不在中にチーム内での仕事分担を考えるなど、会社全体でのルールづくりも必要です。

ポイント① オン・オフの区別が難しくなる

ワーケーションを利用する場合、休暇先における「オン・オフ」の切り替えが難しくなります。旅行先のリゾート地でも仕事ができるという反面、仕事に専念しすぎることで、休暇の時間を取れなくなってしまう可能性があるためです。そのため、仕事と休暇のメリハリを意識して、時間によって区切るなど、快適なワーケーションを送れるように対策をしましょう。

ポイント② 周囲の理解や協力を必要とする

ワーケーションを利用している従業員がいる場合、彼らのフォローができる体制を整えておかなければなりません。長期休暇中も仕事を行えるといっても、例えば、担当する顧客からの連絡があった際、すぐに対応することができない場合があります。

また、専門性が強い分野の仕事であると、代わりとなる人材を社内で見つけられないこともあるため、オフィス不在中でも不利益にならないように、会社全体での協力や理解が必要です。

旅 イメージ
Freepik

場所の選び方

ワーケーションを実施するにあたっては、まず場所を選定しなければなりません。旅先として自由に選べるのがワーケーションのメリットでもありますが、自治体がワーケーション誘致に参加している地域や、仕事に専念できるコワーキングスペースを設置している場所がおすすめです。

また、ワーケーションで仕事を行う際には、目的も忘れないようにしましょう。ワーケーションは、仕事と休暇をまとめて体験できる働き方ですが、「自然を満喫しながら働きたい」「海辺の景色を見ながら働きたい」「アウトドアをしながら働きたい」など個人の目的もしっかりと頭に入れて選んでみてください。

自治体が参加している地域

ワーケーションの場所を選ぶ際のポイントとして、自治体として積極的に誘致している地域が挙げられます。自治体がワーケーションに参加をしているため、観光も仕事も取り組みやすい環境が整っているのがメリットです。

例えば、長野県・軽井沢町、白馬町、芽野市などのモデル地区では「森のワーケーション」として、長野県が積極的に魅力を発信しています。長野県の取り組みの特徴として挙げられるのが、商店街の空き店舗を有効に使い、テレワークを実施できる環境を整えている点です。信濃町のノマドワークセンターは、法人向けの貸し切り型のリモートワーク施設で、キャンプをしながら仕事を行えるとして話題を集めています。

コワーキングスペースのある地域

ワーケーションを実施するにあたり、コワーキングスペースが設置されているかどうかもポイントとなります。ワーケーションとして休暇を取りながらも、仕事に集中できるような環境をつくり出すためには、オフィス同様の作業場が必要です。

コワーキングスペースを整備している地域として、和歌山県・白浜町が挙げられます。海辺にほど近い「WORK×ation Site 南紀白浜」には、インターネット環境に必要なWi-Fiに加え、プロジェクターやホワイトボード、文具、給茶といったサービスの利用が可能です。また、施設内には作業スペースが複数用意されており、ちょっとしたミーティングを行うことも、リラックスしながら仕事に打ち込むこともできます。

ワーケーションの目的

ワーケーションの働き方を充実させるためには、ワーケーションそのものの目的を意識して場所を選択しましょう。ワーケーションは観光地である必要がなく、自分がリラックスしながら働ける場所を自由に決められます。

アウトドアに興味があればキャンプ場の施設が整った場所、仕事の時間以外は温泉でリラックスしたい場合には温泉街をワーケーション先として選ぶなど、自身の休暇目的を果たせるような場所を選びましょう。

ワーケーションにおすすめのスポット

なかなかワーケーションの行き先を決められない方は、自治体や民間でワーケーション設備を整えたおすすめスポットを参考にしてみてください。長野県や和歌山県の事例だけでなく、多くの地域でワーケーションが積極的に展開されています。

特に、観光要素も大きい沖縄県や、東京からも時間をかけずに行くことができる神奈川県(鎌倉市・逗子市)は、ワーケーションにも最適な場所です。また、国内だけでなく、海外にも目を向けて、ワーケーション先の候補を選びましょう。

おすすめ① 沖縄県

1週間ほどのワーケーション期間が設けられている方には、沖縄県をおすすめします。沖縄県内には、複数の滞在型ホテルが運用されており、長期間でのワーケーションに最適です。

また、各地域には仕事に専念できるようなコワーキングスペースがあり、オフィス環境と同様にパフォーマンスを発揮しやすい環境が整っています。朝から夕方までは仕事に取り組み、夜は沖縄のビーチでリラックスしたり、休みの日にはビーチでのんびりしてみたりと、都会での日常から離れた生活を送ることができる場所です。

おすすめ② 神奈川県(鎌倉市・逗子市)

東京からもほど近い神奈川県・鎌倉市や逗子市でも、快適なワーケーションを送ることができます。鎌倉市ではテレワーク専用の施設を市内に10件ほど構えており、古民家をリノベーションした専用スペースや、海を一望できる場所など、鎌倉らしさを満喫しながら仕事に専念できるのが特徴です。

また、神奈川県・逗子市でも鎌倉市と同様にテレワーク専用施設があり、非日常的な空間を楽しみながら仕事に打ち込めます。ワーケーションの本来の目的である、休暇と仕事の両立を維持し、ワークライフバランスの向上に最適な場所です。

おすすめ③ 海外でのワーケーション

日本国内だけでなく、海外でワーケーション生活を送ることもできます。例えば、カリブ海の島国「バルバドス」では、ワーケーション目的の専用ビザを発行しています。ほかにも、北欧のエストニア共和国では、デジタルノマドビザを提供しており、1年間の滞在が可能です。

もちろん、通常の観光ビザで入国し、日中はカフェやホテルで仕事をして、休みの日には旅行を楽しむこともワーケーションでは可能となります。

まとめ

仕事と休暇をまとめたワーケーションという働き方が注目を浴びるようになりました。ワーケーションでは、非日常的な生活を送ることで、仕事に対しての新しいアイデアの創出や、新たな出会いを生み出せます。

近年では、自治体が積極的にワーケーション先として誘致を行っており、オフィス環境と変わらずに仕事に専念できる施設を利用できるケースも多くあります。個々の目的をしっかりと持ち、快適なワーケーション生活を送りましょう。

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参考:
https://www.cross-m.co.jp/news/release/20200904/
https://shinshu-resorttelework.com/
https://workxation.mec.co.jp/facility/workationsite-nankishirahama/
https://www.kashaokinawa.com/
https://www.city.zushi.kanagawa.jp/syokan/kikaku/telework.html
https://thinkspace.jp/
https://address.love/column/?p=26

・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。

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