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公開日:2020.11.27 | 更新日:2021.06.01

「心理的安全性」とは?高めることでチームや職場にもたらす効果やメリット・測定方法を解説!

ナレッジ働き方改善イノベーション創出

社内環境を改善し、働きやすさと生産性を向上する方法のひとつに「心理的安全性」があります。アメリカのGoogle社が、効果的なチーム作りには心理的安全性が必要だと発表したことにより、現在あらゆる企業が注目しています。

とはいえ、実際に心理的安全性とは何か、またどのような効果をもたらすのかを知っているという人は多くないでしょう。本記事では、職場における心理的安全性について、そして、その効果や高め方について詳しく解説します。

心理的安全性とは?

心理的安全性とは、従業員がほかのメンバーからの非難やネガティブレスポンスを恐れず、自由に発言・行動ができる状態を意味します。アメリカの心理学者によって提唱されたビジネスに関する心理学用語のひとつです。

2017年に株式会社リクルートマネジメントソルーションズが実施した調査によると、職場において心理的安全性が「必要である」「やや必要である」と回答した人は7割強であったことが分かっています。

心理的安全性が低いと起こる問題

では、社内の心理的安全性が低いと、どのような問題が起こるのでしょうか。心理的安全性の提唱者であるエドモンソン教授は、心理的安全性の不足は、主に以下の4つの問題を引き起こすと述べています。

1. 無知だと思われる不安

1つ目は、チーム内で質問や発言をすることで、自分が無知だと思われてしまう不安です。心理的安全性が不足している社内では、「どうしてこんな簡単なことが分からないのか…」と思われるかもしれないという懸念から、従業員は気軽に質問・相談することが困難に感じます。その結果、社内のコミュニケーション不足を引き起こします。

2. 無能だと思われる不安

心理的安全性に欠けるチーム内では、「無能だと思われたくない…」という不安が大きくなるため、従業員は自分のミスを素直に認めることができなくなってしまいます。もちろん、ミスの隠ぺいはあってはならないことですが、ミスを認めにくい雰囲気を作っている企業側にも問題があると考えることもできるでしょう。

3. 邪魔をしていると思われる不安

「自分の発言や行動が、上司やほかの従業員の邪魔をしてしまっているのでは…」という思いが強まり、従業員は積極的に意見やアイデアを出すことができなくなります。その結果、従業員の画期的なアイデアや新しい意見を聞くことができなくなってしまいます。

4. ネガティブだと思われる不安

心理的安全性不足による4つ目の問題は、「自分がチームメンバーにアドバイスや指摘をしたら、ネガティブだと思われてしまうのでは…」という懸念を抱いてしまうことです。皆と異なる意見を出したり、ほかのメンバーの間違っている部分を指摘したりすることが難しくなるため、チームとして機能しにくくなってしまいます。

苦悩 イメージ
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心理的安全性がもたらす企業への効果

ここまでで、心理的安全性の不足が引き起こす問題について紹介しました。次に、心理的安全性を確保することで、企業にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

メリット① イノベーションの推進

心理的安全性の高いチーム内では、従業員がリスクを恐れることなく、意見やアイデアを自由に出し合うことができるため、イノベーションが創出しやすくなります。

イノベーションは、いつどこで、どの従業員のアイデアをもとに生まれるか分かりません。だからこそ、社内でイノベーションを推進したい場合は、アイデアの創出がしやすい環境づくりの一環として、心理的安全性の確保をすることをおすすめします。

メリット② 情報やアイデアの共有が盛んになる

心理的安全性が高ければ、従業員はためらいなく情報やアイデアなどを共有することができるため、社内コミュニケーションが活性化します。上司と従業員のホウレンソウ(報・連・相)も積極的に行われるようになり、迅速に問題や課題への取り組み態勢を整えることができるようになるでしょう。

メリット③ エンゲージメントの向上

従業員の心理的不安を取り除いてあげることにより、従業員はより主体的に仕事に取り組めるようになります。「会議中に何も発言せず、ただ座っているだけ…」といった従業員がいなくなるため、個人単位での生産性はもちろん、チーム全体の生産性も向上します。

ポジティブなチーム イメージ
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心理的安全性がもたらすメンバーへの効果

続いて、心理的安全性の確保がチームメンバーにもたらす効果を紹介します。心理的安全性を高めることにより、従業員一人ひとりの不安を取り除くことができるので、より働きやすい環境を整えることが可能です。

メリット① チームメンバーのパフォーマンス向上

心理的安全性が高い社内では、従業員がほかのメンバーにネガティブな感情を抱かれる心配をすることなく仕事に打ち込むことができるため、自然とパフォーマンスが向上します。また、生産性が向上するだけでなく、一人ひとりの仕事に対する心理的ストレスも軽減することができます。

メリット② 目指すビジョンが明確になる

心理的安全性が確保されると、従業員一人ひとりが「当事者である」という自覚を持って仕事するようになります。具体的には、「もっとこうするべきだ」「どうしてこうなのか」などといった意見・質問がしやすくなるため、従業員は企業のビジョンをしっかりと理解し、それに沿った行動ができるようになります。その結果、チームとして目指すべきビジョンが明確になり、一体感が生まれます。

モチベーションの向上 イメージ
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心理的安全性の測定方法

次に、職場の心理的安全性を測定する方法を紹介します。一般的には、上記で紹介した心理的安全性が不足することで生じる不安(無知・無能・邪魔・ネガティブだと思われる不安)を従業員が感じているかどうかを調べることで、職場の心理的安全性を測定することが可能です。

具体的な方法としては、従業員一人ひとりとの面談を通して、「チーム内でミスをすると、ほかのメンバーから非難されますか?」「チームで自分のスキルが役立っていると感じますか?」などといった質問をする方法があります。

しかし、この方法だと、心理的安全性が低ければ、面談中も従業員が本当のことを答えられないことが懸念されます。そこで、匿名のアンケート調査の実施が効果的です。従業員が、業務中に不安を感じていないかどうかを確認してみましょう。アンケートをインターネット上で実施するなど、完全匿名で参加できるようにすることで、より正確に社内の心理的安全性を測定することができます。

また、心理的安全性は一度確保しても、時間の経過とともに再度低下してしまうことが考えられます。面談やアンケート調査は、定期的に行うようにするといいでしょう。

評価 イメージ
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心理的安全性の高め方

実際に職場の心理的安全性を高めるには、どうすればいいのでしょうか。その方法は数多く存在しますが、ここでは効果の高い方法を2つ紹介します。

心理的安全性を高める方法①

1つ目は、従業員が上司に自由に相談したり、意見やアイデアを伝えたりできる環境を整えるために、1対1のミーティングを行う方法です。週に一度のミーティングを、チームではなく個人で行い、従業員に「この会社は、自分の意見をしっかり聞いてくれる」という認識を持ってもらうことが大切です。

心理的安全性を高める方法②

そして、2つ目は、組織一丸となってポジティブシンキングを身に付ける方法です。心理的安全性が低いのは、従業員が「自分の言動をネガティブに捉えられたらどうしよう…」という不安を感じていることが原因です。そのため、従業員の出す意見や情報を常にポジティブに受け入れる態勢を整えることで、職場の心理的安全性を高めることができます。

ミーティング イメージ
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まとめ

本記事では、職場の心理的安全性のメリットや、実際の高め方について紹介しました。心理的安全性は、社内環境を改善し、より働きやすい環境をつくるのに効果的です。従業員がストレスなく業務に携わり、より良いパフォーマンスができるように、組織一丸となって職場の心理的安全性を高めていきましょう。

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参考:
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/identify-dynamics-of-effective-teams/
https://www.jstor.org/stable/2666999?origin=JSTOR-pdf&seq=1
https://www.recruit-ms.co.jp/research/journal/pdf/j201711/m48_all.pdf

・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。

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