
公開日:2020.11.27 | 更新日:2022.02.15
強い組織を作るために必要な企業文化とは?
企業として強い組織を作るためには、従業員の意識を変える必要があります。しかし、すぐに意識を変えることは難しく、根本的である「企業文化」を社内全体に浸透させなければなりません。
本記事では、企業文化とはそもそもどのような文化であるのかやメリット・デメリット、企業文化の作り方などを解説します。大企業でも導入されている企業文化の事例を参考にして、自社での活用を検討してみてください。
企業文化とは?
企業文化は、企業で働く従業員の間で生まれる価値観や企業内でのルールのことです。ビジネスシーンにおいては、「カルチャー」と呼ばれることもあります。企業文化は、企業が誕生してからの歩みの中で作られる経営方針や実績によって形成され、従業員が業務を行う上での行動指標として現れます。
また、企業文化は、外部への自社のイメージを直接的に反映するため、企業間でのやりとりや、消費者へのマーケティングといった企業活動にも影響を与えるとされています。

組織風土や社風との違いとは?
企業文化のほかに、「組織風土」「社風」といった似たような言葉があります。企業内部の様子を表す意味として大きな違いはないものの、その企業を知る上で重要な言葉です。「企業文化」「組織風土」「社風」の3つの違いについて解説します。
・組織風土との違い
まず、組織風土とは、外部からの影響を受けずに、企業に所属する従業員の人間関係から自然に生まれるものです。自社でのコンプライアンスや暗黙の了解といったルールによって組織風土が形成されるため、世代を通して大きな変化が起きません。一方、企業文化は、競合他社や市場といった外部からの影響を受けます。時代によって変化を繰り返す点が、組織風土との違いです。
・社風との違い
次に、社風とは、企業で働いている従業員が感じている雰囲気を意味します。業務中における従業員の態度、どのような人柄が集まっているかといった従業員の性格や特徴が反映されているのが社風です。
社風は、企業文化と組織風土が合わさることによって、徐々に形成されます。業務においても顕著に表れることから、人によって合う合わないの差が出てしまうのが問題でもあります。

Freepik
企業文化を醸成することのメリット
企業文化を醸成することのメリットとして、自社の雰囲気に合った人材を獲得しやすい点が挙げられます。人間関係はもちろん、業務のプロセスや経営方針への共感を与えられることで、自社への愛着を高められるのが特徴です。
また、自社の雰囲気に合った人材が集まりやすくなり、チームワークの強化にもつながります。働きやすい環境が整いやすく、従業員の離職率を抑えることも可能です。
企業文化が必要な理由
企業文化は、一つの組織を維持するために必要な存在です。具体的に、どのような場面で企業文化が重要であるかをチェックしましょう。
・組織としての土台作り
企業という組織の土台作りを行う際に、企業文化は必要となります。企業文化に沿って経営方針や業務の方向性を定めることによって、従業員が同じ目標に向かって行動できるようになるためです。
企業に関わらず、組織を育て上げていく上で、価値観の共有は欠かせません。企業文化という一つの指標を作り上げることで、一体感を生み出せるようになります。
・従業員のモチベーションにつながる
企業文化は、従業員の仕事に対するモチベーションにも必要です。組織としての企業文化を確立させることで、それぞれの従業員がどのように貢献できるか考えるきっかけを作り出せます。
そして、結果を出すごとに上司からの信頼性を高められるほか、従業員の自信にもつながるようになります。このように、企業文化を意識し、成功を収めることで、従業員のモチベーションアップを期待できます。

Freepik
企業文化の醸成方法
企業文化を社内で醸成するためには、従業員に対して組織の一員であることを自覚させなければなりません。同じビジョンを持って業務に取り組むことを従業員が意識するだけでも、企業文化を根付かせることができます。
また、従業員同士のつながりを大事にすることも必要です。社内でのイベントを計画してみたり、普段からコミュニケーション方法を工夫したりして、企業文化を従業員に浸透させましょう。
企業文化の醸成事例
実際に企業では、どのようにして企業文化を醸成しているのでしょうか。企業文化の醸成に成功した企業を3つ紹介するので、自社での参考にしてみましょう。
A社:アパレルメーカー
アパレルメーカーのA社は、従来のトップダウンのマネジメント方式から、ボトムアップへの変革を遂げた企業です。従業員全員が経営に関わる「全員経営」を目指し、一人ひとりが責任を持って事業に取り組んでいます。
人事評価制度はもちろんのこと、給与体系、デスクの配置など、細かい部分まで企業文化を浸透させているのが特徴です。
B社:製造業
大手製造業のB社は、人材を重視した企業文化の醸成に成功した企業です。ものづくりを通じて、人間性を尊重することを従業員全員に根付かせ、人材育成にも力を入れています。
また、従業員と地域住民のつながりを強化したり、お互いの信頼性を向上したりするなど、周辺地域を巻き込んだ企業活動もポイントです。考え方を取り入れるだけでなく、実際に行動に移しながら企業文化の醸成を継続しています。
C社:IT企業
IT企業のC社は、新たな価値を生み出すマーケットプレイスを創るというミッションを設定し、企業文化を醸成しています。また、「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(すべては成功のために)」「Be a Pro(プロフェッショナルであれ)」といった3つのバリューを掲げ、従業員が行動に迷ったときに振り返られるような機会を設けています。
この3つのバリューはC社の人事評価や採用基準にも用いられており、日常業務のなかに企業文化が根付いているのです。
まとめ
企業を組織として強くするためには、企業文化を従業員に浸透させることが重要です。うまく浸透させることができると、従業員個人のモチベーションアップやチームワークの向上につなげることができます。
従業員が心の底から信じている企業文化を作り上げることができれば、企業全体の価値を高めることができます。自社で企業文化をどのように根付かせるか、参考事例を踏まえて検討してみてください。
参考:
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/csr_report/employees/
https://recruit.softbank.jp/career/crosstalk/internalsystems/
・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。
WeWork Japan 合同会社
東京都港区南青山 1–24-3
050-1742-2028