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公開日:2020.11.30 | 更新日:2021.03.16

都道府県別のテレワーク実施率から考える日本全体のテレワーク事情

ナレッジオフィス分散働き方改善

新型コロナウイルスの拡大により、各企業におけるテレワークの導入が緊急の課題となっています。しかし、テレワークを取り入れた企業の事例が大々的に取り上げられる一方で、テレワークを実施している企業は2~3割程度に留まっているという現状もあります。テレワーク導入に苦戦する企業も多くあるのが実状です。

本記事では、都道府県別のテレワーク実施率をもとに、日本全体のテレワーク事情について紹介します。

広がるテレワーク

働き方の多様化を推進する総務省は、働き方改革の重要な施策の1つとして、テレワークの推進を掲げています。しかし、一部企業での導入は見られるものの、テレワークが拡大しないという悩みを抱えていました。

そんな中、新型コロナウイルスの拡大によって、各企業がテレワークに移行せざるをえない状況が生まれました。

各企業のテレワーク状況についての調査を実施した株式会社パーソル総合研究所によれば、テレワークを実施していると回答した正社員は、第一回調査(3月9日~15日)では13.2%、第二回調査(4月10日~12日)では27.9%、第三回調査(5月29日~6月2日)では25.7%という結果でした。

3月と比べると、4月や5月では、約2倍の正社員がテレワークを実施したことになります。しかし同時に、テレワークの実施率はたったの25%という見方もできます。

新型コロナウイルスの影響により、テレワークの導入は間違いなく拡大しています。しかしながら、テレワークを導入できない悩みを抱えている企業も多いというのが実態です。

テレワーク イメージ
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都道府県別のテレワーク実施率

同調査において非常に興味深いのが、都道府県別のテレワーク実施率です。テレワークを実施した正社員は第三回調査にて25.7%でしたが、東京都だけでみると、48.1%もの正社員がテレワークを実施したと回答しています。

テレワーク実施率が高い都道府県は、上から順番に、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府と続きます。首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)では、41.1%がテレワークを実施したと回答しています。

逆に、テレワーク実施率が低い都道府県は、宮崎県の2%を筆頭に、鳥取県、大分県、愛媛県、岩手県と続きます。

首都圏では、非常事態宣言が出されるなど、テレワークを実施せざるをえない状況に陥ったため、模索しながらも実施した背景があったようです。その一方で、地方においてはテレワークを導入できていない状況があります。

日本ではテレワークが進みづらい?さらなるテレワーク普及への課題

第二回調査をピークとし、第三回調査ではわずかながらテレワーク実施率が下がっていることからも、一度はテレワークを取り入れた企業であっても、テレワークを廃止し、通常業務に戻していると考えられます。

日本においてテレワークをより一般化し、普及させるためには、乗り越えなければならない多くの課題が存在します。今回は、それら多くの課題の中でも、特に典型的なものについて紹介します。

課題① メンバーシップ型雇用が主流

日本は従来より、従業員にさまざまな経験を積ませ、どのポジションでもある程度は働くことができる「メンバーシップ型雇用」を取ってきました。メンバーシップ型雇用は、人材配置や人材開発がしやすいというメリットがある一方で、勤怠管理がしづらく、専門性が高い人材が育ちにくいという課題もあります。

諸外国では、職務や勤務地を明確に限定した「ジョブ型雇用」が雇用の中心です。ジョブ型雇用では、勤務時間以上に、成果物のクオリティが重要になるため、勤怠管理の必要がありません。また、仕事さえしっかりとこなせば、どこで働いても問題ないため、ジョブ型雇用はテレワークと相性のよい雇用形態だと考えられています。

日本企業におけるメンバーシップ型雇用をすべてジョブ型雇用に変えることは難しいとしても、ジョブ型雇用を少しずつ増やしていくことで、テレワークなど、より柔軟な働き方にシフトできるようになります。

ジョブ型雇用について、詳しくは以下の記事もご一読ください。

記事:『ジョブ型雇用とは?メンバーシップ型雇用との違いやメリット・デメリットを徹底解説!』

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課題② ハンコや紙書類中心の企業文化の残存

ハンコは日本の伝統的な文化の1つですが、人の手で押さなければならなかったり、遠隔でのやりとりが難しかったりすることから、テレワーク推進を妨げる1つの要因となっています。

また、日本には紙書類中心の企業文化も根付いており、オフィス間を人が行き来することでしか作業が進まないなどの問題もあります。

諸外国では、電子書類や電子サインが当たり前のように取り入れられており、オンライン上だけでも重要書類が完結するようになっています。

日本においては、テレワークの推進だけでなく、作業の効率化、国際的競争力向上などの点からも、ハンコや紙書類中心の企業文化を見直す必要があるといえます。

課題③ テレワークに適していない業務の存在

一度はテレワークを実施したものの、現在はテレワークをやめた理由としてもっとも高い値を示したのは、「テレワークで行える業務ではない」という項目でした。

テレワークは確かに通勤時間の削減や作業の効率化、ワークライフバランスの向上など、さまざまなメリットがある働き方ですが、テレワークに適していない業務が多く存在するのも事実です。

例えば、農業や林業では、人の手がなければ作業が進みません。警備の仕事などは、人がいることで効果を発揮します。教育においても、オンラインだけではできないことも多く存在します。

このように、すべての仕事がテレワークに適しているというわけではありません。特に日本では、人と人とのやりとりを大切にする文化が根付いているため、急な変更は混乱を招くことになりかねません。すべての仕事をテレワーク化するのではなく、適した仕事を中心にテレワークに移行していくことが求められます。

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テレワーク普及に向けた企業の取り組み

テレワークの普及のためには、一個人の努力だけでなく、企業や経営者が率先して方針を打ち出していく必要があります。今後、テレワークをより推進していくために、企業ができる取り組みを紹介します。

・テレワークに適した労働環境を整備

同調査において、テレワークをやめた理由の第2位に「テレワーク制度が整備されていないこと」、第3位に「テレワークのためのICT環境が整備されていないこと」が挙げられています。

テレワークを続けたいと思う従業員は多くいるものの、企業における労働環境が整っていないため、仕方なくテレワークをやめた従業員が多くいるのが現状です。

まずは、各企業がさまざまな働き方に対応できる仕組み作りを進めることが重要です。経営者が率先して進める必要がありますが、ITに詳しくない場合には、プロジェクトチームを設立するなど、別の従業員に依頼する方法もあります。

テレワークをはじめとした働き方の柔軟化は、従業員からの評価にも大きく関係するため、早急に進める必要があります。

・テレワーク業務から生じる不安の払拭

テレワークは多くの企業で成果を上げている一方で、テレワークに不安を感じている人も多くいます。その理由として、非対面の人物とのコミュニケーションや従業員間の労働量のバランス、評価の難しさなどが挙げられます。

テレワークで生じた従業員の不安をそのままにしておけば、せっかくのテレワークが一時的な対処や非効率な働き方として認識され、消えてしまうかもしれません。

まずは従業員が抱える不安をしっかりと聞き出し、その改善点をもとに考えていくことで、テレワークのメリットを最大限に生かせるようになります。

苦悩 イメージ
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新時代に適した働き方やオフィスの見直しを

本記事では、都道府県別のテレワーク実施率をもとに、テレワーク実施の問題点や難しさなどについて紹介しました。昨今、テレワークに関するニュースが多く報じられていますが、導入には難しさを感じている企業も多くいるのが実状です。

テレワークの導入は働き方改革の1つの例であって、もっとも大切なことは、自社にあった働き方改革が行えているかどうかです。

これからの多様な働き方を叶えるには、働く環境やオフィスの見直しが重要です。例えば、オフィスでも自宅でもない第3の場所、フレキシブルオフィスを活用することで、企業にとっても従業員にとってもメリットの多い働き方を実現できる可能性があります。

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* 2020年11月時点

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参考:
https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/data/telework-survey3.html
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/

・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。

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