WeWork Japan

WeWork 内観
公開日:2020.11.30 | 更新日:2021.10.26

新入社員が抱える不安に思うこととは?コロナ禍における企業のやるべきこと

ナレッジ働き方改善新卒採用

入社式といえば、新入社員が希望を胸にやってくる年度初めに開かれる大切なイベントです。新しいスタートに向けてやる気に満ちている新入社員も多いことでしょう。しかし2020年は、例年とはまったく異なる風景が広がっていました。新型コロナウイルスの拡大を受け、多くの企業において入社式が中止、延期、もしくはオンライン開催となりました。入社直後に出社できない状況が続いたことで、モチベーションの低下や仕事上の困難を抱える新入社員もいます。適切なケアをしなければ、貴重な人材を失うことになりかねません。そこで本記事では、入社から半年が経った新入社員の抱える不安と、企業ができるフォローについて紹介します。

【目次】

  • 例年とは異なる入社1年目
  • コロナ禍における新人教育の課題
  • 新入社員が抱える悩み
  • コロナ禍の新入社員に対して企業ができるフォロー
  • まとめ

例年とは異なる入社1年目

例年の4月といえば、新入社員が気持ち新たに会社に向かい、上司や同僚とともに仕事に取りかかる時期です。しかし2020年の4月は新型コロナウイルスが急激に拡大し、4月7日には7都道府県にて緊急事態宣言が出される異常事態となりました。この状況を受け、多くの企業では入社式を中止、延期、オンライン開催するなどの対応に追われました。

特別だったのは入社式だけではありません。新型コロナウイルスの拡大を受け、国や各自治体が、出社をできる限り避けるように通達し、4月に一度も会社に行けない新入社員もいました。また、仕事はすべてオンラインで実施することになり、初めての挨拶も仕事の説明も、すべてが画面越しのやりとりとなった新入社員もいたようです。

株式会社マイナビが2020年の新入社員に対して行った意識調査によれば、緊急事態宣言解除前において、33.8%の新入社員が毎日在宅勤務をしていたと報告されています。

現在では、通常勤務の形態に戻している企業も多いですが、4月時点の人間関係づくりに出遅れ、上司や同僚との関係をうまく作れずにいる新入社員も多くいます。企業が新入社員を適切にフォローできなければ、貴重な人材が流失してしまう可能性も大いにあります。

ビジネスパーソン イメージ
Freepik

コロナ禍における新人教育の課題

新入社員がコロナ禍において悩みを抱えているのと同じように、新入社員の教育担当者たちも悩みを抱えています。

株式会社日本能率協会マネジメントセンターが2020年8月に人事担当者に対して行った調査では、新入社員に関する現状について、新入社員の同期や先輩、上司などとの関係構築が課題と考えている人事担当者が72.6%にものぼりました。例年であれば、学生から社会人への移行や基本のマナー・スキル取得が主要課題として挙がっていたことからも、2020年は大きな変化が見られた年といえます。

また、オンラインによる作業が中心となったことや、人対人のやりとりを減少させざるをえなかったことが原因で、仕事に対するやりがいや成長実感の持たせ方に難しさを感じている人事担当者も多いようです。

これまでの教育制度を抜本的に見直さざるをえない2020年は、人事担当者にとっても悩みの多い1年といえます。

新入社員 イメージ
Freepik

新入社員が抱える悩み

新人教育をうまく軌道に乗せるには、新入社員が今抱えている悩みを適切に把握することが大切です。今回は、コロナ禍で取り上げられることが特に増えた、新入社員の2つの悩みについて紹介します。

悩み① 孤独を感じる

コロナ禍で急上昇した新入社員の悩みが「孤独」です。仕事のやりとりの多くがオンラインになり、分からないことがあっても相手に迷惑をかけるのを恐れて質問できず、1人で考え込んでしまう新入社員が多くいます。

新入社員は、会社独自の働き方やルールが分からないことに加え、長期にわたるテレワークにより、人間関係も十分に築けていません。通常であれば、詳しい先輩や親しい同僚に聞くことができる内容であっても、コロナ禍の環境では解決できないことが多々あります。

特に相手の立場に立って物事を考える傾向のある新入社員の場合、さまざまなことを考えすぎてしまい、メンタルの不調を招く可能性もあります。

また、通例であれば、4月には歓迎会などが開かれ、自分が必要とされていることを感じられます。しかし、コロナ禍においては、歓迎会の実施も難しく、仕事に関するコミュニケーションのみが中心となり、同僚や上司との人間関係を築くことが非常に難しくなります。

2020年の新入社員は、孤独を抱えている人が多いことを認識した上で、新入社員教育に当たることが非常に重要です。

悩み② 会社の力になれている実感がない

テレワークは、通勤時間がかからず、作業効率も向上するといわれている働き方です。そのため、個々の仕事に集中的に取り組むのには向いていますが、会社全体がどのように動いているのかは把握しづらいという特徴があります。

新入社員の場合、自分が行った仕事がどのように役に立ったのか、自分の仕事は適切だったのか、自分はどのように評価されたのかについて、非常に気になるものです。

しかし、それらを判断できるものが、上司からの短いメッセージだけであれば、自分が会社の力になれている実感を感じることができず、モチベーション低下につながります。

コロナ禍において、新入社員とやりとりをする際は、仕事へのやりがいやモチベーションの問題を抱えている可能性があることを十分に理解した上で行うことが大切です。

苦悩 イメージ
Freepik

コロナ禍の新入社員に対して企業ができるフォロー

コロナ禍の新入社員が仕事へのモチベーションを保ち、悩みを抱えることなく働くためには、企業として適切なフォローを行う必要があります。そこで、コロナ禍の新入社員に向けたフォローの仕方について紹介します。

フォロー① 個別に話す時間を作る

新入社員は、仕事で困ったことがあっても、上司に気を遣ってしまい、自分から面談を依頼することはほとんどありません。上司や人事が個別に話す時間を設けることで、新入社員が抱えている悩みを聞き出し、一緒に解決に向けた対処法を考えることが重要です。

できれば実際に会って話をするのが一番ですが、難しい場合にはオンラインでも構いません。グループでの面談では、他の従業員に気を配って言えないこともあるかもしれないため、かならず個別面談の時間を設けるようにしましょう。

フォロー② 会社のビジョンを伝える

コロナ禍では、仕事へのやりがいや達成感を味わいにくく、モチベーションが減少することが多々あります。そのため、できる限り時間を作り、会社のビジョンを伝えたり、所属するチームが持つ使命を共有したりするようにしてください。

経営者が会社のビジョンを伝えたつもりでも、新入社員にはなかなか伝わらないことが多くあります。朝礼やミーティング時など、皆が集まる場所でビジョンを繰り返し伝えることで、新入社員のモチベーション低下を防ぐことができます。

フォロー③ 仕事内容や働き方について肯定的な評価を積極的に行う

仕事内容が分断されることが多いテレワークでは、自分の仕事がどのように会社に貢献したのか、また、自分の仕事がどのように評価されているのが非常に見えにくくなります。新入社員は、上司からどのように見られているかを気にするため、積極的に良い点を見つけて評価するようにしてください。

過度な評価をする必要はありませんが、コロナ禍では少し多いくらいの肯定的な評価をすることが求められます。相手の良い点を積極的に見つける姿勢がある人材を教育担当やチームリーダーに置く人事配置も重要になってきます。

フォロー④ 改善点を具体的に伝え、次回より良いものが作れるようにサポートする

対面での打ち合わせが少なくなるコロナ禍の働き方では、自分の成長を感じられないと考える新入社員が多くいます。そのため、新入社員が行った仕事に対して評価を与えるとともに、次回により良い仕事ができるように、フィードバックをすることが大切です。

次回により良い仕事ができたら、さらにレベルアップするように、必要な知識やスキルを伝えます。日々スキルアップを図れる職場であれば、コロナ禍であっても、モチベーションを高く維持したまま仕事に取り組めるでしょう。

サポート イメージ
Freepik

まとめ

本記事では、コロナ禍の新入社員が抱える不安と、企業ができるフォローについてまとめました。2020年の新入社員は、例年の新入社員と比べ、少し異なる観点から大きな悩みを抱えています。これらの悩みを抱えたままでは、仕事の効率を下げるばかりか、離職を招く結果になるかもしれません。企業全体として現状を把握し、必要なフォローをする必要があります。

お役立ち資料一覧

現地 / Web内覧申込


参考:
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/04
https://shrm.jp/news/1260103_3210.html

・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。

WeWork Japan 合同会社
東京都港区南青山 1–24-3
050-1742-2028