
公開日:2020.12.25 | 更新日:2021.03.16
コロナ禍で懸念される従業員の健康!健康管理の重要性や方法とは
新型コロナウイルスの流行により、テレワークをはじめとしたニューノーマルな働き方が拡大・定着しました。ワークライフバランスの改善、通勤時間の短縮などといったメリットがある中、実際にはコミュニケーション不足や生活習慣の乱れなどによる「従業員の健康状態の悪化」が懸念されています。
本記事では、ウィズコロナ時代における従業員の健康管理の重要性や、健康管理の方法をご紹介します。
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コロナ禍における健康面の懸念
新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの働き方は大きく変化を遂げています。2020年に東京都が実施した「テレワーク導入率緊急調査結果」によると、都内企業のテレワーク導入率は、2020年3月時点では24.0%だったのに対して、2020年4月時点では62.7%にまで上昇したことが分かっています。
また、実際に社内でテレワークを実施する従業員の割合に関しても、2020年4月時点では49.1%と、2019年12月時点の約15.7%と比べて、大幅に上昇していることが明らかになっています。
テレワークが導入された当初は、通勤時間の削減やワークライフバランスの確立など、メリットばかりに注目が集まっていましたが、最近では、コロナ禍で定着したテレワークならではの問題点も浮上し始めています。そのうちのひとつに、従業員の健康状態悪化の懸念があげられます。
株式会社NTTドコモと株式会社emphealが行った調査によると、在宅勤務における従業員の健康状態において、以下の結果が出ています。
・集中力やモチベーションの低下
・疲労感の蓄積
・腰の痛みや目痛の悪化
そのほかにも、「外出機会が減少したことによる運動不足・体重増加」や「コミュニケーション不足による精神的不安」など、人によってさまざまな健康状態の悪化が懸念されます。

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健康管理の重要性
企業にとって、従業員の健康が大切なのは言うまでもありませんが、コロナ禍では、今まで以上に従業員の健康に気をかけるべきといえます。その主な理由は、在宅勤務では勤務スタイルはもちろんのこと、私生活にまで大きな変化が現れているからです。
具体的には、「公私混同してしまい、仕事の疲れが取れない」「コミュニケーション不足により、精神的不安が増加している」などといったことが考えられます。また、ウィズコロナ時代のテレワークにおいては、従業員と上司が実際に顔を合わせる機会が減少してしまうため、上司側が従業員の健康の悪化に気づきにくいという問題点もあります。
ケアが必要な健康管理の項目
ウィズコロナ時代において、企業側がケアを行うべき項目は大きく分けて、「身体」「精神」「ソーシャル」の3つに分かれます。健康管理というと、つい身体的な健康ばかりに注目してしまいがちですが、精神と社会的つながりの健康も同じくらい重要です。それぞれどのようにケアするべきなのか、詳しくお伝えしていきます。
・身体の健康
まず、従業員の身体的な健康を管理することは基本中の基本です。通常のオフィス勤務であれば、実際に社員の顔色や働きぶりを見ることで、異変に素早く気づいてあげることができます。しかし、在宅勤務をはじめとしたテレワークでは、従業員と実際に顔を合わせられないため、注意が必要です。
また、在宅勤務では座っている時間が増えるため、運動不足が懸念されます。運動不足は、身体の健康にダイレクトに悪影響を及ぼすため、運動不足解消のコツを社内で共有するなどといったケアができるといいでしょう。
・精神の健康
精神的な健康も身体的な健康と同様、テレワークにおいて把握が難しいため、積極的なケアが必要です。「何か普段と違うところはないか?」という意識で、従業員一人ひとりの言動やメッセージから異常を察知していくことが必要でしょう。従業員がストレスや不安をひとりで抱え込んでしまうことがないように、企業側で対策をとり、ケアすることが理想的です。
・ソーシャルの健康
ソーシャルの健康とは、他の従業員とのつながりや経済的安定などのことです。コミュニケーション不足に陥りやすいテレワークでは、不安を感じやすくなったり、チーム内での自分の存在価値を実感しにくくなったりすることが考えられます。離れた場所で仕事をしていても、従業員がチームの一員であるという意識をしっかりと持ち、孤独を感じないようにするといったケアが必要でしょう。

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健康管理の方法
続いて、実際に従業員の健康を管理する方法を3つご紹介します。「従業員と実際に顔を合わせる機会が少ないコロナ禍では、どのように健康管理をすればいいか分からない…」という方はぜひ参考にしてください。
方法① 従業員が気軽に相談できる環境を整える
まず、企業側が手軽に始められる対策として、従業員が気軽に相談できる環境を整えることが挙げられます。従業員が「相談したくても相談できる人がいない」「相談するタイミングがない…」とひとりで問題を抱え込んでしまわないように、普段からちょっとしたことでも気軽に相談できる環境を整えましょう。
具体的には、週に数回1対1でオンラインで雑談できる場を設けたり、Web会議の冒頭で従業員の体調について問いかけたりといった対策が取れるといいでしょう。
方法② 健康情報の提供
健康状態が悪化しても、従業員によっては自覚症状がなかったり、「きっと気のせいだ…」と見て見ぬふりをしてしまったりすることがあります。特に在宅勤務においては、ほかの従業員と情報交換をする機会が減るため、自身の身体のイエローサインに気づきにくくなります。
そのため、従業員本人に健康状態の悪化にいち早く気づいてもらうために、企業側から健康に関する情報を提供することが効果的です。具体的には、在宅勤務による運動不足の解消方法や、コロナ鬱の症状リストなど、ウィズコロナの今、従業員が必要としているであろう健康に関する情報を提供するようにしましょう。
方法③ オンライン診療の実施
オンライン診療とは、従来では医者により対面で行われていた診察・診断をインターネットで行うことです。オンライン診療は、コロナ以前ではあまり馴染みのない医療サービスでしたが、コロナの感染拡大によりオンライン診療を実施する医療機関、そして実際に利用する企業が増えています。
実際に、明治安田生命研究所の調査結果によると、2020年7月末時点でオンライン診療に対応可能な医療機関は全体の約15%にも及んでいることが分かっています。ウィズコロナ時代では、従業員が体調を崩しても、感染リスクを恐れて病院を利用しにくいことが考えられるため、オンライン診療を積極的に取り入れるといいでしょう。

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まとめ
今回は、ウィズコロナ時代における従業員の健康状態管理の重要性と、健康管理の方法を紹介しました。新型コロナウイルスが流行している今、これまで以上にウイルス感染対策が必要なように、従業員の身体やメンタル、ソーシャル面の健康管理が重要です。この記事で紹介した管理方法を参考に、従業員の健康管理を行っていきましょう。
参考:
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/saigai/1010035/1011450/1010350.html
https://www.kankokeizai.com/%E3%80%90%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%80%91%E5%9C%A8%E5%AE%85%E5%8B%A4%E5%8B%99%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%81%A5%E5%BA%B7%E7%8A%B6%E6%85%8B%E3%81%A8%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%80%A7%E8%AA%BF/
https://www.myri.co.jp/publication/myilw/pdf/myri_no100_02.pdf
・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。
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