
公開日:2021.02.10 | 更新日:2021.03.16
エンゲージメント経営とは?事例も交えながら導入のポイントを解説
業績を向上させるためには、企業に対する従業員の貢献度を高める取り組みが必要です。現在では、従業員の貢献度を高める手法として「エンゲージメント経営」が注目されています。エンゲージメント経営を取り入れることで、従業員のモチベーションや自社サービス・製品の品質向上の実現を図ることが可能になります。
本記事では、エンゲージメント経営のメリットについて、事例を交えながら解説します。コミュニケーションの活性化や、適切な人事評価を実施するなどのポイントを押さえながら、自社での導入を検討してみましょう。
エンゲージメント経営とは?
エンゲージメント経営とは、企業と従業員による双方の信頼関係を高める経営のことです。従業員の業務パフォーマンスを最大限に引き出し、企業に対して貢献できる人材を育成するためには、エンゲージメントが必要です。人材の流動が活発になっていることや、働き方が多様化している現代において、従業員との良好な関係性を築くことが求められています。
エンゲージメント経営を導入するメリット
エンゲージメント経営を導入する際には、具体的にどのようなメリットを得られるか調べてみましょう。従業員の満足度が低い企業や、離職率が高い企業は、これらの問題を解決するためのヒントを得られるかもしれません。
メリット① 離職率の低下
エンゲージメント経営を行うことで、従業員の離職率を改善できます。新規学卒者の離職率の高さは、日本社会全体における問題とされてきました。
企業から人材の流出を防ぐためには、入社した従業員の不満を取り除けるような環境構築が必要です。長い残業時間、ワークライフバランスが取れていない、働き方の問題といった課題を解決しなければなりません。エンゲージメント経営を行うことによって、従業員が抱えている不満を解決し、自社への愛着度を高められます。
メリット② 従業員のモチベーション向上
エンゲージメントを重視した経営のメリットは、従業員のモチベーション向上につなげられる点です。自社の業務環境や待遇への不満が高まることで、従業員のモチベーションが低下します。
結果として、企業全体での生産性や業績にも影響し、悪循環につながることから、解決策を取り入れなければなりません。従業員に対するエンゲージメントは、経営戦略的にも重要な要素であり、常に高い指標を得る必要があります。
メリット③ 自社サービス・製品の高品質化
従業員に対するエンゲージメントを意識した経営を進めることで、自社サービスや製品の品質を高められます。エンゲージメントの指標は、従業員の満足度だけでなく、自社への愛着心を表します。従業員が高い愛着心を持つことによって、自社への貢献度も高まり、結果として、サービス・製品の品質向上が可能です。
従業員が不満を多く抱え、エンゲージメントが低いままでは、自社で活躍したいという気持ちが薄れてしまいます。貢献したい意欲を高めるためにも、エンゲージメントを重視し、従業員への接し方を見直さなければなりません。

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エンゲージメント経営の事例
エンゲージメントは、経営戦略において重要な指標です。従業員の満足度や愛着心を可視化することで、企業が抱えている課題の解決につなげられます。
実際に、エンゲージメント経営は企業で導入されており、経営改善につながった事例も多くあります。これから、自社でエンゲージメント経営の導入を検討している場合、各企業での事例を参考にしてみましょう。
事例① 株式会社メルカリ
株式会社メルカリでは、3か月ごとにエンゲージメントサーベイを実施しています。NPS(エンプロイー、ネット、プロモーター、スコア)という指標でエンゲージメントを評価し、従業員の満足度や生産性をチェックしているのが特徴です。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、株式会社メルカリでは、2020年2月の段階でテレワークを導入しました。さらに、ITツールの導入やコミュニケーションを重視したことによって、生産性が向上し、エンゲージメントの強化にもつながってます。
事例② アドビ株式会社
アドビ株式会社は、社内メディアを強化することによって、エンゲージメント向上を図っています。テレワーク導入に伴い、さまざまな拠点で働く従業員のコミュニケーションを強化しました。
世界中にネットワークを持つアドビでは、社内向け動画サイト「Inside Adobe TV」を活用し、アドビの今後の取り組みや、専門性の高い従業員の紹介を行っています。結果として、企業全体での連帯感を強化し、エンゲージメントの促進を可能としました。

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エンゲージメントを導入する際のポイント
エンゲージメント経営を導入する際に、いくつかのポイントに気を付けましょう。エンゲージメントを向上させるためには、従業員のモチベーションとなる要因や企業組織の問題点を探らなければなりません。また、適切な人事評価を行い、従業員が納得できるような環境整備が必要です。
ポイント① 従業員のモチベーション要因を探る
高いエンゲージメントを維持するためには、従業員のモチベーション要因を探らなければなりません。エンゲージメントは、従業員の満足度と直接的な関連があり、多様な働き方の導入、労働環境の改善といった従業員が望んでいることを再現することが大切です。
また、従業員のモチベーションを探る方法として、定期的なアンケートも有効です。記述式で行うことによって、従業員が不満に思っている点や、組織としての問題点を洗い出しましょう。
ポイント② 社内コミュニケーションの活発化
従業員のエンゲージメントを高めるためには、社内におけるコミュニケーションの活発化を目指しましょう。エンゲージメントが低下している場合、同じ従業員に対して不信感を持っていることが一つの原因として考えられます。社内の人間関係は、エンゲージメントにも大きな影響を持つため、特に注意しなければなりません。
社内コミュニケーションを活発化する方法として、定期的な交流や、チームごとによる意見交換を実施する機会を設けましょう。お互いの不信感を取り除くことで、コミュニケーションが広がり、結果としてエンゲージメントの向上にもつなげられます。
ポイント③ 適切な人事評価
エンゲージメントを導入する際のポイントとして、適切な人事評価を行うことも大切です。業務に対する結果やパフォーマンスが適切に評価されていないことによって、従業員の不満を招き、エンゲージメントが低下する危険性があります。
エンゲージメントを高めるためには、従業員が評価に対して納得できるような状態でなければなりません。そこで、単に評価を行うだけでなく、評価に対するフィードバックを実施します。どのような点が悪かったか、評価を上げるために従業員が何をするべきかを明示し、双方が納得する形を目指しましょう。

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まとめ
エンゲージメント経営を導入することで、従業員だけでなく、企業もメリットを得られます。ただし、エンゲージメントを確実に向上させるためにも、事例を踏まえて自社でどのような試みを実践するべきかが大切です。従業員のモチベーションにつながる要因や、人事評価の方法を工夫するといったポイントをしっかりと押さえましょう。
参考:
https://mercan.mercari.com/articles/23343/
https://blogs.adobe.com/japan/corp-adobe-on-how-to-increase-engagement-through-creativity/
・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。
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