
公開日:2021.02.24 | 更新日:2021.03.16
ふるさとワーキングホリデーとは?目的や体験内容、参加の流れについて解説
地方創生の取り組みの1つとしてスタートした「ふるさとワーキングホリデー」が、大学生をはじめとした多くの若者の間で話題となっています。地方活性化を進める上での重要な施策となることも十分考えられるため、正しく理解しておく必要があります。
本記事では、ふるさとワーキングホリデーの目的や体験内容について紹介するとともに、参加までの流れについても解説します。
ふるさとワーキングホリデーとは?
ふるさとワーキングホリデーとは、総務省が2017年に開始した事業の1つで、日本国内でワーキングホリデーを経験できる取り組みです。事業を推進する総務省では、ふるさとワーキングホリデーを以下のように定義しています。
– 引用 –
都市に暮らす若い人たちが、一定の期間、地域に滞在し、働きながら、地域の人たちとの交流の場や学びの場などを通して、通常の旅行では味わえない、地方をまるごと体験してもらい、地域とのかかわりを深めてもらおうというもの
– 引用おわり –
一般にワーキングホリデーといえば、海外に余暇として滞在し、必要な資金を稼ぐために現地で働くことをいいます。しかし、ふるさとワーキングホリデーは日本国内が対象です。都市に住む若者たちが、地方での仕事や生活を経験することで、地域のすばらしさを感じてもらおうという取り組みです。
移住体験であれば、住居や生活に関する費用がかかることに加え、社会人ならば職場で長期の休暇を取らなければならず、簡単には実行できません。
一方、ふるさとワーキングホリデーは生活する上で必要な費用を稼ぐことができることに加え、学生にとっては将来の進路を考える上での大きな学びとなります。また、大学の夏休みや冬休みなどに合わせて実施している地域が多いため、大学生の間で少しずつ人気が高まっています。

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ふるさとワーキングホリデーの目的
ふるさとワーキングホリデーは、国が力を入れている地方創生プロジェクトの1つとして位置づけられます。日本では都市部への一極集中や地方の高齢化・廃退が顕著に進んでおり、働き盛りの若い人材を日本各地に分散させ、地域の活性化を図ることが大きな課題となっています。
しかしながら、地方への移住は、これまでの生活を一変させる必要があることや、仕事探しに苦労することなどが原因で、思ったように広がらないのが現状です。
そこで、地域での生活や仕事を簡単に体験できる事業としてスタートしたのがふるさとワーキングホリデーです。ふるさとワーキングホリデーによって、地方移住に興味のある人や、地域と密着したビジネスに興味のある人、地方創生に高い志を持つ人たちが、気軽に地方移住を体験できることを目指しています。
最終的には、多くの若者が地方の魅力を知ることで実際に移住し、地方のパフォーマンスを向上させることを目的としていますが、「まずは気軽に地方を体験してほしい」という思いが詰まったプロジェクトがふるさとワーキングホリデーといえます。

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ふるさとワーキングホリデーで体験できること
ふるさとワーキングホリデーは、ワーキングやホリデーという名前からもわかるように「地方で就業体験をすること」と「余暇を楽しむこと」の両方に重点を置いています。そのため、平日は就業体験、土日は余暇が中心となるようにスケジュールが組まれていることが一般的です。
06:30 起床・朝食
09:00 野菜の選果・出荷作業
12:00 昼食
15:30 トラクターでの作業など
16:30 休憩(おやつ)
17:30 収穫作業
18:30 地域の人たちとの交流会や意見交換
21:00 ルームメイトとの談笑
22:00 就寝
※休日は休んだり観光したり、地域を自由に体験することができる
(ふるさとワーキングホリデーポータルサイトより抜粋し作成)
ふるさとワーキングホリデーは、総務省が推奨するプロジェクトの1つのため、短期間でより多くのことが体験できるように、自治体ごとに特徴的な体験が組まれていることもあります。ふるさとワーキングホリデーの主な体験について紹介します。
◆ 生活体験
地方での日常的な生活を体験することができます。近くにあるスーパーや娯楽施設、公共交通機関の利用方法などについても丁寧に教えてもらえるため、短時間でも実りのある生活体験をすることができます。
◆ 余暇体験
地域の特徴的な産業や観光施設を楽しむことができます。温泉が有名な地域であれば入浴割引券、陶芸が有名な地域であれば陶芸体験ツアーなど、地域のおすすめ観光を十分に楽しめるようなサポートプランが組まれているところもあります。空き時間に、田舎の大自然をゆっくり満喫することもできます。
◆ 就業体験
地域で行われている仕事を体験し、収入を得ることができます。仕事内容や賃金については地域や職場によって異なりますが、参加者の希望や参加する期間に応じて柔軟に働くことのできるプログラムが組まれています。
◆ 地域コミュニティへの参加
地域の人々とふれあえる地域コミュニティへの参加が組まれている場合もあります。地域の人々と会話をしたり、簡単なゲームやスポーツをして楽しんだりすることで、地域への親密感をより高めることができます。
◆ 見学ツアー
地域の実情や特徴を知ってもらうために、地域の見学ツアーが組まれていることもあります。短時間でさまざまな場所を視察できることに加え、普段では入れないような場所の見学ができる場合もあります。
◆ 行政との相談会
地域での起業を考えている若者向けに、行政との相談会が組まれている地域もあります。ある特定の地域のデータベースや人々の需要などを得るためのよい機会となります。

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参加までの流れ
では、ふるさとワーキングホリデーに参加するには、どのようにすればよいのでしょうか。ふるさとワーキングホリデーに参加するまでの流れについて紹介します。
① ふるさとワーキングホリデーに関する理解を高める
まずはふるさとワーキングホリデーに関する理解を高め、自分が希望している事業であるかどうかを確認してください。
「ふるさとワーキングホリデーポータルサイト」にアクセスすることで、現在対応している自治体情報や、過去の参加者の体験談などを確認することができます。
また、時期によっては各地でふるさとワーキングホリデーの説明会が開催されたり、オンライン説明会が行われたりします。自分の住むエリアやスケジュールに応じて利用してください。
② 気になる自治体や仕事を選択し、情報を集める
ふるさとワーキングホリデーは、行きたい地域や職場を自分で選択することができます。ポータルサイト上で、仕事内容や賃金、地域の特徴、サポート体制などが紹介されているため、しっかりと確認し、自分に合った自治体や仕事を選択してください。
③ 自治体に問い合わせをする
気になる自治体や仕事が決まったら、自治体に問い合わせをします。自治体によっては参加者の条件を絞っていたり、人数が決まっていたり、時期が決まっていたりする場合があるため、かならずしも参加できるというわけではありません。
条件を満たしていた場合は、自治体から参加申し込みのフォームをもらい、記入し提出してください。
④ ふるさとワーキングホリデーを通して学びたいことを整理する
参加するだけでも多くの学びがあるのがふるさとワーキングホリデーです。しかし、より積極的に機会を活かしたいのであれば、期間中に取り組みたいことや学びたいことを整理しておくことをおすすめします。
いざ体験が始まると、時間があっという間に過ぎ去ってしまうこともあります。自分が知りたいこと、体験したいこと、質問したいことなどをリスト化しておくことで、ふるさとワーキングホリデーで得た体験を最大限に活かすことができます。
まとめ
今回は、総務省が推奨しているふるさとワーキングホリデーについて紹介しました。働いてお金をもらいながら地方移住を体験できるふるさとワーキングホリデーは、地方移住を考える人や将来について考えている大学生にとって、非常に魅力的な制度です。
参考:
https://www.soumu.go.jp/furusato-workingholiday/
・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。
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