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公開日:2022.03.15 | 更新日:2022.03.17

法人成りとは?個人事業主が検討する目安とメリット、手続き方法も解説!

ナレッジ起業

個人事業主が法人企業を設立する際に「法人成り」という言葉が使われますが、通常の法人企業の設立とどのような違いがあるのでしょうか。 

本記事では、法人成りの概要に加え、個人事業から法人化に移行する際のメリットやタイミングについて解説します。また、法人成りの手続き方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【目次】

  • 法人成りとは
  • 法人成りを検討する目安
  • 法人成りのメリット
  • 法人成りのデメリット
  • 法人成りの具体的な手続き方法
  • 法人成りをする際の注意点
  • まとめ

法人成りとは

法人成りとは、個人事業主として事業を行っている人が法人企業を設立し、事業を継続することです。一般的な起業や会社設立と異なり、「個人事業主の事業を引き継ぐ」という点がポイントになります。

また、法人成りでは、個人事業主時代の資産や負債に関しても、法人企業設立後に引き継ぎます。新たに法人企業を設立したあとに、個人事業主時代の資産・負債を新会社が引き継ぎ、事業を継続していくのが法人成りのプロセスです。

法人と個人事業主の違い
法人と個人事業主は、開業時の手続き、税金、社会的な信用性といった点に明確な違いがあります。

・開業時の手続き
まず、法人は会社を設立するために法人登記を進めなければなりません。会社の形態によって異なりますが、株式会社の場合だと30万円近くの費用がかかります。一方で個人事業主は、税務署に開業届を提出するだけで個人事業主として開業が認められます。

・税金
次に税金面について、法人企業は「法人税」が課せられています。資本金や所得に応じて税率が変動しますが、最大税率は23.2%です。また、個人事業主は所得税を支払う必要があります。会社員と同様に、所得額に応じて税率が変動する累進課税が適用され、最大税率は45%です。

・社会的信用
法人と個人事業主は、社会的な信用にも違いがあります。個人事業主は法人企業と比較すると、社会的な信用を得にくい点がデメリットです。個人事業主との取引を避けている企業も多く、満足な事業を行えないこともあります。一方、法人企業の場合、金融機関から融資を受けやすくなり、事業の拡大にもつなげられます。

選択可能な法人形態
個人事業主から法人企業を設立する際には、4つの法人形態から選択することができます。株式会社・合同会社・合資会社・合名会社それぞれの違いを紹介します。

株式会社
株式会社は、日本国内における法人企業の約9割が採用している形態です。2006年の新会社法施行によって、資本金1円からでも設立できるようになりました。新株発行や資金調達が容易となるメリットがある一方で、30万円ほどの設立費用や決算公告の義務があるなど、制約が多いという側面もあります。

合同会社
合同会社は、2006年の新会社法で認められた会社形態です。株式会社と比較して、設立の手続きが簡単であることや、設立費用も半分程度しかかかりません。ただし、株式会社よりも認知度が低いことから、社会的な信用を得にくい点がデメリットです。

合資会社
合資会社は、会社の債務に対し無制限の責任を負う「無限責任社員」と、会社の債務に対し出資額までの責任を負う「有限責任社員」から構成される会社形態です。2006年に最低資本金制度が撤廃されて以降、信用、労務、現物出資でも設立できるようになりました。株式会社のように、決算公告の義務がなかったり、会社法に違反しない限りは自由に内部の組織作りを行えたりします。一方で資金調達方法が限られるため、事業拡大が不利となる場合があります。

合名会社
合名会社は、会社の債務に対し無制限の責任を負う「無限責任社員」のみで構成されている会社形態です。個人事業主に近い形態であり、社内での意思決定をスピーディーに行えるほか、全員が平等な議決権を持ちます。ただし、無限責任社員で構成されているため、会社が倒産したときにすべての債務を負わなければなりません。

法人成りを検討する目安

個人事業主が法人成りを検討している場合、どのタイミングで法人企業を設立すればよいのでしょうか。1つ目のタイミングは、現在の売上高で判断することです。課税売上高が1,000万円を超えていると、消費税の納税義務が発生する「課税事業者」が適用されるため、手元に残る利益が減る恐れがあります。そのため、課税売上高が1,000万円を超えることが予想される前に、法人成りを検討しましょう。

2つ目は、現在の事業をさらに拡大したいタイミングです。法人と個人事業主との違いで解説したとおり、両者には社会的な信用での差が大きくあります。法人企業を設立することで社会的な信用が高まり、金融機関・投資家からの資金調達もしやすくなります。

法人成りのメリット

個人事業主が法人企業を設立するにあたり、どのようなメリットがあるのでしょうか。法人成りを検討している方はメリットを確認しておきましょう。

節税効果がある
法人企業に切り替えることで、節税効果を期待できます。個人事業主の場合、全体の売上から経費を引いた金額に対して所得税が発生するため、節税が難しい点がデメリットでした。

一方、法人企業では、法人としての売上から経費や自身への報酬を差し引いた額のみに対して、法人税がかかります。また、自身への報酬にも給与所得控除が適用され、最低55万円、最高195万円の控除が可能です。つまり、個人事業主よりも法人企業の方が節税できる範囲を広げられるということになります。

社会的な信用が向上する
個人事業主よりも、法人企業の方が社会的な信用を獲得できます。会社の概要や役員、資本金といった重要な情報が公開されるため、相手方に対して自社の信用性を評価してもらえます。また、企業によっては個人事業主との取引を避けている企業も多く、事業の拡大を狙うには法人成りをした方が有利に動くことも考えられます。

雇用の確保
法人成りをした場合、従業員に対して社会保険や労働保険などを適用することができます。社会保険が充実していると、新たに従業員を雇用する際に安心感を与えられます。

決算月を自由に決められる
原則として、個人事業主は毎年2~ 3月の時期に確定申告を行わなければなりません。限られた期間内に確定申告を済ませる必要があり、自由度が低い点がデメリットです。一方、法人企業は決算月を自由に決められるため、繁忙期や休暇を取得したい時期などを避けながら決算を済ませられます。

事業を継承できる
個人事業主として働いている場合、病気や家族の都合などに伴い、事業をやめざるを得ない恐れがあります。仮に個人として事業に関する許認可を取得している場合、ほかの人が許認可を継承して事業を継続することはできません。

法人成りをしておくと、法人企業自体に許認可が与えられるため、ほかの人物が事業を継承することができます。自身の事業を家族や友人に継承したい場合は、法人成りをしておきましょう。

法人成りのデメリット

法人成りはメリットがある一方で、デメリットにも注意しなければなりません。個人事業主から法人企業に切り替えることによるデメリットを紹介します。

設立費用が発生する
法人企業の設立には、一定の費用が発生します。株式会社であれば登録免許税や定款認証、社印の作成などで約30万円の資金が必要です。また、法人成りの場合、税務処理が複雑になることから、外部の税理士に依頼する費用もかかる場合があります。

社会保険への加入が義務
法人成りすると、企業で働く従業員と経営陣全員が社会保険に加入しなければなりません。健康保険と厚生年金の社会保険料や、労災保険料など、従業員への賃金以外にも人件費が発生する点に注意が必要です。

事務作業が増加する
個人事業主と異なり、法人企業は事務的な作業が増加します。会計処理や税務処理などは記帳が難しく、自身で行う場合には労力がかかります。もちろん外部に依頼することも可能ですが、その分費用が発生してしまい、十分な利益を確保できない恐れもあります。

税金が増える恐れがある
法人企業は赤字が発生した場合でも、年間7万円の法人住民税を支払う義務があります。個人事業主と異なり、所得の有無にかかわらず、税金を支払う点に注意が必要です。

株主総会を開く手間がかかる
株式会社として法人成りをした場合、年度ごとに株主総会を開かなければなりません。また、取締役会を設置している場合には、取締役会の開催も必要です。手間がかかることが多く、本来の事業に集中しにくいのがデメリットといえます。

法人成りの具体的な手続き方法

個人事業主から法人成りに移行する際には、所定の手続きを進めていく必要があります。ここでは、その手続きの方法を紹介します。

法人設立
法人成りを進めるにあたって、はじめに法人企業を設立します。通常の法人設立と同様に、会社形態の決定、定款の作成、代表者印の作成など、事務的な手続きを行います。

事業・資産の移行
法人を設立したあとは、個人事業主時代の事業や資産を法人企業に移行します。事業については、新たに許認可を必要とするケースもあるため、各自治体で確認しましょう。また、金融機関での法人口座開設や、各種契約における名義の変更も忘れずに行わなければなりません。

法人成りをする際の注意点

法人成りを進める際には、個人事業を廃業する年の確定申告を行う必要があります。例年通り、確定申告を済ませた上で法人での事業に移行します。 

この際に一点注意しておきたいのが、法人に資産を移す際に譲渡所得を計上する場合もあることです。また、確定申告に加え、廃業後1か月以内に事業税の申告も必要となるケースがあります。

まとめ

法人成りは、個人事業主の事業や資産をそのまま移行する際に使われる言葉です。通常の起業と同じように、会社の形態や各種手続きを行った上で法人企業を設立します。 

また、個人事業主から法人化するにあたり、節税対策や社会的な信頼を得られるといったメリットがあります。ただし、法人成りをするタイミングは個人事業主それぞれで異なるため、周りとも相談しながら進めるようにしましょう。

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・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています

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