
公開日:2020.09.17 | 更新日:2021.03.16
テレワークに適した人事評価方法・基準とは?
新型コロナウイルスの感染対策や、新しい働き方として、テレワークを導入する企業が増えています。オフィスワークと異なり、従業員が主体性を持って働けることから、生産性の向上も期待されている制度です。
しかし、従来のオフィスワークで利用していた人事評価だと、テレワークでは適切な評価を行えない可能性があります。本記事では、テレワークを導入する際に、どのような評価制度を設ける必要があるのかを解説します。
テレワークにおける人事評価が難しい3つの理由
テレワーク導入の障壁となるのが、従業員への人事評価ではないでしょうか? オフィスワークのように、従業員が働いている様子を上司が直接確認できないことから、勤務態度や業務内容の評価が困難となります。
また、対面する機会が減少するため、上司とのコミュニケーションに影響を及ぼす可能性があります。コミュニケーションの不足は、従業員だけでなく、会社全体としても不利益となってしまう危険性が含まれているので、注意が必要です。
そこで、テレワークにおける人事評価が難しいといわれる3つの理由をご紹介します。

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① 業務プロセスが可視化されない
テレワークでの人事評価が難しい理由として、オフィスワークのように、従業員の様子を直接見ることができない点が挙げられます。在宅勤務やモバイルワークのように、会社から離れて仕事を行う場合、従業員の業務プロセスが可視化されないため、適切な評価を行えません。
テレワークに移行する際には、従業員の業務スケジュールの管理をしたり、業務が終わった際には報告してもらう決まりをつくったりして、各従業員の仕事を見える形にすると評価をしやすくなるでしょう。
② 評価基準が不明確
テレワークを導入している企業の中には、人事評価の基準が曖昧になっている場合があります。従来のオフィスワークでは、従業員の業務内容をある程度確認できることで、プロセスの評価が可能でした。しかし、テレワークに移行することで、業務プロセスを評価することが難しくなり、成果主義に偏ってしまいがちです。
各部署や上司によって、評価基準がバラバラになってしまう可能性があることから、会社全体として、明確な評価基準を設けることが求められます。
③ コミュニケーションが不足する
テレワークのデメリットとして頻繁に挙げられるのが、従業員同士や上司とのコミュニケーション不足です。会社でいつでも声をかけられていた環境とは異なり、テレワークは従業員個人だけの空間で仕事を行うため、業務内容の悩みや、トラブルが発生した際の意思疎通が難しくなります。また、評価に関する面談自体も、より効果的に内容を伝え、理解する工夫が必要になるでしょう。
テレワークに移行したあとも、それぞれの業務に支障が出ないように、1on1などの定期的なコミュニケーションを行いましょう。明確化した目標に対して、どのような進捗で、どのような課題があるか、継続的なコミュニケーションを通じて、確認をしていくことが重要になります。さらに可能であれば、定期的に対面式の1on1を設けることで、互いの信頼構築やコミュニケーションの効率化も図ることができます。

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テレワークに適した人事評価方法
従業員を適切に評価するためには、テレワークに特化した人事評価方法を取り入れるといった工夫が必要です。オフィスワークで利用していた評価方法でカバーしきれない点や、新たにテレワークで行う仕事に対する評価方法が求められます。
従来の業務プロセスを重視した方法から、個々の仕事の成果を評価したり、各従業員が目標を自分で管理をしたりするなど、新しい人事評価方法が話題となっています。
・成果主義
テレワーク導入後の人事評価として、成果主義を取り入れるのも、選択肢に挙がります。従来では、業務プロセスが人事評価の大部分を占めていましたが、可視化しにくい状況だと、適切な評価を行えません。
成果主義は、それぞれの仕事の成果を評価するため、業務プロセスに依存しない形での運用が可能となります。しかし、具体的な成果を設定できないような職種や、成果が出なかった従業員に対してはフォローを行うことも必要です。
また、極端に成果主義に寄るのではなく、プロセスに対する評価も一定程度残しておくことも検討しましょう。
・MBO
MBOとは、個人やグループごとに目標を設定し、達成度を管理する評価方法です。「Management by Objectives(目標による管理)」を略した言葉で、1954年にP.F.ドラッカーが自身の著書で提唱した組織マネジメントを意味します。
MBOのメリットは、各従業員が目標を達成したか達成していないかを判別しやすくなるため、スピード感のある評価が可能な点です。また、従業員を評価する上司の負担を減らせるほか、業務プロセスを意識しすぎることによる個人の能力低下を防げます。
・バリュー評価
バリュー評価とは、行動評価とも呼ばれており、会社の価値観を理解してどのように行動できたかを評価する方法です。トレンドの変化が激しい現代において、自社が今後も残り続けるためには、従業員それぞれが、会社の価値を向上させるような取り組みを進めなければなりません。
例えば、バリュー評価を取り入れることで、従業員自らが、競合の情報収集や、時代のトレンドに適した自社製品の開発などを積極的に行えます。企業の方針をしっかりと理解し、自分自身の判断で業務を行えるようになることから、人材育成を目的とした人事評価スタイルでもあります。
・ノーレーティング
従業員をランク付けしない評価方法として注目されているのが、ノーレーティングです。従来では、業績や功績、年齢などを考慮し、年度単位でランクによる評価を行い、従業員同士の競争意識を高めることにつなげられていました。
しかし、ランク付けによる評価は、ほかの従業員との相対的な評価が行われるため、適切な人事評価が難しい点がデメリットとされています。
ノーレーティングでは、リアルタイムでの目標設定やフィードバックを行うことで、現時点での成果が評価されやすくなるほか、上司とも密にコミュニケーションを取ることが可能です。

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まとめ
昨今では、1か所のオフィスに依存しないテレワークという働き方が増えてきていますが、一方で、適切な人事評価を行いにくいのが難点とされています。従来のオフィスワークでは、業務プロセスの可視化が難しいことや、テレワーク用の評価基準が曖昧であること、さらにコミュニケーションが十分にできないためです。
そこで、本記事で紹介したような、テレワークに適した人事評価方法を取り入れましょう。従業員個々の成果や企業価値を意識した業務への取り組みを評価することで、会社全体としての成長を見込めます。
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* 2020年9月時点
・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。
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