
公開日:2020.09.18 | 更新日:2021.10.22
成功させるには?オープンイノベーションの目的と成功のポイント5選
近年、海外企業に倣って、日本国内のさまざまな企業が、オープンイノベーションを積極的に行っています。しかし、オープンイノベーションと一般的なイノベーションとの違いを説明できる人は多くないでしょう。
今回は、意外と知らないオープンイノベーションの意味、そしてオープンイノベーションを成功させるための5つのポイントをご紹介します。
オープンイノベーションとは?
オープンイノベーションとは、自社以外の持つリソース(知識や技術など)を取り入れ、新たな製品やサービスを作り出すことを意味します。今では、日本国内でも認識が拡大しているコンセプトですが、もとは2003年に、ハーバード・ビジネススクールの教授であるヘンリー・チェスブロウ氏によって提唱されたことが始まりです。従来のイノベーションをより効率化するための施策として、オープンイノベーションは誕生しました。
オープンイノベーションの主な目的は、外部の知識や技術を積極的に活用し、新たな革新を引き起こすこと。自社のリソースだけでは実現不可能な製品・サービス開発が、オープンイノベーションによって可能になります。
また、従来のクローズドイノベーションとの違いとしては、以下が挙げられます。
・かならずしも自社で優秀な人材を雇う必要がない
・開発や研究まで、すべてを独自で行う必要がない
・自社と他社のアイデアを共有できる
自社で優秀な人材を確保し、一から研究・開発が必要であったクローズドイノベーションと比べて、外部の知識を有効活用できるオープンイノベーションは、より効率的で利益に直結しやすいのが特徴です。

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オープンイノベーションの重要性
顧客のニーズが多様化する今の時代、企業が成功を収めるには、顧客の期待値を超える新しい製品・サービスを提供することが必要不可欠となります。オープンイノベーションは、自社の持つ知識や技術だけにとらわれない製品・サービス開発を可能にするので、多様化する顧客のニーズに応える施策として、有効的といわれています。
2020年に策定された『オープンイノベーション白書(第三版)』のアンケート調査によると、オープンイノベーションを実施することによって、以下のようなメリットがあることが分かっています。
・新規事業の創出
・既存事業の収益向上
・研究開発のスピードアップ
・研究開発費のコストダウン
・新規研究開発の開始
外部の持つ知識や技術を有効活用することにより、従来では難しかった製品やサービスの提供が可能になることはもちろん、その開発にかかる時間と費用の削減にもつながります。
以上の点を踏まえて、オープンイノベーションは、今を生きる企業が、常に多様化し続ける顧客のニーズに応えるために、重要な施策であるといえます。

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オープンイノベーション成功の5つのポイント
昨今では、オープンイノベーションを推進する企業が増えていますが、導入がかならずしも成功につながるとは限りません。ここからは、オープンイノベーションを成功させるための5つのポイントを紹介していきます。
① 戦略・ビジョンが明確
オープンイノベーションを成功させるためには、明確な戦略・ビジョンが欠かせません。ただ単に「外部の豊富な知識や技術を取り入れたいから」という単純な理由だけで、外部と連携するのは危険です。『オープンイノベーション白書(第三版)』では、「企業が目指す目的を果たすために必要な知識や技術を、外部から補完する」というビジョンが不十分なことが、オープンイノベーションの成功をさまたげる要因であると言及されています。
つまり、自社としての戦略や、目的の実現するための手段として、オープンイノベーションを活用することが理想的です。「オープンイノベーションを導入して外部と連携すること」が第一目的となってしまうのは、理想的ではありません。そのためには、オープンイノベーションの戦略・ビジョンを明確にし、社内のトップ層から担当者までが、きちんと把握・共有していることが重要です。
② 担当者の固定
オープンイノベーションの推進・導入を行う担当者は、固定化されていることが理想的です。外部との連携が必須となるオープンイノベーションにおいて、担当者が頻繁に替わってしまうと、効率の悪化やミスコミュニケーションを招き、オープンイノベーションを円滑に進めることが難しくなってしまいます。
オープンイノベーションを導入することが決まったら、会社ごとに担当者を固定しておくと、従業員としても、ストレスなく取り組むことができるようになります。
③ 目的を定めて支援サービスを選択
オープンイノベーションを導入するにあたって欠かせないのが、提携を行うパートナー探しです。しかし、多くの優秀企業の中から知識や技術を提供してくれるパートナーを探すのは、簡単ではありません。
そこで、オープンイノベーションをより円滑に実施するために使用したいのが、オープンイノベーションの支援サービスです。自社の「目的」や「ニーズ」を登録することで、外部との連携に関するサポートを受けることができます。このような支援サービスを活用することは、オープンイノベーションをスムーズに導入する手助けとなります。自社の目的にあった支援を受けられるように、目的を明確にした上で、支援サービスを選択していきましょう。
④ メリット・デメリットの把握
オープンイノベーションを導入するにあたっては、「自社ではまかなうことのできない知識や技術を活用できる」というメリットばかりについ注目してしまいがちです。しかし、メリットだけではなく、オープンイノベーションを導入するデメリットも把握しておく必要があります。
例えば、自社情報の公開が必要不可欠なオープンイノベーションでは、クローズドなイノベーションと比べて、自社の技術やアイデアなどの情報漏洩のリスクが高まることが懸念されます。外部に情報を公開する際には、情報が漏洩してしまう可能性も考え、公開すべき情報と公開にすべきでない情報の慎重な決断が求められます。
また、外部との連携が必要なオープンイノベーションでは、外部とのコミュニケーションにかかる時間や費用といったコストがかかる点も把握しておきましょう。「オープンイノベーションを導入したい」という気持ちばかりが先走ってしまわないように、注意する必要があります。
⑤ デジタルトランスフォーメーション
情報発信技術が急速に発展している昨今では、デジタルトランスフォーメーションを無視した施策は意味がないといっても過言ではありません。オープンイノベーションに関しても、デジタルトランスフォーメーションと並行して実施していくことが必要です。
多くの顧客がデジタルテクノロジーを駆使していることを前提に、デジタルテクノロジーに関する知識が豊富な外部と連携をしていくことが理想的です。

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オープンイノベーションで、自社の目的達成を目指そう!
今回は、オープンイノベーションを成功させる5つのポイントについて紹介しました。自社の持つ知識や技術を超えた製品・サービス開発が可能なオープンイノベーションは、顧客のニーズが多様化する現代において、理想的な施策といえます。
「オープンイノベーションを導入すること」を目的にするのではなく、自社の目的を達成するために、外部の知識や技術を有効的に活用していくことがポイントです。そのほかにも、デジタルトランスフォーメーションを意識した製品・サービス開発などのポイントを押さえて、自社の目的達成を目指していきましょう。
日本企業によるオープンイノベーションの成功事例については、以下記事をご一読ください。
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* 2020年9月時点
** 2020年6月時点
参考:
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sangi/sangakukan_renkei/pdf/004_s04_00.pdf
https://www.nedo.go.jp/content/100918466.pdf
https://linkers.net/
https://jgoodtech2.smrj.go.jp/lp/oi-matchingsquare
・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。
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