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2020.10.02

海外企業の事例から学ぶオープンイノベーション成功のコツ

ナレッジイノベーション創出新規事業企業交流

ビジネスにおいて、グローバルスタンダードになりつつある「オープンイノベーション」。海外企業では、早い段階から本格的に取り入れており、成功事例も報告されています。日本と海外では、オープンイノベーションのとらえ方にどのような違いがあるのでしょうか? 海外企業のオープンイノベーションの取り組みを通して、日本国内の導入への課題や活用方法について見ていきましょう。

そもそもオープンイノベーションとは?

オープンイノベーションとは本来、「企業が自社リソースの提供・公開を通して、他社や異業種と提携を結ぶプログラム」を表します。

ビジネスモデルは現在、世界的に流動化が進んでおり、自社リソースのみに固執していたのでは、業績が低下傾向になってしまう恐れがあります。「ビジネスに国境はない」といわれるように、現代は企業が情報やノウハウ、リソースを抱え込む時代ではなく、企業や業種の垣根を越えて協調し、新たな付加価値を生み出す時代になりつつあります。

このような流れから、海外の先進的な企業は、オープンイノベーションを積極的に取り入れ、自社リソースを次なる付加価値や資産に換えるためのプロジェクトを進めています。

一般的なオープンイノベーションでは、まず、資金の潤沢な大企業がベンチャー企業に資金提供を行い、ベンチャー企業からはノウハウやマンパワーの提供を受ける、という関係が成り立っています。この場合、ベンチャー企業にとっては大企業の潤沢な資金力を一定程度活用できるというメリットがあり、大企業側から見れば、ベンチャー企業の柔軟な発想力やフレッシュなマンパワーを活用できるというメリットがあります。

このように、双方の企業が「win-win」の関係になることがオープンイノベーションのひとつの理想形であり、成功例といえるのです。

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日本国内でオープンイノベーションの導入が進まない要因とは?

残念ながら、海外企業と比較すると、日本国内でのオープンイノベーション導入率はまだまだ低い水準にとどまっています。なぜ、日本では、海外のようにオープンイノベーションが浸透しないのでしょうか? その要因を検証していきましょう。
 

① 従業員の理解度が低い

 
オープンイノベーションを実際に運用するのは現場の従業員ですので、導入にあたってはまず、すべての従業員に周知徹底を行う必要があります。

ただ、日本では、オープンイノベーションの概念がまだ充分に浸透しておらず、オープンイノベーションを、ただ単に「自社のリソースやノウハウを外部に無償で提供する」プロセスとしてとらえている従業員も多いようです。社内の理解度の低さが、オープンイノベーション導入のハードルになっている面も否定できません。
 

② システムが整っていない

 
オープンイノベーションは比較的新しい概念のため、その理念や目的について、充分に理解していない企業も日本では少なくありません。オープンイノベーションを導入し、本格的に運用するためには、システムの準備が必要であり、体制が整っていないところに強引に導入したところで、かえってデメリットの方が大きくなってしまう、というのが現状です。

オープンイノベーションでは、自社リソースの調査、提携企業のピックアップ、提携方法の確立など、いくつかのフェーズが必要であり、ステップごとに専門のセクションを設けて、業務を細分化することで、導入後の成果も飛躍的に上昇します。


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海外での取り組みと成功事例

すでにグローバルスタンダードになりつつあるオープンイノベーション。海外の企業では、オープンイノベーションをどのように導入し、また、どのようなかたちで運用しているのでしょうか。海外企業の導入事例から、オープンイノベーションのポイントについて見ていきましょう。
 

・LEGO(Lego Group)

 
1934年に設立され、現在も世界的にシェアを拡大しつつある『LEGO』。1990年代後半から2000年頃より業績が悪化し始めたことを受け、オープンイノベーションを本格的に導入。

同社は、消費者にアイデアを募るアプローチを取り、LEGOのユーザーコミュニティ「LEGO Ideas」を設立しました。10,000票のコミュニティ投票数を獲得すれば、製品がヒットする可能性があると判断し、商品開発を始める、という手法を取り入れました。

>> 『LEGO』について詳しくはこちら
 

・Samsung(Samsung Group)

 
携帯端末の大手メーカーとして、日本国内でもシェアを拡大している『Samsung』。携帯端末だけでなく、家電製品や精密機器など、幅広い製品の開発に携わっており、オープンイノベーションを活用した画期的な製品開発で、高く評価されています。

オープンイノベーションによって生み出された製品で、国内でも知られているのが『炭酸水の出る冷蔵庫』です。大手ソーダメーカーの『SodaStream』と提携し、炭酸水を庫内で製造できる冷蔵庫を開発し、2015年にリリースしました。

「自社リソースと他社のノウハウを効率的に組み合わせたオープンイノベーション」として、参考にすべき実例です。

>> 『Samsung』について詳しくはこちら
 

・General Electric(General Electric Company)

 
『General Electric』は130年にも及ぶ長い歴史をもつ老舗企業でありながら、かなり早い段階からオープンイノベーションを積極的に取り入れており、新たなビジネスモデルへとつなげています。

マイクロナノ製品の開発・生産のリーディングカンパニーである『Local Motor』との提携によってつくられた『First Build』は、オープンイノベーションを長期的に運用するためのプラットフォームであり、現在進行形で斬新なアイデアを常時募っています。

プラットフォームを運用し続けるのも、オープンイノベーションのひとつのかたちであり、ここ数年で主流になりつつあるかたちでもあります。

>> 『General Electric』について詳しくはこちら
 

・P&G(The Procter & Gamble Company)

 
日本国内では、化粧品やベビー用品のメーカーとして知られている『P&G』。海外では、ヘルスケア用品などの開発も手がけており、オープンイノベーションを積極的に取り入れることで、自社リソースだけでは補えない商品開発を実現しています。

日本でも有名な『プリングルズ』もまた、『P&G』のオープンイノベーションによって生み出された製品のひとつです。『プリングルズ』には、『P&G』の食品部門のノウハウと、イタリアの某メーカーの印刷技術が組み合わされており、イラスト入りの可愛らしいポテトチップスという斬新な商品の誕生へとつながりました。

>> 『P&G』について詳しくはこちら
 

・BASF

 
ドイツ南西部に本拠地を置く『BASF』は、150年の歴史をもち、現在もより効率的な研究開発のために、オープンイノベーションを導入しています。

『BASF』では、オープンイノベーションのためのプラットフォーム「Creator Space」を設立。化学分野だけでなく、スマートエネルギー、都市生活、工学など、幅広い分野のスペシャリストを招聘し、常時最新のトレンドを吸収しています。

>> 『BASF』について詳しくはこちら

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・BMW

 
世界有数のブランドを擁し、自動車および自動二輪車の開発・生産・販売を中心に展開している『BMW』。革新的な製品・サービスを提供するため、スタートアップ企業とのオープンイノベーションを推進、「ドイツ(ミュンヘン)・オープンイノベーションミッション」を実施しました。

『BMW』が拠点としているドイツのバイエルン州ミュンヘンでは、モノづくりに関連するスタートアップが集積。オープンイノベーションミッション期間中には、取り組みを紹介するセミナーを実施し、製造業のデジタル化・ものづくりに資する新たなイノベーションへの活用など、日本の製造業との連携も期待されています。

>> 『BMW』について詳しくはこちら
 

・ユニリーバ

 
『ユニリーバ』は世界最大級の消費財メーカーであり、毎日約9000万世帯がユニリーバの製品を購入しています。『ユニリーバ』では、90以上の研究拠点があり、製品開発に活かすため、新しいテクノロジーを開発。大学や第三者機関とのプロジェクトなど、オープンイノベーションに積極的に取り組んでいます。

『ユニリーバ』中央基礎研究所で開発された最先端技術により、世界各国のニーズに合わせた製品を開発。他の研究所・リサーチチームとも連携し、現在と未来の暮らしを満たすイノベーションを掲げています。

>> 『ユニリーバ』について詳しくはこちら
 

・フィリップス

 
オランダを本拠地とする『フィリップス』は、シェーバー・電動歯ブラシといったヘルスケア製品・医療関連機器を中心とするヘルステック分野のリーディングカンパニー。『フィリップス』は、R&D部門の活動指針として、2010年以降の50%の製品を、他社の製品と差別化すべく、オープンイノベーションを推進しています。

『フィリップス』はオープンイノベーションへの変革を短期集中で推進し、社外組織からの技術取り込み目標を明示。それにより、超小規模の研究所の技術を導入、短期間での開発が可能となり、世界で推計600億円を売り上げる製品開発に成功しています。

>> 『フィリップス』について詳しくはこちら

日本でもオープンイノベーションは浸透する?

日本の企業風土として、他社や異業種に対して閉鎖的という特徴が挙げられており、その体質が、オープンイノベーションが浸透しない理由にもなっています。今後、日本国内の企業がオープンイノベーションを導入し、効果的に運用するためには、まず、オープンイノベーションの目的を整理することが重要です。

オープンイノベーションの目的には大きく、「他社のノウハウの吸収」と「自社リソースの提供」の2つがあります。多くのオープンイノベーションでは、この2つが組み合わされており、「自社リソースの提供と引き換えに他社のノウハウを提供してもらう」という関係になっていることもめずらしくありません。ベンチャー企業にとっては、「大企業の潤沢な資金力やノウハウの提供を受けて業績を安定化させる」という目的もあります。

時代のトレンドだからというだけで、安易にオープンイノベーションを導入しても、成功にはつながりません。導入前にはかならず目的を整理し、自社リソースをリサーチした上で、長期的に運用しましょう。

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まとめ

オープンイノベーションはすでに海外企業のスタンダードとなっており、『プリングルズ』や『炭酸水の出る冷蔵庫』など、画期的な製品開発につながってきました。

日本国内での導入率はまだまだ低い現状がありますが、ベンチャー企業の育成や企業ノウハウの循環という観点から考えても、オープンイノベーションは必須の概念であり、今後は国内での導入も進むと見られています。

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参考:
https://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2017/06/02/1386489_004.pdf#search=’%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3+%E5%B08E%E5%85%A5%E7%8E%87
http://www.mo.t.u-tokyo.ac.jp/kyouiku/2015/150623_Univ%20of%20Tokyo_kougi1_haifu.pdf
https://localmotors.com/press-release/ge-local-motors-partner-pioneer-new-model-manufacturing-industry/
https://www.businesswire.com/news/home/20130214005389/en/Samsung-SodaStream-Announce-First-Ever-Four-Door-Refrigerator-Sparkling#:~:text=The%20Samsung%20RF31FMESBSR%20Four%2DDoor,for%20an%20MSRP%20of%20%243899
https://www.basf.com/global/en/media/news-releases/2016/04/p-16-185.html
https://digital.hbs.edu/platform-rctom/submission/the-missing-piece-how-lego-found-open-innovation-at-a-critical-time/
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/03/cc61ae84347d25df.html
https://www.unilever.co.jp/about/innovation/unilever-research-development/
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/kenkyu_hyoka/pdf/004_s01_00.pdf

・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。

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