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2020.10.08

雇用・採用も転換期?メンバーシップ型雇用はジョブ型雇用に取って代わられるのか

ナレッジ採用強化働き方改善

日本企業では、個々のポテンシャルや性格などが考慮された「メンバーシップ型雇用」が一般的となっています。しかし、少子高齢化などの社会的な変化が起こる中で、企業の継続的な発展を目指すためには、新しい雇用方法が求められます。
 
そこで、注目を集めているのが、個々のスキルを重視した採用方法である「ジョブ型雇用」です。企業に導入されることで、どのような働き方の変化が起こるかをチェックし、自社での取り組み方を検討しましょう。

ジョブ型雇用への移行の背景

日本社会全体で、従来のメンバーシップ型雇用に代わる「ジョブ型雇用」が注目されています。ジョブ型雇用への移行が進んでいる背景として、2020年から大企業で一斉に施行された「同一労働同一賃金ルール」があります。

同一労働同一賃金ルールとは、同じ職場で働いている限り、正規雇用と非正規雇用の従業員間で待遇や賃金格差をなくす、という考え方です。仕事の内容によって、賃金が確定することから、勤続年数がベースとなるメンバーシップ型雇用のままでは、雇用制度として難しくなります。

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メンバーシップ型雇用とは?

スキルが重視されるジョブ型雇用が欧米圏で主流となっている一方で、日本企業では、メンバーシップ型雇用での人材確保が行われています。メンバーシップ型雇用とは、ポテンシャルや人柄などを考慮に入れた上で採用し、入社後にさまざまな部署での仕事を通して、会社へ貢献する人材に育成することを目的とした雇用方法です。

平成25年の厚生労働省『労働経済の分析』によれば、日本では、10年以上同じ企業に属している従業員が50%を超えており、終身雇用や年功序列の考えが浸透しています。メンバーシップ型雇用では、職務内容を限定せずに、幅広い仕事を与えられることから、社内事情に精通した育成が可能です。

ジョブ型雇用とは?

「人に仕事を与える」メンバーシップ型雇用と異なり、「仕事に対して人を割り当てる」のが、ジョブ型雇用です。ジョブ型雇用では、業務内容・勤務地・報酬といった雇用条件が記載された「職務記述書(ジョブディスクリプション)」をもとに、企業と従業員が契約を交わします。

ポテンシャルや人柄などが評価になるのではなく、個々の持つスキルが、自社にとって有益であるかが重視されます。業務内容や勤務地などの条件において、企業と従業員、双方のニーズを満たせることから、入社後のミスマッチを防ぎやすい雇用形態であるといえます。


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ジョブ型雇用への移行によって起こる働き方の変化

従来取り入れられているメンバーシップ型雇用では、会社の規則に基づいてオフィスに出社し、退勤時間まで業務を行うのが一般的とされています。しかし、多様な働き方を可能とするジョブ型雇用を導入するにあたり、企業全体において働き方への変化に対応しなければなりません。
 

変化① テレワークの促進

 
ジョブ型雇用への移行に伴い、在宅勤務やサテライトオフィスの利用といった、テレワーク制度を準備する必要があります。テレワークを進めるにあたり、自宅やフレキシブルオフィスでも、従業員がオフィス環境同様のパフォーマンスを発揮できるように、企業全体が取り組まなければなりません。

業務に関しては、オフィス以外の場所からでも社内システムへのアクセスを可能にすることや、これまで紙媒体で処理をしていた書類の電子化も重要となります。ジョブ型雇用を取り入れることで、個々の多様な働き方に対応しなければならないため、会社全体で、新たなカルチャーへの理解を深める必要があります。
 

変化② 副業・ダブルワークの増加

 
ジョブ型雇用を導入することで、従業員の副業やダブルワークが増加すると考えられます。これまでのメンバーシップ型雇用では、勤務日数や勤務時間があらかじめ決められており、従業はルールに従って、オフィスに出勤をしていました。

しかし、ジョブ型雇用に移行することで、職務記述書の内容によっては、複数の企業で勤務する従業員が増えるとされています。安定の象徴であった終身雇用が崩壊している現在において、同じ企業に長期間属することへの意識が薄れていることから、より、自身のキャリアに対して柔軟性を持たせることが可能となります。
 

変化③ 評価・給与体系の見直し

 
メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に移行する際には、企業の評価制度や給与体系も見直さなくてはなりません。メンバーシップ型雇用では、プロジェクトに対しての取り組み方も評価対象とされるほか、在籍年数や役職に応じて、給与が決められている傾向にありました。

一方、ジョブ型雇用においては、専門性の高いスキルや、職歴問わず、高度な業務を行えるほど、評価が高まることから、従業員のパフォーマンスや成果に対して、適切な給与を支払うシステムを構築する必要があります。十分に給与が支払われていない場合、重要な人材が競合他社へ引き抜かれてしまうことも考えられるため、市場での人材価値をしっかりと見定めることもポイントとなります。
 

変化④ キャリア形成

 
ジョブ型雇用への移行は、従業員のキャリア形成に大きく影響します。一般的に、メンバーシップ型雇用では、入社後、時間をかけながら、社内のさまざまな部署や業務を経験し、会社に貢献できる人材に育つことが目的とされています。

しかし、ジョブ型雇用が定着することで、自身が行った業務に対して、適切な評価が行われることから、昇級や昇格のモチベーション維持が可能となります。また、より好待遇の条件を提示する企業へのステップアップも大いにありえることから、同じ企業に在籍し続けるという現代の雇用状況も、変わっていく可能性があります。

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今後の雇用形態のあり方

欧米を中心に取り入れられているジョブ型雇用は、日本企業の間で注目されているものの、依然として導入が進んでいないのが現状です。メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に切り替えるためには、従来の企業文化や人事制度など、さまざまな点を変更しなければなりません。

とはいえ、企業が持続的な成長を目指すためには、ジョブ型雇用の導入が求められていると考えます。日本経団連も、ジョブ型雇用の働き方を推奨しており、年功序列の見直しや、個々の能力を最大限に活かせるような多様な働き方に対応する必要があります。

まとめ

少子高齢化に伴い、若年層の人口が減少している中で、企業は、自社のニーズを満たす人材を効率よく獲得しなければなりません。ジョブ型雇用は、個々のスキルを重視した採用方法で、短期間で成果を出すことが期待されています。多くの従業員を雇用する余裕がない企業や、入社後の懸念点でもある、従業員とのミスマッチを防ぎたい企業にとって、効果的な雇用体系ではないでしょうか。

今後、早い段階で、すべての企業がジョブ型雇用に切り替わることは考えにくいものの、KDDI株式会社やソニー株式会社など、「仕事に対して人を割り当てる」ジョブ型雇用の取り組みを行っている企業も少なくありません。自社の持続的な成長を進めていくためには、ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の併存など、工夫した採用活動が重要となります。


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参考:
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/13/dl/13-1-5_02.pdf
https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/028_gaiyo.pdf
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2020/07/31/4580.html
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/Jobs/main/info/

・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。

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