
公開日:2020.05.01 | 更新日:2021.03.16
リモートワークにおけるマネジメント – 16のヒント
自宅、カフェ、コワーキングスペース、サテライトオフィスなど、場所はどこであれ
リモートワーク・テレワークの需要はますます高まっています。
リモートワークを取り入れることには、多くのメリットがあります。柔軟な働き方の選択肢を提供し、同時に場所にとらわれない採用活動が可能になることで、優秀な人材を採用することができ、異なる経歴やバックグラウンドを持つ人材の採用によって、職場のダイバーシティを高めることもできます。
反対に、リモートチームの管理には多くの課題が付き物です。
直接顔を合わせる機会が減り、個々の信頼関係を築くのが難しくなりやすくなります。また、リモートワークをする社員がいる場合、マネージャーは彼らの日々のタスクをしっかり把握しにくいのも事実です。
その為、チームが能力を最大限に発揮できるよう、マネージャーは今までと違った方法でコミュニケーション、マネジメントする必要があると言えます。
リモートワークにおけるマネジメント - 16のヒント
1.ビデオ会議ツールやチャットツールを使う
コミュニケーションツールは無数にありますが、その活用はリモートワークの社員のマネジメントには不可欠です。効果的にコミュニケーションをとり、チームの連帯性を感じられるようにするために、用途に合ったツール用いたコミュニケーションを心がけましょう。
ツールの違いを知ることも大切です。例えば、議論を深めたい場合、評価面談のようなセンシティブなシーンにはチャットツールを使うべきではありません。代わりにテレビ会議を使うことをお薦めします。
SlackやGchatといったツールは、迅速なコミュニケーションやカジュアルな会話に最適です。また、Zoom や Google Hangouts などのバーチャルミーティングツールは、チームミーティングには非常に効果的で、リモートワークの社員も同じにいるように感じることができます。ほとんどのバーチャルミーティングソフトは、画面共有ができるので、世界中どこで仕事をしていても、チームは同じ資料を見ることができます。
2.ゴールと期限を設定する
ゴールを明確にしていないと、成功することはできません。テレワーク、リモートワークを導入している場合は特にそうだと言えます。社員が一日の中で行っている業務を把握するのは難しいためです。
プロジェクトに期限を設けることは非常に重要です。例えば、”早めに”というのは1時間以内なのか、今日中なのか、と期限を明確に設定すべきです。
リモートワーク、テレワークを行うの社員に対しては、応答時間や作業時間、コミュニケーションの頻度についてもルールを設定するとスムーズです。これらのルールは、オフィス内の社員向けに設定したものと合わせることで、スタンダードが統一出来ます。

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3.定期的な1on1ミーティングを行う
定期的に1on1ミーティングを行うことで、社員とのつながりを深め、仕事の進捗を確認し、信頼関係を築くことができます。テレワークの場合、同じ空間で働いているのとは違い、ちょっとしたトラブルや悩みを報告する機会が少ないため、定期的にこれらのミーティングを組み、社員が今どんな業務をしているかを常にアップデートすることが大切です。可能な限り、1on1ミーティングは、テレビ会議で、顔を映す形で行いましょう。
4.直接顔を合わせる機会を作る
もし可能であれば、直接顔を合わせる機会を設けることで、士気を高め、リモートワーク、テレワークの社員に対しても、企業の文化やチームとの繋がりを深めることが出来ます。同じエリアにいる場合、週一か隔週での対面のミーティングを設けると効果的です。社員が他県など遠方にいる場合には、年に一度のオフサイト会議やチーム全体での会議を開催することで、より強いチームのつながりを築くことができます。
また、仕事の話をするだけでなく、個人的なつながりを築くためにも、テレワークの社員とも一緒にランチに出かける、もしくはテレビ会議をしながらランチの時間を共にするなど時間を有効活用しましょう。
5.勤務時間が異なる社員のスケジュールに配慮する
誰でも勤務時間外に会議はしたくないはず。
ミーティングの予定を立てる、メッセージを送る、業務の確認をする、といった事はリモートワークをする社員の勤務時間に考慮しましょう。タイムゾーンの異なる国で業務をしてる社員がいる場合は、就業時間外になる社員が交互になるように会議を設定するなど工夫をしましょう。
すぐにメッセージの返答は必要ないと思っていても、送られた側は「返事をしなければ、」とプレッシャーを感じているかもしれません。あらかじめ、勤務時間や対応までの時間をチーム内で明示しておくことで、この問題を軽減することができます。
6.リモートワークの社員が疎外感を感じないようにする
リモートチームのマネージャーが直面している最も大きな課題の1つは、リモートワークの社員がしっかりと会議に参加していると感じられるようにすることです。
リモートワークをしていないチームメンバーが半数以上を占める場合は、特に配慮の必要があります。画面に映っている人と目を合わせ、参加者全員が同じ会議室にいるように感じられるよう、席の配置にも気を配りましょう。
プロジェクトの計画やブレインストーミングのために、その場で会議の予定を組むことは簡単ですが、リモートワーク社員は、ミーティングの招待から漏れていたり、彼らの業務時間外だったりと、会議から取り残されていることがよくあります。
この問題を解決する為に、すべての会議をリモート対応可能なものにするようにしましょう。急な会議を行う必要がある場合は、細かくメモを取って情報をテレワークをするメンバーにも共有し、質問がないか等確認するようにします。

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7.信頼と柔軟性を確立する
リモートワークの社員をマネジメントする立場にいる場合、彼らの日々の業務を常に見ることができないため、信頼関係を築くことが非常に重要です。また、定期的に1on1をすることで、チーム全体の仕事量を把握することができます。
また、柔軟に対応することも重要です。多くのリモートワーク社員は、場所や時間に対して柔軟に対応できる仕事を探しています。これに対して、マネージャーは、社員が自分の都合の良い労働時間を決定し、その時間内に仕事を終わらせることができると信頼し、サポートをすることが必要です。
8.オンボーディングをしっかり行う
新しい仕事を始める際は誰でも不安になるものですが、同僚と同じ空間にいない、同じワークスケジュールでない場合は特にそうです。
オンボーディングのプロセスは、これからの仕事の方向性を決めるものであり、うまくいけば、リモートワークの社員のモチベーションを高めることができます。可能であれば、オンボーディングの期間中、対面での時間も設定できれば、信頼関係が構築され、よりスムーズに行えます。対面の時間が取れない場合は、しっかりとしたトレーニングの資料とオンボーディングのプロセスがある必要があります。
スケジュールが許す限り、最初の数週間は毎日終業時にテレワークのメンバーとの時間を取ることで、疑問を解決する時間を確保することができます。
9.共同作業の方法を見つける
リモートワークの社員に1人でできる仕事を与えるのは簡単ですが、共同プロジェクトを推進することは、チームの士気を高め、リモートワークの社員のモチベーションを上げる良い方法です。
共有のシートを使ってアイデアを出し合ったり、チャットツールを使ってブレインストーミングを行うなど、テレワークを行なっていても同じ作業をする方法はあります。
10.プロジェクト管理ツールを使う
メールでプロジェクトを管理する場合、毎日多くのメールが届く中でそのプロジェクトの進捗を確認することが難しくなります。その代わりに、プロジェクト管理ツール(Asana、Airtable、Trelloなど)を使うと、次のステップや、締め切り、担当者の割り振りについて、チーム内で認識の統一ができます。ほとんどのプロジェクト管理ツールでは、割り当ての変更やコメント、締め切りの設定、ドキュメントの添付などが可能です。
メールでプロジェクトを管理していると、詳細が漏れてしまうことがありますが、プロジェクト管理ツールを使えば、このような煩わしさや混乱がなくなり、リモートワークの社員もプロジェクトの状況を可視化でき、同時にマネジメントもしやすくなります。

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11.それぞれの長期的な目標を設定する
予測とガイドラインを設定するのと一緒に、リモートワークの社員と長期的な目標を設定する必要があります。リモートワークの有無に関わらず、長期的な目標を設定していないと、最低限のことしかできなくなってしまいがち。
社員を巻き込み、生産性を高め、チーム意識を持ってもらうためには、社員がそれぞれの役割にとって成功がどのようなものであるかを理解し、それぞれの目標がチームの目標にどのような影響を与えるかを常に意識させることが重要です。
12.会社全体とチームの目標を伝える
すべての社員が個々の目標を持つべきですが、会社全体またはチーム全体の目標を開示して明確にすることで、個々の目標がどのようにチームや会社全体の目標に繋がっていくのかを社員に理解してもらうことが出来ます。
リモートワークの社員にとっては、自分がチームの貴重な一員であることを認識させてくれるので、これは特に重要です。マネージャーであれば、会社としての大きな目標を何度も聞いているかもしれませんが、その情報が必ずしもリモートワークの社員にまで浸透しているとは限りません。
13.バディ制度を導入する
チームの一部がリモートワークで他のメンバーがオフィスにいる場合、リモートワークの社員とオフィスにいる社員をペアにすることで、リモートワークの社員は、「会社と繋がっている」という帰属意識を持つことができます。また、情報の共有漏れも防ぐことができます。
ここで注意するべきポイントは、ペアを組んでいる社員はあくまで「ペア」という関係を保ち、マネジメント業務とは切り離して行うことが大切です。
14.雑談ができる環境を作る
仕事以外の話題について、カジュアルな会話をすることで、チーム全体に親密さが生まれます。また、雑談の中から生まれるアイディアも多くあるはずです。
各会議のより少し前にオンライン会議に入ってもらい、最近の調子を聞いたり、週末予定を話すなどの方法が取れるかと思います。または、テレワーク、リモートワークの同僚に「一緒にランチを食べながらテレビ会議でおしゃべりしよう」と連絡するのも良いかもしれません。

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15.積極的に評価する
リモートワークの社員は、自分の仕事は見られていない、または評価されていない感じることが多いので、彼らが良い仕事をしたときは、いつもより頻繁に良いフィードバックを伝えましょう。ポジティブなフィードバックは、彼らのモチベーションを高めます。
16.適切な人材を雇う
すべての人がリモートワークに向いているわけではありません。リモートワークをする人材は、より自立し、率先して仕事をすることが求められ、生産的に仕事ができる環境が必要です。
リモートワークをしてもらう可能性がある場合の採用は、彼らが自立して仕事ができるかどうかを事前に確認します。(どこで仕事をするのか、電話をかけることができる静かな場所はあるか?一貫したWiFiへのアクセス環境はあるのか?など)
まとめ
いかがでしたか?
今後も、対面ではなくリモート環境でのマネジメントの必要性がより一層高くなってくることが見込まれます。
マネジメントする人はもちろん、される人にとっても、気持ちの良い関係が築くためのヒントになれば幸いです。
・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。