
公開日:2020.10.20 | 更新日:2021.09.10
週休3日制とは?給与はどうなる?メリット・デメリットと導入企業事例5選!
働き方改革が進むにつれ、テレワークや週休3日制など、より多様で柔軟な働き方を導入する企業が増えています。週休3日制には、メリット・デメリットがあるため、導入は容易ではありませんが、導入することにより、成果を出している企業は多く存在します。
本記事では、週休3日制のメリット・デメリットと、実際に週休3日制を導入している企業の事例をご紹介します。
【目次】
・週休3日制とは?
・週休3日制が注目されるようになった背景
・週休3日制導入のパターン
・週休3日制のメリット
・週休3日制のデメリット
・週休3日制を導入・検討する上でおさえておきたいポイント
・5つの企業事例
・週休3日制の導入、まずは事例をお手本に
週休3日制とは?
ほとんどの企業が、週休2日制または完全週休2日制を採用する中、週休3日制を取り入れる企業が増加していることをご存知でしょうか?
週休3日制とは、その名前の通り、休日をもう1日増やし、1週間あたりの休日を3日にする制度のことです。従来では、週5日の勤務でこなしていた仕事を、週4日で行うということになります。
変形労働時間制を取り入れ、1日あたりの勤務時間を10時間とし、週4日勤務とする企業もあれば、1日の労働時間は8時間のまま、週4日勤務とする企業もあります。また、週休4日制の導入により、給与が減額になることもあれば、そうでないこともあるため、給与水準に関しても、企業によって大きく異なるのが現状です。
週休3日制が注目されるようになった背景
2017年に厚生労働省によって行われた「就労条件総合調査」によると、週休2日制を導入している企業の割合は87.2%、週休3日制を導入している企業の割合はわずか6%ということが分かっています。
多くの企業は、今なお週休2日制をとっているものの、近年では、週休3日制への注目が高まっています。その背景には、「多様な働き方への需要増加」や「従業員の生産性の向上」といった働き方の変化があります。働き方改革の促進にともない、週休3日制がより実現可能な働き方となりつつあるのです。

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週休3日制導入のパターン
「週休3日制」を採用している企業は、以下の3つのパターンのいずれかを導入することが一般的です。
① 1日8時間労働×週4日勤務で給与減
1日の働く時間は8時間で変えずに、丸々休日が1日増えるパターンです。この場合、1日分の給料が減ることになります。
共働きの家庭や仕事量を減らしたいと考えている従業員には人気がある一方で、給料をしっかりと得たいと考える従業員には受け入れられないことがあります。そのため、従業員の理解を得ずに進めた場合は反発が出る可能性もあります。
② 1日10時間労働×週4日勤務で同給与
1日の労働時間を8時間から10時間に増やすことで、週の勤務時間は変えずに週休3日制を実現するパターンです。勤務時間は変わらないため、同額の給料がもらえます。企業によっては8時間を超えた分は残業扱いになり、給料が増えることもあります。
従業員にとってはワークライフバランスを促進できる一方で、長時間労働による生産性低下や心身の疲労などといった問題を招く可能性も考えられます。
③ 1日8時間労働×週4勤務で同給与
休日が1日増えるにも関わらず、出勤日の労働時間は8時間で、かつ給料も同額もらえるパターンです。業績が優れており、充実した福利厚生を導入したい企業などが実施しています。
従業員にとっては理想の働き方になりますが、企業が大きな負担を抱えることになるため、計画的に進める必要があります。
週休3日制のメリット
近年、週休3日制を導入する企業が増えていますが、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか? 企業の視点から見た2つのメリットを紹介します。
メリット① イノベーションの促進
ワークライフバランスの実現が可能な週休3日制では、従業員がしっかりと休息をとり、リフレッシュした状態で仕事に取り組めるため、従来に比べ、画期的なアイデアが生まれやすくなります。
イノベーションには、心身ともに健康で、仕事に対するモチベーションが高い従業員によるアイデアの創出が欠かせません。週休3日制を導入することによって、企業の発展に欠かせない、イノベーションが促進されることが期待できるでしょう。
メリット② 人材不足の解消
週休3日制を導入することにより、「ワークライフバランスの実現」や「プライベートの充実」が可能な企業としての認知が高まり、採用においての強みになります。これにより、人材不足の解消や、優秀な人材の確保が可能になるでしょう。
また、週休3日制では、従業員がプライベートの時間を増やせるので、従業員満足度が高まるともいわれてます。これにより、離職率の減少も期待できます。

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週休3日制のデメリット
続いて、週休3日制を導入することで懸念される2つのデメリットを見ていきましょう。
デメリット① 従来通りの仕事量をこなすための対策が必要
1日あたりの勤務時間を8時間としたまま週休3日制を導入すれば、当然のことながら、1週間あたりの勤務時間が8時間減ってしまいます。
もちろん、勤務時間を短縮することで、画期的なアイデアが出やすくなったり、生産性が上がったりといった効果は期待できますが、1週間あたりの勤務時間が大幅に短縮されることには変わりはありません。
従業員のワークライフバランスを考え、休日を増やすのはいいことですが、従来通りの仕事量がこなせなくなってしまうようでは元も子もありません。企業側は、少ない勤務時間で、従来の仕事量をこなすための対策をとる必要があります。
デメリット② コミュニケーション不足
週休3日制を導入することにより、社外・社内でのコミュニケーション不足が懸念されます。例えば、取引先の企業が週休2日制の場合、週に4日しかやりとりができないため、スムーズにコミュニケーションをとることが難しくなるでしょう。
また、従業員ごとに異なる第3の休日を設けた場合、従来のように円滑にホウレンソウ(報告・連絡・相談)をすることが難しくなります。このように、週休3日制では、社内・社外でのコミュニケーション不足が懸念されるため、導入の際はしっかりとした対策が必要です。

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週休3日制を導入・検討する上でおさえておきたいポイント
週休3日制には、メリットとデメリットの両方が存在します。そのため、導入する際には以下のポイントについてしっかりとおさえるようにしましょう。
ポイント① 給料体系
週休3日制を導入する際、第一に考えなければならないのは給料体系です。給料の額が維持される形であれば、多くの従業員が前向きに検討してくれるかもしれませんが、減額される形だと反発が起きる可能性が高いでしょう。それを踏まえた上で、企業が採用する料金体系を決定する必要があります。
ポイント② 適応者の条件や期間
条件の良い週休3日制であれば、多くの従業員が希望します。そのため、全員に適応させるのか、もしくはある条件に当てはまる従業員にだけ適応させるのかを事前に決めておくとよいでしょう。
同様に、「どのくらいの期間実施するのか」「ライフイベントに合わせて選べるようにするのか」「ある特定の期間だけ週休3日制にできるのか」など、従業員の関心が高い内容についてもできる限り決めておくことをおすすめします。
ポイント③ 仕事の分担や協力体制の構築
週休3日制が開始されれば、これまでの業務分担では対応できなくなる場合があります。重要な案件を担う人材が各曜日に分配されているか、業務時間がずれた場合の連絡をどうするのかなど、生産性を落とさないための戦略も立てておく必要があります。
ポイント④ 副業許可
週休3日制を採用した際によく出る質問が、「副業ができるのか」です。週3日の休みがあれば、週末起業や副業に取り組みたいと考える従業員も多いでしょう。副業に関してどこまで認めるのかについても、経営層の中で検討しておくとよいでしょう。
5つの企業事例
続いて、実際に週休3日制を導入している企業の事例を5つ紹介します。週休3日制の導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
事例① 株式会社ファーストリテイリング
世界中に展開する大人気ブランド『ユニクロ』や『ジーユー』などを展開する株式会社ファーストリテイリングでは、週休3日制を導入しています。変形労働制を利用し、週に4日、1日10時間勤務とすることで、フルタイム勤務と同じ給与を支給しています。
週に3日間、プライベートの時間を確保しつつ、フルタイムの給与を得ることができるので、家族の介護をしている従業員や、語学勉強に励む従業員など、多くの従業員が「この制度には助けられている」と語っています。
事例② 日本マイクロソフト株式会社
日本マイクロソフト株式会社では、働き方改革の一環として、週休3日制をトライアル導入しています。これは、「従業員が自らのワークライフの事情に応じて、働き方をチョイスできるように」という想いが込められた制度です。
2019年夏のトライアル導入後、社内で行われた従業員アンケートでは、満足度92.1%という結果が出ています。
事例③ ヤフー株式会社
ヤフー株式会社では、従業員の多様な働き方を支援すべく、「選べる勤務制度」を導入しています。「選べる勤務制度」とは、従来の完全週休2日制に加え、1週間あたり1日の休日を設けられるという制度です。
この制度の特徴としては、育児と介護を理由に、休日を取得したい従業員が、月単位で休日の申請・変更が可能なことが挙げられます。この制度を利用して取得した休日の給与は無給となってはいるものの、従業員の多様な働き方を可能にしています。
事例④ ヤマト運輸株式会社
ヤマト運輸株式会社では、2019年9月より、従業員がライフステージに合わせて勤務形態を選べる「労働日数・時間選択制度」を導入しました。人材不足の解消と、従業員のライフステージに応じた働き方の実現を目標に導入された制度です。
育児や介護といった条件を満たした従業員に、勤務体系の選択肢が与えられ、従業員は週休3日、または週休4日から選ぶことが可能です。
事例⑤ TOKYO BIG HOUSE株式会社
戸建て住宅の販売を行うTOKYO BIG HOUSE株式会社の不動産営業チームでは、週休3日制が導入されています。同社は、ワークライフバランスや仕事に対するモチベーションの低下を防ぐために、週休3日制度をはじめ、さまざまな働き方改革を導入しています。
そんなTOKYO BIG HOUSE株式会社では、営業チームの半数を対象に、月曜日・火曜日・水曜日の3日を休日とする「週休3日制」を、2019年8月より導入しました。長時間労働が懸念される不動産業界のイメージをくつがえすことと、従業員の幸福度の向上を狙いとしています。
週休3日制の導入、まずは事例をお手本に
ここまで、週休3日制のメリット・デメリットと、実際に導入済み企業の事例を5つご紹介しました。
週休3日制を導入することによって得られるメリットは大きいものの、デメリットも存在するため、導入にはしっかりとした目的と対策が欠かせません。週休3日制の導入を計画する際は、企業の事例を参考にするといいでしょう。
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参考:
https://www.fastretailing.com/employment/ja/uniqlo/jp/career/regional/threeday_weekend/
https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2017/03/31a/
https://www.yamato-hd.co.jp/news/h30/h30_48_01news.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000045754.html
https://news.microsoft.com/ja-jp/2019/10/31/191031-published-the-results-of-measuring-the-effectiveness-of-our-work-life-choice-challenge-summer-2019/
・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。
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