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2020.06.23

オンラインイベントレポート – これからのプログラミング教育とは?

EVENT REPORT業種イノベーション創出企業交流

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、リアルイベントが制約を受ける中でも、 WeWork (ウィーワーク)では、活発にオンラインイベントによる情報発信や交流を行っています。テーマは多岐に渡り、今回ご紹介するような教育に関するイベントも多く開催されています。
また、多くのイベントの中から、興味のあるイベントに無料で参加できるのも特徴です。

今回は、教育分野で話題となっている「プログラミング教育」がテーマ。
株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の田中章愛氏をゲストにお招きして、自身が開発を主導した、楽しくプログラミングも学べるおもちゃ、toio™(トイオ)のプレゼンテーションや、開発エピソードをお話いただきました。
 
               取材:Innovation Formula実行委員会(MGT田口雅典、稲垣 章)

プログラミング教育必修化の背景

2020年から、小学校でのプログラミング教育が必修化されることになりました。目的は2つあると言われています。
コンピューターを使う上での基本的な操作を学ぶこと、そして、コンピューターを動かすための論理的な思考力を養うことです。

2つ目のコンピューターを動かすための論理的な思考力とは、「順序立てて考え、工夫し、試行錯誤して解決する力」と言い換えることができます。
社会のグローバル化、デジタル化が進む中、そこで生活し、働く私たちにも「論理的思考」が欠かせなくなっているのです。

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Freepik

子どもからオトナまで あそんでまなべる「toio」とは?

今回、田中氏が紹介したのは、あそぶような感覚でプログラミングを身に付けられるロボットトイとして、SIEがリリースした「toio」。今年から小学校でプログラミング学習が必修化されるいま登場したタイムリーさはもとより、まったく新しい「あそびのプラットフォーム」としての機能に注目が集まっていると、田中氏は言います。

「toio」は、パソコンからプログラミングで高度な指示を出し、モーターを内蔵して自走するコアキューブを自在にコントロールできるだけでなく、PCを操作したことのない子どもでも楽しめるよう、例えば「右へ曲がる」など、カードに描かれた指示を組み合わせることでも操ることができ、プログラミングを直感的に理解できるのが特徴です。

子どもから大人まで楽しめる、3つのステップ

本格的にプログラミングを学ぼうとするオトナまでをも引き込む「toio」には、3つのステップがあると田中氏は説明します。

最初は、小学校のプログラミング教育において「アンプラグド」とも呼ばれている基本のステップ。
今回、プログラミング学習が必修となった小学生の、低学年をユーザーとして想定したもの。

まだパソコンをさわったことがないユーザーが、専用タイトル「GoGoロボットプログラミング」を使用することで、パソコンがなくてもプログラミングに必要な「順次、分岐、反復」などの基本的な仕組みが直感的に分かるステップです。

2つ目のステップとなるのが「ビジュアルプログラミング」。
近年注目を浴びる、視覚的なオブジェクトを組み合わせてロボットに命令を与えるプログラミング言語で、専門的な言語を記述できなくても、パソコンの基本的な使い方が分かっていれば、比較的複雑な命令も、画面上でパズルを組み合わせるよう行えます。
このステップで主に想定される対象は、小学校中学年から高学年以上の子どもたちです。

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「toio」公式画像

3つ目のステップは「JavaScriptライブラリ」。
対象は中学生以上をイメージしており、ここでは代表的プログラム言語であるJavaScriptを用いた本格的なプログラミングを行います。

より高度なAIやロボットの研究を行う人にとって有益なのは、これまでさまざまな人が書いたプログラムが「toio」でいつでも参照できることだと田中氏は言います。

参加者からは、「プログラミングはパソコンがないとできないと思っていた」という声があり、それに対して田中氏は「お子さま用のパソコンがない家庭にこそ使っていただきたいです。プログラミングを学ぶ前にパソコンの使い方を覚えるのは大変です。まずは直感的にプログラミングの楽しさや基本的な考え方を知ってもらいたいですね」と思いを語りました。

開発秘話。「放課後活動」から生まれたアイデア

デモが終わると、話は「toio」開発のストーリーに及びました。

「toio」のプロジェクトの出発点は、ソニーの放課後活動でした。この部署や専門分野の垣根を取り払った場で、ソニーCSLのインタラクション研究者のアレクシー・アンドレさんと出会いました。
アレクシーさんは、人がなぜゲームにはまるのかなど、ゲームと人の間に存在する心理を掘り下げ、深いインサイトをもたらしてくれる研究者です。
そこで私たちは、”自分でつくったキャラがロボットになって実世界でゲームをしたら面白い”という話で盛り上がり、子ども向けのプログラミングにも使えるおもちゃの発想へとつながりました。しかし、開発はさまざまな難題にぶつかって行き詰まり、アプローチを変えてソニーの新規事業創出プログラム『Seed Acceleration Program』に応募・採択され、社内ベンチャーの1つのような形でようやく立ち上がりました。」

「toio」はテクノロジーの結晶です。
中でもキーテクノロジーとなっているのは、自走する「toio™️ コア キューブ 」の絶対位置検出機能です。

これはクルマでいえばGPSのようにその場の位置をデジタル情報として知ることができるもので、toioの場合はシートに印刷された特殊パターンをセンサーで判別し、現在位置と角度を正確に検出することができます。
こういった技術を研究開発しながら体験を作ってきたことこそが、「放課後活動」から現在の製品化された技術に至る、試行錯誤の結晶といえます。

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「toio」公式画像

現在「toio」は、プログラミングをはじめようとする小学生から、高度なプログラミングを楽しむ大人まで、多くのファンを巻き込んでいます。また、大人では作品を作って楽しむコミュニティもできあがりつつあるといいます。

「toio」からスタートするストーリーは、まだまだ始まったばかりです。

最後に

今回のように、イベントに参加し、新しい技術やサービスに触れたり、学んだりすることは、知見を深め、視野を広げることにつながります。
また、今回ご紹介した「toio」のように、最先端の話題をWeWorkのイベントとして取り扱うことで、ビジネスや生活に良質な気付きを与えるきっかけを作っています。

ビジネスに関係することだけでなく、「パパママ会」や「ファミリーデー」といった、親子揃って参加できるようなイベントが多数開催されているのも注目です。
今後も、イベントに参加することが、WeWorkを利用する一つ大きなメリットとなるよう、話題のコンテンツや、メンバーのプライベートに有益になるようなトピックを積極的に取り入れて参ります。

ぜひ一度、お問い合わせください。

田中 章愛氏
株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント T事業企画室課長/toio開発者 学生時代からロボットづくりに没頭。高専時代にNHKが主催するロボコンの全国大会に出場、 大学生ではRobocup Rescue世界大会にも出場した経験を持つ。
ソニー株式会社の新規事業として、子どもの創意工夫を引き出すロボットトイ「toio™️(トイオ)」の事業開発と商品企画 を担当。2019年NHK高専ロボコン全国大会および小学生ロボコンの審査員を担当。
自身も二児の親として「toio」を楽しくつくって、あそんでいる。

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