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公開日:2020.11.10 | 更新日:2021.03.16

WeWorkとHubSpotが考える、ニューノーマルな時代に企業が成長し続けるためのヒントとは?

イベントレポートオフィス分散働き方改善オフィス運用コスト削減

2020年10月某日、WeWork Japan 合同会社とHubSpot Japan株式会社の2社による合同ウェビナーが開催されました。本ウェビナーでは、コロナ禍においても、企業が成長し続けるために必要な環境整備のヒントを、オフライン・オンラインの両面からお話いただきました。

ニューノーマルな時代における企業活動の変化

最近は、日常の生活においても、ビジネスの場においても、「ニューノーマル」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。いわゆるコロナ禍における企業の活動では、このニューノーマルへの対応が急務となっています。

この急速に変化するビジネス環境に対応すべく、多くの企業で、テレワークやオンライン商談の導入、イベントのオンライン開催などが積極的に行われています。それに伴い、働く場所に関わらず、顧客にとって価値のあるビジネス活動を行うための仕組みを構築することが、前にも増して重要になりました。

本ウェビナーでは、「Grow from Anywhere 〜ニューノーマルな時代において企業が成長し続けるためのヒント〜」をテーマに、WeWork Japan 合同会社の最高戦略責任者 髙橋 正巳氏(以下:髙橋氏)とHubSpot Japan株式会社の共同事業責任者 兼 シニア マーケティング ディレクター 伊佐 裕也氏(以下:伊佐氏)の2名を登壇者に迎え、力強いメッセージを発信いただきました。

ニューノーマル時代の到来は、働き方やオフィスのあり方全般における転換期

イベント風景

ウェビナーの第1部は、WeWork Japan 合同会社で最高戦略責任者を務める髙橋氏による、「ニューノーマル時代におけるオフィスの考え方」の講演からスタート。

冒頭では、2020年6月時点で、東京都におけるテレワーク導入率が55%を超えていることに触れ、2019年と比べると約2.3倍であることを紹介しました。

「新型コロナウイルスの影響で、世の中には多くの変化がありましたが、働き方においても同様です。何もなければ数年かけて起こるような変化が、一気にやってきました。このウェビナーもそうですよね。1年前だったら、登壇者と参加者が全員別々の場所からオンラインでセミナーに参加する形式は、考えにくかったと思います。でも、コロナ禍においては、こういったウェビナーやテレワークが、ニューノーマルとして広く浸透しています」

そして、現状を踏まえたニューノーマル時代の働き方について、以下のように見解を展開しました。

「今はテレワークが広がりを見せていますが、これは一時的なことでしょうか?それとも恒久的なことでしょうか? 今、訪れている働き方の変化が、アフターコロナにおいて、従来通りに戻ってしまうのかというと、私は必ずしもそうではないと思っています。アンケートでも、約半数の企業が『アフターコロナにおいても、従来のオフィス勤務とテレワークの両方を使い分ける想定である』と答えています。これは、多くの人がオフィス勤務とテレワークの両方を経験したことで、“生産性”や“働き方の多様性”といった、ポジティブな面が見えてきているということではないでしょうか」

また、多くの人が体験した在宅勤務については、「環境整備の難しさ」や「コミュニケーション不足」といった課題も見えてきていることに触れ、これらを解決するためにも、企業は今後、より多様な働き方を取り入れていくべきだと続けました。

「これからの働き方を考えるときに重要なのは、企業が多様化する働き方を受け入れ、従業員が働きやすい環境を整えること、そして、従業員の生産性を上げ、満足度を高められる環境を構築することだと思っています。人々のオフィスに対する意識は、大きく変わってきています。今までは『毎日オフィスに行くこと=仕事』と見なされてきた部分がありますが、これからは、働き手側が仕事の内容に応じて最適な場所を選択する、という時代がやってきます。それに応じて、企業もオフィスのあり方を見直さなければなりません。多様な働き方が実現することのメリットは、働き手だけでなく、企業にもあるのです。例えば、オフィス勤務とテレワークをうまく取り入れることで、オフィスの占有面積を縮小し、運用費用を削減することも可能になります」

オフィス運用については、すでに舵切りを進めている企業も多いとのこと。今後は「多様な働き方の実現」と「オフィス運用費用の削減」、この2つのバランスを見ながらオフィス戦略を立てていくことが重要だと語りました。

最後は、契約の柔軟性からフレキシブルオフィスとして注目を集めている WeWork について紹介し、新時代の働き方について、以下のように発信しました。

「今後は、オフィスと自宅という選択肢だけでなく、オフィスの縮小や分散によって、サテライトオフィスをはじめとした『サードプレイス』をつくることがポイントになってきます。WeWork は、月単位契約可能、1名から数百名契約可能といった柔軟なオフィスソリューションをご提案しています。そして、オープンな共用エリアに電話ブース、大小さまざまなサイズの会議室、専用オフィスなど、バラエティ豊かなワークスペースをご用意しています。サテライトオフィスを活用することで、従業員一人ひとりが、仕事内容に応じて最適な場所を選択しながら働ける環境を整備できます。WeWork なら、ABW(Activity Based Working)が実現可能なのです」

買い手のニューノーマルに合わせて、優れた購買体験を提供していくことが重要

イベント風景

続いて、第2部では、HubSpot Japan株式会社で共同事業責任者 兼 シニア マーケティング ディレクターを務める伊佐氏が「顧客に価値を提供し続けるためのオンラインでの仕組みづくり」について講演しました。

まずは、HubSpot Japan株式会社の事業内容についての紹介からスタート。

「HubSpotは、『インバウンド』の思想に基づいた、マーケティング・セールス・カスタマーサービスを支援するクラウド型ソフトウェアを提供しています。現在は、世界120か国、86,000社以上にご利用いただいています。我々の事業は、マーケティングツールの提供から始まりましたが、その後、セールス向けのツール、サービスサポート向けのツールなどを生み出し、今や包括的なCRMプラットフォームへと進化を遂げました。さまざまなアプリとの連携もしており、ビジネスのニーズに合わせて、システムを組み合わせることができるのが特徴です」

そして、購買行動の現状に関して、以下のように続けました。

「我々が大切にしている『インバウンド』の思想の根底にあるのは、“相手から価値を受け取る前に、こちらから価値を提供する”という考え方です。インターネットの普及により、買い手の購買行動は大きく変化しました。買い手はインターネット上で自ら情報を探すようになり、企業が一方的に発信する情報を必ずしも信用しなくなってきたのです。だからこそ、顧客に価値を提供し続けるためのオンラインの仕組みづくりが重要なのです。買い手側の変化を把握し、それを受けて、情報発信する仕組みを構築することが大切だと思っています」

また、全世界のHubSpotユーザーのうち70,000社を超える企業データの統計から見えてきた、コロナ禍で起きているマーケティング活動の3つの変化について触れ、それらに対するマーケティング・営業体制の構築ポイントを解説しました。

1つ目の変化は、買い手の情報収集と売り手の情報発信、両方がオンラインで活発化していることです。これに対しては、オンライン上で『見つけてもらった』後、マーケティング施策により、適切に見込み客をフォローする仕組みを構築することがポイントになります。具体的には、ウェブサイト上の問い合わせフローの整備、営業部門への引き渡しフローの整備、ダウンロードコンテンツの作成などです。

2つ目の変化は、新しい情報収集チャネルとして『チャット』が存在感を増していることです。これに対しては、企業ウェブサイトやオウンドメディアへのツール導入によるチャットの活用や、企業SNSを活用し、買い手が求めるチャネル(オンライン)でしっかりコミュニケーションを取れる仕組みを構築することがポイントとなります。

3つ目の変化は、営業担当者の連絡手段が電話からメールになり、取引(商談)の成約数が低下していることです。これに対しては、営業コミュニケーションの質の向上がポイントになります。例えば、システムを導入することで、マニュアル作業を減らし、商談の質の向上に注力できるようにしたり、顧客をセグメント化して、それぞれに適切な連絡を行ったりするなど、工夫できることはいろいろあります」

最後には、インターネットの普及や新型コロナウイルスの感染拡大などによって、世界がどれだけ変わっても、顧客体験の重要性は変わらないと認識しておくことが大事である、と強く訴えかけました。

「売り手中心から、買い手中心の思想への転換が必要です。買い手にとって適切な情報を、適切なタイミング、適切なチャネルで届ける仕組みを構築することが大切だと思っています。つまり、買い手のニューノーマルに合わせて、優れた購買体験を提供していくことが重要なのです」

ニューノーマルな時代において、企業がすべきこと

第3部では、参加者に質問を投げかけ、選択式で回答をしてもらう、参加型のパネルディスカッションが行われました。テーマは4つあり、それぞれの回答結果は以下の通りとなりました。

質問1

【回答結果】
毎日・・・65%
週3-4日・・・22%
週1-2日・・・3%
月5日未満・・・6%
なし・・・4%

質問2

【回答結果】
毎日・・・41%
週3-4日・・・24%
週1-2日・・・18%
月5日未満・・・2%
なし・・・15%

質問3

【回答結果】
1位・・・従業員間のコミュニケーションロス
2位・・・勤怠管理や評価方法
3位・・・リモートワーク環境の整備

質問4

【回答結果】
1位・・・それぞれの働き方にあったフレキシブルな働き方を選択可能にしてほしい
2位・・・どの場所からでも円滑にコミュニケーションを行えるようにしてほしい
3位・・・リモートワークの設備を整えるサポートをしてほしい

上記の通り、現在も85%の人がリモートワークを実施しているという結果になりました。加えて、「リモートワークの課題や難しいと感じることは何ですか?」という問いに対しては、「従業員間のコミュニケーションロス」、次いで「勤怠管理や評価方法」という課題が浮き彫りに。また、「リモートワーク実施にあたり、理想が叶うとしたら、会社に求めたいことは何ですか?」という問いに対しては、「それぞれの働き方にあったフレキシブルな働き方を選択可能にしてほしい」 、次いで「どの場所からでも円滑にコミュニケーションを行えるようにしてほしい」という回答が上位を占めました。

この傾向と課題に対して企業がすべき対策として、髙橋氏と伊佐氏は、次のような項目を挙げました。

◆ チャットツールやWeb会議システムを活用し、日頃の従業員間コミュニケーションを強化する

◆ 定期的な1on1などの時間を設けることに加え、オンラインランチ会やオンラインブレスト会議などを企画し、意識的に幅広いトピックにおいて交流・会話できる機会をつくる

◆ 本社はラーニングやディスカッションを中心としたインプットをメインに行う場とし、サテライトオフィスや自宅は各自の業務やタスクを中心としたアウトプットをメインに行う場とするなど、オフィスのあり方を再定義し、多様な働き方を実現できる環境を構築する

ニューノーマルな時代において企業が成長し続けるためのヒント

ウェビナーの最後には、髙橋氏と伊佐氏が「ニューノーマルな時代において企業が成長し続けるためのヒント」について総括。両者の熱いメッセージで締めくくられました。

髙橋氏:企業にとっては、やはり人材がとても重要です。人は、充実してやりがいを感じているとき、ビジョンがクリアで共感しているとき、一緒に働くメンバーと繋がりを感じられて一体感を感じているときには、どんどん前向きに仕事に取り組みます。そして、それが企業の成長にもつながります。だからこそ、企業が考えるべきは、その一人ひとりが、いかにワクワクしながら仕事ができるか、という点に尽きると思うんです。それを踏まえて、働く環境を整備していくことをおすすめします。

伊佐氏:働く人の環境や買い手の環境が変わっていく中で、企業も変わっていかなければならないと思います。変化にどうアジャストしていくかが大事ですね。今のこの状況を後ろ向きに捉えるのではなく、新しいチャレンジだと思って、いろいろ試してみてください。トライしてみることで、例えば「これはオフラインよりもオンラインの方が向いているかも」といった、ポジティブな気付きもたくさん得られます。変化を恐れずに、チャレンジしていくマインドが、今まさに求められていることではないかと思います。

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【登壇者プロフィール】

WeWork Japan 合同会社 最高戦略責任者 髙橋 正巳

シカゴ大学卒業後、ソニーに入社。2007年パリ転勤。2011年にINSEADでMBAを取得後、シリコンバレーで勤務し、ベンチャー企業の発掘、買収・投資案件に従事する。2014年に Uber Japan入社、執行役員社長として日本における事業展開を牽引。東京でUber Eatsを立ち上げ、過疎化が進む地域で住民の移動を支える実証実験を手がける。2017年に WeWork Japan入社、日本事業の立ち上げと拡大を指揮し、2020年より現職。

HubSpot Japan株式会社 共同事業責任者 兼 シニア マーケティング ディレクター 伊佐 裕也

DELL、SONY,Googleなどのグローバル企業でマーケティング業務に従事。GoogleではSMBマーケティングチームを統括し、中小企業向け事業におけるインサイドセールス・マーケティング体制の構築を行う。その後クラウド会計ソフトのfreee、クラウドロボティクスのRapyuta Roboticsにて日本初のBtoBスタートアップ企業でのマーケティングチームを統括。2018年より現職。

・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。

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