イノベーションを生み出すコミュニティ設計とは
2021.01.08

イノベーションを生み出すコミュニティ設計とは

イベントレポートイノベーション創出コミュニティ形成

目まぐるしい技術革新によって、人々の生活様式が大きく変化し、ビジネスのあり方も激変している。大企業に求められているのは既存事業への依存からの脱却と、新たな生活様式やニーズに合わせた新サービスを生み出すイノベーション創出だ。新事業の可能性を模索する取り組みの中でも最近は「コミュニティ」づくりが注目されている

自社内だけでなく、他社やスタートアップ、アカデミアなど異業種、異分野とともに革新的なビジネスモデルやサービスを生み出すオープンイノベーションの取り組みでも、コミュニティスペースの開設やSNS活用など、「コミュニティ」は重要な要素とされている。

 

そこで今回、NewsPicksの法人向けサービス「NewsPicks Enterprise」とWeWorkの共催で「大企業のためのイノベーションを生み出す次世代コミュニティ設計」と題して配信イベントを開催。NewsPicksアプリの導入を通じて企業内の変革人材の創出や社内のつながりを促進する「NewsPicks Enterprise」と起業家向けのコワーキングスペースを提供する WeWork が培ってきた知見から、人と人との出会いによるイノベーションの可能性や、コミュニティを活性化させる仕組みづくりについてディスカッションしました。自身も起業家であり、企業内のインキュベーションを数多く手掛けてきた株式会社アルファドライブCEOの麻生要一さんが進行をつとめました。

登壇者紹介

イノベーションを生み出すコミュニティ設計とは 登壇者紹介

■加藤 俊輔さん
NewsPicks for Business Cultivating Architect Team 組織変革ストラテジスト

■田渕 恵理子
WeWork Senior Manager, Community Strategy and Operations 

■麻生 要一さん(MC)
株式会社アルファドライブ 代表取締役社長 兼 CEO

イノベーション創出への取り組み

アルファドライブ 麻生さん:
まずはそれぞれの企業の取り組みについてお話しいただけますか?

WeWork 田渕:
WeWorkは「誰もが自分らしく働き、共に挑戦できるコミュニティを創造する」という、まさにコミュニティイノベーションをミッションに掲げている企業です。世界中にフレキシブルなオフィスを展開しています。私たちの強みが、世界60万人以上、国内にも2万3000人のメンバー様がいらっしゃることです。スペースおよびコミュニティ、この掛け算によって、独自の価値を提供させていただいております。

WeWork 施策説明

コミュニティ施策を4つご紹介させてください。
1つが「WeWork commmune」。個人アカウントを持ち、オンラインで入居メンバーの皆さんとつながっていただくことができます。
2つ目に「コミュニティアンバサダー」。メンバーさんにサポートいただき、一緒になってコミュニティを盛り上げていくプログラムを展開しています。
そして「Weサークル」。ワインやカメラなど、同じ関心を持つ方と個人でつながることが、その先のビジネスに発展することがあります。
最後に「サービスストア」です。入居メンバー限定のサービスを50以上展開しており、サービスの認知度向上のお手伝いもしています。

また、これに加えて最近ローンチさせていただいたサービスに「Connect by WeWork」があります。これは「新時代のつながりで、ビジネスが加速する」というコンセプトで、オンラインとリアルでビジネスのマッチングをします。
具体的には、まず各拠点に常駐するコミュニティチームが、各企業様のビジネス課題をヒアリングします。そして、独自のデータベースを活用してメンバー同士をつなぎ合わせたり、パートーナー様のサービスご紹介やイベントのマッチングをさせていただきます。
これにより、企業規模、業界・業種、拠点を越えたつながりが実現しています。

NewsPicks 加藤さん:
NewsPicksは「国内最大規模の経済ニュースプラットフォーム」です。アプリ上で、厳選した経済ニュース に加え、 NewsPicks独自の編集部が取材をしたオリジナル記事や、経済をテーマとした動画コンテンツなどを提供しています。現在、560万人ほどの会員がいます。特長は「プロピッカー」という制度です。プロピッカーとして認定されたさまざまなジャンルの専門家が、ニュースを個々の観点から読み解きます。ビジネスパーソンに必要なインプットを重層的に得られるとご好評をいただいています。

そして我々が手がける、法人向け事業のNewsPicks for Businessでは、NewsPicksの仕組みやアセットを用いて、企業のインナーコミュニケーションを活性化させ、企業内の変革人材創出を加速させる学びと繋がりのプラットフォーム「NewsPicks Enterprise」を提供しております。

NewsPicks Enterprise 説明資料

加えて、自律型人材を育成するための動画学習サービス「MOOC Enterprise」も企業のみなさまに提供しております。最前線で活躍する有識者が経験した実践知、最先端のテーマを「いつでも・どこでも」動画で学べることが特徴です。

このように、NewsPicks Enterpriseは、イノベーションを生み出せる企業へ体質転換する支援をさせていただいています。アプローチは大きく2つ、社員の「学び」と「繋がり」を軸としています。

「学び」については、世界のトレンドや最新動向をニュースや動画コンテンツでインプットするだけでなく、コメントによるアウトプットで深めていきます。NewsPicks Enterprise上ではインプットとアウトプットが同時にできる空間があり、実際にユーザーの方からはアウトプットすることでニュースの見方が変わったとの声をいただいています。

そして、この「学び」を組織全体に広げていく「繋がり」。火のついた社員が同じ目的や意義を共有できる仲間とつながり、対話を重ね、熱量をお互い伝播し合って学んでいきます。こうしたことがイノベーションを生む土壌づくりに必要だと信じています。

オープンイノベーションのためのコミュニティ設計について

アルファドライブ 麻生さん:
オープンイノベーションは、どのようなコミュニティだと上手くいくのでしょうか。

NewsPicks 加藤さん:
企業内のコミュニティづくりをご支援させていただいている中で、大きく3つのポイントがあると感じています。

コミュニティ作りのポイント

まず1つ目が、何のために集まったのかを皆で共感すること
2つ目が、誰かに依存するのではなく、お互いが持っているアセットを提供し合うこと
最後に、場や機会やコンテンツの設計が大事だと思っています。

アルファドライブ 麻生さん:
1つ目におっしゃっていた「企業内コミュニティの目的」には色々な粒度があると思います。「絶妙な抽象度」がまさに肝なのだと思いますが、必要以上に具体的である場合は一体どうなってしまうのでしょうか

NewsPicks 加藤さん:
2つあると思っています。

1つは分断を生む可能性があること。関係者がはっきりするので孤立してしまいがちです。企業内で情報格差が生まれ、エンゲージメントの低下につながるリスクがあります。もう1つは可能性が閉じてしまうこと。自分たちの強みや弱みも、抽象度を上げると見え方が変わってきます。いろんなことを始めていくためには、一定の抽象度で、より共感できるコミュニティの目的やメッセージを打ち出していくのが重要かなと思います。

WeWork 田渕:
私も同じ意見です。目的がクリアな方には、ビジネスをマッチングするサービスでサポートがしやすいですが、実際は、まず何をしたらいいのか、からスタートする方も多いです。その場合は、イベントでもそれこそテーマが決まっていない、緩く小さくつながる場所を提供しています。知見やつながりを広げることで、徐々に目的がクリアになっていくことがあります。

イベント中の様子

NewsPicks 加藤さん:
また、NewsPicks が特に大事にしているのは「どういうコンテンツを起点にしたら対話が生まれるか」です。その企業のビジョンや取り組みをコンテンツとして発信し、経営層も巻き込みながら社内イベントを設計、コンテンツとして配信するのをご支援させていただくなど、よりコミュニケーションが円滑になる導線設計をしています。

WeWork 田渕さん:
私たちとしてはターゲットに合っているかを重視しています。皆さんのニーズをヒアリングしているからこそ、どなたに届けるか、どのようにお伝えするかが大事だと思っています。その点はコミュニティマネージャーのような繋げ役の存在が大きいです。コミュニケーション能力が高く、ちょっとした話の中からもポイントを引き出しつなげるところまでサポートできるよう、弊社でも取り組んでいます。

アルファドライブ 麻生さん:
NewsPicksでも、人が人をつないでいく仕組みは何かあるのですか?

NewsPicks 加藤さん:
お客様の社内に運営事務局のようなものをつくり、NewsPicks Enterprise上でコミュニティを回すためのハブになっていただいています。
ただ、いかに周りを巻き込むかは課題です。推奨しているのは、共感して賛同いただける方を積極的に仲間に入れることです。プロジェクトを始めると賛同者は出てくるので、そこから徐々に広げていく。

WeWork 田渕:
分かります。WeWork でいうコミュニケーションチームと一緒になって、きっかけづくりを加速させてくださるメンバーさん。コミュニティのコアになってくださる方は、大きな起爆剤になってくださいます。

ウェビナー参加者 Q&A

ウェビナー参加者Q&A

Q.社内コミュニケーションを促進するにも社員の年齢や部門ごとに刺さるポイントが違うと思っています。人数が多いこともあり、セグメント分けしたほうがいいのかなと思うのですが。

A.NewsPicks 加藤さん:
目的とか意義に共感した方を集め、年齢や役職というセグメントで切らないように、あえて意識しています。イノベーションを起こし組織が変わろうというときに、年齢も役職も関係ないと思っています。意志があれば、新卒でも経営層でもコミュニティに入っていただいて、一メンバーとして一緒に活動できる設計をさせていただいています。

A.WeWork 田渕:
同じです。あまり分けないほうがいいと思います。併せて最初から経営層を味方にして中に入っていただくことです。縦割りがなくなっていくところが、コミュニティをつくる大事な意味かなと思います。

Q.社内コミュニティ醸成のキーパーソンに必要な素養などあれば教えてください。

A.WeWork 田渕:
やはりコミュニケーション能力は大事だと思います。いろんな人とつながれて、柔軟に幅広く対応できる方が適しています。

A.NewsPicks 加藤さん:
スキル面の話でいくと、人とつながることができるのはまず大前提です。その上で、社内の協力者を増やしていく設計をできることが大事かなと思います。

Q.コミュニティを引っ張るのは属人的な要素が強いと思います。標準化する方法はあるのでしょうか。

A.WeWork 田渕:
そこはむしろ多様性というか、さまざまなタイプの方がいる方が、いい意味でシナジーが生まれると思います。

A.NewsPicks 加藤さん:
まさに多様な方々を巻き込むこと。あとは、初めから場の目的やルールを設定するのも1つです。NewsPicks Enterpriseでは自由な発言が生まれています。例えば「みんなが自由に創発できる空間です」という場のブランディングができてしまえば、「みんな発言して」と言わずとも、場が活性化します。仕組み化のポイントかなと思います。

まとめ:より良いコミュニティ設計のヒント

  • 何のために集まったのかを明確にすること
    (ある程度の抽象度により、より多くの共感を生む可能性UP)
  • 目的が明確でない場合は、小さく緩いつながりを複数構築するのも◎
  • 縦の関係からの脱却・お互いに学び合うマインドセット
  • コミュニティマネージャーには、多くの方を巻き込める人・多様性を重視

 

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